酔え。【アバチュ2クリアレビュー】
なんとなく、アバチュ2はプレイ人口が少ないような気がしている。
思う根拠は中古ゲーム市場の状況だ。昨今はともかく、2000年代後半から10年代前半にかけて、アトラスゲーは「中古が高い」というイメージがあった。
プレミア化していたマニクロはともかく、P4やデビサバ、SJも値崩れはしていなかったと記憶している。(大手メーカーに比べて)出荷本数が少なかったことはもちろん、手放さない人が多く、需要があったんだと思う。
ゲームショップに足繁く通っていた当時の僕は、アバチュ2の中古を見たことがなかった。ワゴン常連だった1と比較して、レアだったと記憶している。現に当時の僕はベスト版のパッケージのダサさに文句を言いながらも新品を購入したのだ。
初クリアから14年。思えば歳を取ったもんだ。
温めた。再プレイの機会をずっと温めていたんだ。温めに温めたアバチュ2。人修羅も下して、意気揚々とプレイした。
なんたる深淵。なんたる洒落っ気。なんたる濃ゆさ。
極上の一品に気づくのに、こんなに時間がかかってしまった。自分が恥ずかしい。
個人的に真2、ペルソナ2に並ぶシナリオでした。
確かにこれは熱狂的なファンにも頷ける。この魅力を頑張ってレビューするぜ、ブラザー。
1のレビューはこちら!
※評価点の項目からネタバレ注意です。
※10/9 追記 オマケに加筆しました。
プレイフィール
終わる世界
ニルヴァーナ。そう呼ばれた楽園を目指して、熾烈な生存競争を勝ち抜いたトライブ・エンブリオン。
「楽園に行く」
その一言があらゆる免罪符になり、殺人や食人を肯定していた。
でも、蓋を開けてみたら、楽園でもなんでもなかった。むしろもっと惨たらしい現実が待っていた。
唐突に始まるハードモード。うーん、この畜生。
前回の退廃的でスチームパンクな世界観とは打って変わって、全体的にアポカリプス的な息苦しさが詰まっている今作。
絶望を象徴するのが、黒い太陽だ。
鬱蒼としたジャンクヤードから抜け出て、やっと浴びられた陽の光は有害でした。どこまでも皮肉な設定。
黒い太陽の光に浴びると石化してしまう。この「キュヴィエ症候群」のせいで、人々は地下や屋内の生活を余儀なくされている。
当面の目的は、はぐれたエンブリオンのメンバーとセラを探すこと。
現状を受け入れつつ、カルマ協会の追っ手から逃れ〜というのが本筋。
ヒンディーなあしらいが全体に施されていた前作とは違い、2は結構近代的。その影響もあって、プレイ感は全然違う。お話は続いているんだけど、別なゲームを遊んでいる感覚。
シナリオ的には短いんだけど、一つ一つのダンジョンが長め。だから思っているよりもボリュームはあるかも?
それでも、クリアだけが目的なら、かなり早めに進めるかなと思いました。
僕はカルマリングのコンプを目指していたので、くまなく捜索することに。
1で慣れ親しんだ仲間に話のスポットが当てられているので、訴求力はバツグン。久しぶりのプレイだったけど、ストーリーが非常に面白かったです。
その要因は演出面にあると思っている。退廃的でハードボイルドな演出が最高なんだ。
1は設定の都合上、ストーリーの立ち上がりは感情を抑えめにするしかなかった。自我を持った2なら、そんなことお構いなしだ。
まるで「これがやりたかったんだよ!」と言わんばかりに、良いシーンが連発する。面白い。途中のダンジョンを煩雑に感じてしまうくらい、ストーリーを追いたくなった。
僕みたいに「1は普通に面白かったけど、絶賛するほどでは・・・」っていう人に程やってもらいたい。なんでこれを分作にしたんだアトラス。そういうとこだぞ。
プレスターン最高傑作
プレスターンの最高傑作はアバチュ2でいい。それくらい面白かった。
いや、真3の時点で完成してるし、最高傑作はそっちに譲ってもいい。けど、ここであえて書いておきたいのは、追加要素の塩梅が上手だということだ。
今作の目玉として書き残しておきたいのは、「カルマリング」と「威圧の魔石」だ。
カルマリングはキャラクターごとに1つだけ付けられる装備だ。序盤こそ、力+2とかしょぼい効果しかないのだけど、後半に行くにつれて性能が上がっていく。
例えば、リンケージに必要なアイコンを1つ減らすシンクロリング。
「次に回す」をしてもアイコンが減らないスルーリング。
1人が2回連続で行動するデュアルリング。
無条件でプレスアイコンを1つ追加するプレスリング。
