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【3】予知夢


ゲームではじめてのネッ友となった
未成年の学生の男の子は、
ハンドルネームを「ロウくん」と言った。


ロウくんは、定期的に私を助けてくれて、
本当に面倒見がよく優しかった。


私は、彼に自分の年齢を明かせなかった。


未成年の学生の男の子と
ネットゲームするアラフォーの痛さ。


だいぶ歳上だよ、という私に対して
ロウくんは、

「俺は年齢は関係ないよ、友達になろう」

と言って、仲良くしてくれた。

不意にできた、
とっても年下の男の子のお友達は、毎日、部活の話や、文化祭といった、私からしたら眩しいばかりのトークをしてくれた。


同世代ならもっと一緒に楽しめたんだろうなと過ぎ去った日々を思いながら、ゆっくり交流を重ねていった。


とはいえロウくんは、忙しい子だったし
ほかに仲良くしているフレンドさんもいたものだから、いつも一緒に遊べるわけではない。


ロウくんがいないと育成不足の私では強い敵は倒せないし、キャラ育成する素材も足りない。

もっと助けてほしい反面、
そこまで頼るわけにはいかないしなと
思いながら、ほかにもフレンドが欲しいなと思い始めていた。


ロウくんと知り合ってひと月ほどたったある日のことだった。


私にとって1番大切な存在になる
ネッ友と出会うことになった。


私がしているゲームのマルチプレイでは、全くの他人とマッチングするので、中には悪質な人も多く、嫌な思いをしている人は多い。

そのせいでマルチ自体不可にしている人もいるくらい。


かくいう私も悪質な人とのマルチプレイに怯えていたので、親切なロウくんとの出会いや助けてもらえた経緯がなければ、「今」がなかったと断言できる。


その人とも出会うことはできなかったと思うし、ロウくんには感謝しかない。


でも、ゲームをはじめてから、これまでのたくさんの出会いを振り返ってみても、


全ての出会いは必然というか。

なにかしら必要だから起きたことなんじゃないかと思う。


なにか意味があるから、
必要だから出会ったと思う。


その彼との出会いについて語る前に、
私は小さな頃から予知夢を見る人間だったことを話しておこうと思う。


私は物心ついた時から、予知夢を見る子だった。


違和感を感じたのは、保育園の頃。


夢で見たことが起きることに
なぜなのか分からず、母親に相談して
それが予知夢ということを知った。

母自身が、霊感の強い人で、
姉も予知夢を見たりしていたから、
遺伝みたいなものがあるのかなと思う。


予知夢は大人になっても続いた。


ただ、大人になるにつれ、
予知夢が現実に起きるまでの時間差が
長くなってきた。


大学生の時に見た予知夢は、
2回目の転職先でのことだったり

25歳くらいで見た予知夢は、
40歳になってからのことだった。

近々に起きることを見る時もあるけれど、
結構な時間差があるものだから、
夢を見た自分との環境も違いすぎて
見た瞬間は予知夢とは気づかないレベル。


28歳の時に見た予知夢で、
じつは私は今のことを予知夢で見ていた。


それは、40代になった自分が、
アプリゲームにハマって、
2人の男性と毎日のようにゲームをしている姿だった。


そして、夢の中でその2人の男性の姿も見えていた。

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