言葉を乞う者
とりどりのいろの 言葉を
拾いあつめるのに
時おり疲れて
わたしは なにをしていたか
わからなくなり
咽び鳴いている
この形だったか…
この色だったか…
はたまた こちらだったか…
天は 素知らぬ顔をして
更に言葉の雨を降らせ続けて
もう わからなくなる…
光や風やあらゆるものも
言葉を万華鏡のように変えて見せ
時の流れも力を貸すから
手に追えず…
おろおろする…
純粋な目をした 言葉を持たない獣たちは 可笑しそうに微笑う
正しい言葉ってなんだい?
正しいって誰が決めるの?
まだ知らない言葉もある
生まれてこの方使ったこともない尊い言葉もある
今少し 言葉の渦に
巻き込まれる勇気が わたしには
無い気がして…
拾いあつめた言葉たちの前で
平伏したまま…
事代主の示現するのを夢にみている
きっと まことは 教えては
もらえないだろうけれど
それでも 言葉の言葉らしさを
知りたくて 焦がれている…
愚かなわたしは…