これらの塩梅がちょうどよくて面白い。やれることが格段と広がって、今まで一番楽しいプレスターン体験になった。
もう1つの「威圧の魔石」は、簡単にいうとぶっ壊れアイテムだ。
プレスターンは残酷な側面があって、不利状況から立て直すのが非常に難しい。
例えば敵の全体攻撃をくらって、一人だけ耐えた!となっても、自分を回復する or 仲間を蘇生する の二択を迫られる。
結局どっちみち助からずに終わり、という局面は何度も見てきた。威圧の魔石があれば、こんな局面でも切り抜けられるだろう。
プレスアイコンを増やすのは禁忌だと思っている。真4の公の影みたいに、スキルにしてしまうのはちょっと違う。でも、持ち込み制限があって、使い切りのアイテムなら許せる。でも、気安くいろんな作品に出して欲しくない。なんだこの厄介信者は。
どっちもひとつ間違えるとバランス崩壊待ったなしだ。でも、全体を通してゲーム性が損なわれていると感じる部分は少なかった。この辺りのバランス調整もちょうどいいんだと思う。
本筋とは関係ないけど、僕の心を掴んで離さないのは羅刹モードだ。
昔から特殊エンカウントには目がない。古くはポケモン金銀の三犬みたいに、通常戦闘のBGMが変わるのが最高すぎる。
なんだよ、羅刹モードって。そんなの最高じゃんか。しかもあれだぜ、「俺はいま抑えがきかん….!!!」とかいうんだぜ?
攻撃力が増すけど回避される可能性があるし、防御面は脆くなるので、正直言ってバッドイベントだ。
でも、嬉しい。見ていて本当に嬉しい。この辺りは僕の琴線にビンビンに触れてくる。胸が苦しくなるからやめてほしい。
前作と比較しながら語ってきた。結構ガラリと変わったと思う。
ここまで語っておいてなんだが、正直アバチュ2が持っている力はこんなもんじゃない。というか、これからが本番だ。
さぁ、ここからはネタバレ全開だ。
未プレイの人は、ぜひ遊んでから読んでほしい。
終わった後に語り合おう。
評価点
デジタルなデビルのサーガ
「DIGITAL DEVIL SAGA AVATAR TUNER」
デジタルデビルサーガ アバタールチューナー
ごめん。ごめんね。でも、大きな声ではっきり言う。
タイトルがキモい!
こんなに長々とした名前なのに、胸張ってわかる部分がデジタルとデビルしかない。しかもそれだって、デジタルデビル物語から来てるんだろうくらいにしか思ってなかった。
でも違った。もうね、これはデジタルデビルサーガなのよ。アバタールにチューンするのよ。プレイし終わった今なら、このタイトルしかありえない。
1の世界は電脳空間で、サーフたちはプログラムだったって言うオチ。
アバチュはサーフたちの物語だ。サーフとセラの、エンブリオンのお話だ。
蓋を開けてみれば、現実世界に「生あるもの」として存在していたのはセラだけで、サーフたちは戦闘用プログラム。人間ですらなく、電脳世界にのみ存在するものたち。
だから、電脳世界の悪魔なんだ。デジタルなデビルの物語(サーガ)なんだ。この結論に至った時、アバチュ全体がもつ世界観の奥行きに嬉しくなった。タイトルはこれ以外ありえない。
この「情報」を核に置いた話が面白い。話というか設定というか展開というか。全てがそこに収束すると気づいた時、妙に説得されてしまった。
黒い太陽から発せられるのも、「有害な情報」だ。
薄れつつある高校生物の記憶を思い出すと、見えるものや感じるもの等々には「刺激」という名前が与えられていた気がする。
現実世界のありとあらゆるものは確かに「情報」だし、電脳世界に存在するのもまた「情報」だ。その言葉でひとまとめにすると、現実と電脳の境界は曖昧になる。
僕の存在も、サーフたちも等しく情報だ。この文字だって、このnoteだって情報だ。
アバチュの神は、その情報を奪う。
もはや形而上か形而下にあるかだなんて関係ない。等しく情報であれば、太陽の餌食になってしまう。
すごく言葉にするのが難しい。
「『なんでもあり』によくここまで説得力を持たせられるよな」と思ってしまった。
それほどまでに「情報」とは大きな言葉だし、「情報」→「電脳」と連想するたびに「DIGITAL DEVIL SAGA」がチラつく。最高。
葉っぱは情報でできている。そう思ってゾッとする。
これが面白い。なんという作品なんだ、アバチュよ。
絶品シナリオ
アバチュ2ではとにかくキャラが死ぬ。
死ぬ。どんどん死ぬ。バンバン死ぬ。
このひとつひとつがジーンとくる。かつて一緒に戦いあった、打倒人修羅を志した仲間たちとの別れがとても良い。
