旅に出る
空腹に耐え、怪物との戦いも終えた。
9:30
ギリギリで解放された。
高速バスに乗って、空港に向かう。
もう何度目かの空港。
流石に目的の場所に辿り着くのは容易だった。
お土産に柚明太を買って、搭乗口に立つ。
もう何度も来てわかってるのに、1時間前に搭乗口で待っておく癖が抜けない。
ただ流石に空腹には耐えられないので、一蘭による。
1人だけの空間。
ヘトヘトで容量が限界突破している胃袋に、チャーシューとコッテリした豚骨ラーメン。
糖質がどーのとか、カロリーがどーのとか
そんなこと気にするほど、その時の私は思考力を伴っていなかった。
一瞬で中身を失った丼とお皿を見て、ようやく自分がとんでもないことをしてしまったことに気づく。
が、後悔してもしょうがないし、あの美味しさと温かさを味わえたのだから、後悔する方がおかしい話だ。
あまりにも早くラーメンを食べ終わったせいか、まだまだ飛行機に乗るまでには時間が有り余っていた。
飛行場を見ながらあぁ、本当に飛ぶんだなと思ってみる。
隣の親子が絵本を見ながら間違い探しをしていてそれが可愛くて。
そうして癒されていたら、いつの間にか時間が来た。
今朝の戦いが遠い昔のようだ。
電子音が響き、一歩一歩近づいていく。
東京、神奈川。
ワクワクが嫌な思い出を忘れさせる。