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シング・フォー・ミー ライル

ウィル・スペック&ジョシュ・ゴードン監督作品、ショーンメンデス主演作品「シング・フォー・ミー ライル」を見てきた。

私は、日本語の吹き替えバージョンで見たので、主演は大泉洋さんだったけど。
というか、大泉さんだったから前売り券まで買って、朝6時に起きて8時からの映画を見たわけで。

予告の段階からかなり気になっていた作品だし、あの「グレイテスト・ショーマン」「ラ・ラ・ランド」の音楽チームが作り上げた最新作ともあってかなり期待値は高かった。

久々の洋画、そして大泉洋初のミュージカル作品ということで、ワクワクしながらシアター10へと向かった。

あらすじ

舞台は大都会ニューヨーク。
売れない冴えないショーマンのヘクターは、自分にしかできない新しいショーが出来ないかと思い、とあるペットショップに出向く。
そこで聞こえる歌声。その魅力的な声の持ち主は一匹の小さなワニだった。
ヘクターは、ライルと名付けられたその小さいワニを引取り2人で立つ夢のステージを目指して歌う日々に明け暮れた。
そして念願の2人でのステージ、しかしライルは多くの観客を前に怖気付き、一曲も歌を歌えずにステージは幕を下ろしてしまう。
ヘクターはそのまま音楽プレイヤーを入るに渡すと、そのままライルの前から姿を消してしまう。
そして月日が経ち、ライルの前には1人の孤独な少年ジョシュが現れた。
ジョシュと過ごす日々を通してまた歌い始めるライル。
臆病者同士の絆が紡ぐ、種族を超えたファンタジーエンターテイメントが始まる。

以下ネタバレあり感想
※敬称略注意


吹き替えの世界での英語って何語?

この映画に限らず、吹き替え映画を見てて常々思うことがある。

「吹き替えの世界で出てくる英語って何語?」

いや勿論英語でしょ。

そう、その通り。
そうなんだけど、じゃあ何のために吹き返してるのよって。

私の個人的な見解だけど、吹き替え映画というものは、英語に限らずその映画が作成された国の母国語が分からない人のために、それぞれの国の声優、俳優さんたちが自国語に訳したものの吹き替えをやってくれている。
つまり外国語は全て、自分たちがいつも使用している母国語に入れ替わってないといけない。
だから吹き替えの世界に、その元の母国語が存在していたらとおかしいと思ってしまうのは私だけなんだろうか?

まだオッケーとかイエスとか日本人にも馴染みがあるものとか、カタカナ名称のものなら分かる。
でも今回の映画では全部日本語の曲もあれば、全部英語の歌が出てきて、かなり困惑した。

この吹き替えの世界は、どんな世界線?

これを一緒に見にきてた妹に話すと、「そこまで考えたことないから、分かんない」とあっさり言われた。

動物が人語を使えることに違和感のない世界


最初ヘクターはライルと一緒にアメリカ全土のショーを回ろうとしていた。
お客さんの前にも、何の説明もなしにすぐにライルを出していた。

ジョシュがライルと出会ったときも、その家族が出会ったときも、皆んな最初こそ驚きはするものの、すぐにライルと打ち解けた。

普通に街にも繰り出していた。

物語の終盤、突然ライルは危険生物と判断され捕獲され、動物園に入れられてしまう。
その後、ライルのことで裁判が開かれるけど、あくまで“ニューヨークで危険生物はペットとして飼育してはいけない“という議題。

ここで一つの疑問が生じる。

「ワニが二足歩行で歩いたり、人語を使うことになんで誰も驚いたり、疑問に思ったりしないの?どういう世界観?」

まだ全ての動物が人語を使えるなら分かる。
でも、グランプスが飼ってる猫のロレッタやその他の動物は人語を話しはしない。

なんでライルは歌うことができるのか、二足歩行なのかその謎は一切明かされない。

映画の前提としてそうなんだから、そういうものと受け入れてしまえば楽なのだけど、ずっとこの違和感があるせいで、登場人物に感情移入しにくい。
もう少し個々の設定に根拠があると、さらに映画の世界に入り込めた気がした。

子供は大人の背中を見てる

主人公ジョシュ少年はライルに出会うまで、孤独で周りの人間や環境に必要以上に怯えて過ごしている少年だった。

それは両親の影響が大きいことに、物語を見ていると気づく。
料理研究家の母親は、自分たちが摂る食事の健康性を異常に心配し、少しでも体の悪いものは家族に食べさせないようにしていた。
そして、子供の学校の通学にも毎日ついていく献身っぷり。
子供を思う優しい母親ではあるけど、ここまで過保護にされると、子供は自分で自分の選択が出来なくなる。

また、ジョシュの父親はどこか頼りなさげ。
優しい言葉を話すけど、ナヨナヨしているから新任先の学校の生徒からも舐められている。

「僕がいつも怯えていたのは、父さんが怯えていたからだ」

「シング・フォー・ミー ライル」/ジョシュのセリフ

子供はずっと親の背中を見て育つ。
私はまだ親になってはいないから、偉そうなことは言えないけど、子供の手本となるように生きることって、言葉以上に難しいことなんだなと感じた。

表情豊かなライル

ワニのライル、めっちゃ可愛い。
ライルは言葉を喋ることが出来ない分、表情は凄く豊かで、今彼が何を考えて何を思っているか、表情を見ているだけで伝わってくる。

特に彼の透き通るビー玉のような瞳は、とても印象的だった。

ちょっと引っ込み思案なライルの性格は、声を当てている大泉洋さんの明るくユーモアのある性格とちょっと合わないかもと思っていたけど、一度本領を発揮すれば、ずば抜けたエンターテイメント性を発揮するライルの魅力と、大泉さんのエンターテイメント性が凄くマッチしているなぁと見ていて楽しかった。

大泉洋の歌声

冒頭でも触れた通り私はこの映画ほとんど大泉洋目当てで見に行った。

私は大泉洋さんが学生の頃から大好きで、同時期にハマっていた安田顕さんと同じチームナックスに所属していることから、ハナタレナックスやら、水曜どうでしょうやら、チビナックスやらを見漁っていた。

いつかチームナックスの舞台を生で見たいと思うし、大泉洋、安田顕が出演している作品は全部とまでは言わないけど、結構チェックしている。
それくらいは好き。

だから今回ほとんど、大泉洋の歌声に1500円払ったようなもの。

そしてその歌声は私の期待を大幅に超えてきた。
歌が上手いことは知っていたけど、ここまで心をグッと掴むような歌声を届けられるとは思ってもみなかった。

意外でもあるけど、納得もできるそんな大泉さんの実力を実感できる映画だった。

最後に

この映画の同チームが作成した「グレイテスト・ショーマン」が好きな私にとって、この映画は多少内容に乗れないところはあったけど、ライルの可愛さと、大泉洋の歌声を満足に堪能出来る時点で、かなり良質な映画体験は出来た。

歌がとにかく楽しくてワクワクするので、気になる方ぜひ劇場で。

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