パーティメンバーの愛着は、アトラス作品の中でも結構上位。みんな好き。セラ以外は本当にみんな好き。ペルソナシリーズで愛着が湧くのはわかるけど、こんなドライで淡々と進むRPGでここまで好きになれるのも珍しい。
2では後半にかけて熱いシーンが多すぎる。
1での盛り上がりどころをこれでもかってくらい、2に持ってきてる。
本当にこのあたりは面白すぎてダンジョンにキレてました。早く話の続きが見たくて。久しぶりにやってこれだからなぁ。
1で疑問だったところが解消されつつ、愛着が湧いた仲間キャラのドラマで魅せる。そして最後に辿り着くのは、
この合体がアバチュ2最大のツッコミポイントとしてネタになっているんだけど、違うんだ。そうじゃないんだ。ここを力説したい。
今回のプレイで最も衝撃を受けた(最大の収穫だった)のは、これだ。
「え、SURFじゃないの?」と思った。でも違った。答えは、
「Serph」だったんだよね。このミスリードがどこまでも気持ち良い。
ヴァルナは水神で、アートマはウォータークラウンで、初期スキルがブフだったら、水を連想するSurfだと思うよね。ヒートなんかまんまHeatだし。
でもサーフがSerphなら、Seraと合わせてSeraphになる。ここにも納得してしまった。最初からセラフになる運命だったんだ。
ここでゲイルのテキストを紹介したい。
神と交信する施設HAARPにて、サーフは命を落とした。サーフの情報は交信するセラの情報と共に太陽と向かう。その道中でセラフへと合体する。
ひとえに「情報」とくくるのなら、セラとかサーフという個人なんか関係なく、全部「情報」だ。この点から言っても、融合は納得できる。
もう一つの見方は、「そもそも全部セラ」ということだ。
システムの都合からか、セラフの主人格はセラに寄っている気がする。この点から、僕はサーフがセラに融合したのだと思った。
つまり、サーフたちはもともとセラの頭の中の存在なのだからセラの一部だし、融合も違和感がないよね、ということだ。
ただ、これは僕の妄想も多分に含まれているので、小声で呟いておく。
いやぁ、いやあ。
ため息しか出ない。たかだか2本のゲームにたっぷり詰まっている。詰まりすぎだ。
別に本筋だけをサラッとなぞるだけでも、熱いシナリオが堪能できるんだ。というか十分だ。十分すぎるくらいおもろいんだぜ?
でも、それじゃ物足りない欲深きものたちのために、しっかりと掘れる設定を置いておくってのが最高にCoolだ。
ぶっちゃけた話、サーフがSERPHなんて、1ミリも気づかなかった。裏ボスのためにヒーホークイズ消化してなかったら絶対気づかなかったと思う。それを1の説明書にも仕込んであるんだもん。どこまで芸が細かいのさ。
ここ数日の僕の興奮が少しでも伝わったのだろうか。伝われば幸いだ。
どちらにせよ、最高に面白かった。お腹いっぱい。
脇を固める世界観
極まったコンセプトと絶品シナリオ。ここだけで評価点を終えてもいいのだけど、もう少しお付き合いください。
メインだけでも十分すぎるのだが、脇道に逸れても最高なのがアバチュ2。
全部紹介しているとキリがないので、ダイジェストで行きます。
【全体に浸透するロウとカオス】
アポカリプスな世界の中で、マダム・マルゴとエンジェルとで対立している。マダムがLAW、エンジェルがCHAOS。(これだけでも色々と語りたいのだが割愛)
終わる世界で秩序を築こうとするマダムの動向は、狂気に塗れていて面白いポイントではある。
さらりと流されている話の脇道も層が厚い。これだけでも本編のメインイベントに張れるくらいなのに、本筋じゃないからバッサリカットしていく。
こういうグログロでどうもならないメガテンも遊んでみたいよ。
真4の赤玉イベントはこれを発展進化させたのかな。
【薫る真2オマージュ】
こういうテキストや演出の一つ一つがファンの心をくすぐる。というか僕がとても喜ぶ。もっともっとやってほしい。真3で成し得なかったことを代わりに入れ込んでいる気がする。
アバチュの世界観がそもそも、さまざまな情報が入り乱れる〜といった感じなので、別作品の要素がチラ見えしてても気にならない。こういうのは外伝作品ならではだよなぁと思う。
ひとつひとつ味がする。噛んでも噛んでも語りきれない。
これだけ書いているのに、まだ語り足りない。シエロシューティングの話とか、デビルマンとウルトラマンの話とか、トリブヴァーナとか、ゲイルの名言集とか1の王子の話とか色々さぁ!
