その一、背後

後ろから聞こえる声。
その声は笑い声、怒声など様々な感情の声。
それは決して聞いてはいけない声。
聞こえたら耳を塞がなければならない。
耳を塞がなければ耳なし芳一のように耳を引きちぎられ、その場で食われてしまう。
「それが嫌なら耳を塞ぐんだな」
その低い印象的な声は、暫くの間脳内で再生され続けた。
そしてそのあとに続いた言葉は、
「さようなら」
そこで意識は途切れるのだ。

#詩 #つまらん #影そして蜘蛛

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