ぜひ遊んでもらいたい。絶品シナリオと熱狂ボスバトルが君を待っている。
熱狂ボスバトル
前作のレビューでも書いたけど、アバチュは本当に裏ボスのセンスが光ってる。
この、このさぁ! シヴァ様とやりあえる感じがさぁ!!
僕の記憶が正しければ、ボスシヴァと戦えた最初の作品。だから真Vで裏ボスになってた時発狂したんだ。アバチュのシヴァはそこまで強くないけど。
主人公を裏ボスに据えるのもいいけど、人気悪魔たちが強くなって立ちはだかるだけで僕は満足だ。
だから最近のアトラス好き。真4の天使とかアスモデウスとかも裏ボス出演してほしい。話が逸れた。
僕の感動は伝わってくれただろうか。
僕はもう少しアバチュ2に浸ろうと思う。この濃ゆい世界観に酔いしれて、思いを馳せていたい。
ただ絶賛だけでは終われないので、不満点も連ねていきます。
不満点
仲間の離脱の多さ
(大体)6人しかいないメンバーのうち、常に誰かしらが抜けてしまう。出たり入ったりがチラつくからパーティが固定されがち。
結局強いのはゲイルとシエロ。序盤は行動を共にするアルジラだって、離脱期間が長すぎてまともに使えない。
このゲームはレベルじゃなくてスキルで戦うゲームだから、埋まってないアートマを見るたびにガックリくる。引き継ぎありで強スキルもらっても、使い道なく終わる人が多そう。
これは難易度の話に続く。
雑な難易度調整
1から続いていた金欠問題が全く解決しない。そのせいで、育てるキャラを渋る本末転倒っぷり。
あとはスキル獲得に必要なポイントも辛く設定されているような気がした。気のせいかな。
道中、ソルブラスターが強すぎてそれで蹴散らしてたら、ラスダンまで2段階目魔法(アギラオとか)しか習得できなかった。
いや、じゃあハントスキルを使いなよって話なんだけど、前述したメンバー離脱のこともあって、パーティ全体に満足にスキルが揃わない。
だから回復とか補助とか攻略に必要不可欠なスキルの方が優先順位が上で、おまけにお金もないから攻撃魔法は妥協しがちになってしまう。
敵の強さ調整も結構乱暴で、ダンジョンが変わった時に強さがガラッと変わる印象を受けた。
強さのグラデーションが雑だから、ついつい強スキルで蹴散らそうとしてしまう。そうするとハントスキルを使っている余裕がない。そもそも「ハントスキル」っていう括りもなくて良かったかなと思う。物理スキルに比べて圧倒的に弱いし。
インスタントな出来栄え
シナリオの時間に対して、ダンジョンの攻略時間が長すぎる。ひとつひとつのダンジョンが冗長で、正直作り込みの甘さを感じた。
というか、意地悪な見方をすると、連作にしたせいでボリュームが稼げず、ダンジョンを長くすることでバランスを取ったんじゃないかと思ってしまう。
そのダンジョンだっていつものことだけど面白いわけでもなく、ただのお使いみたいなイベントが大半。カルマリング集めに奔走したから余計に面倒に感じたのかもしれないけど、別に面白くはなかった。
ダンジョンデザインでいっても、現代風な建物が多かったので(仕方ないけど)、攻略モチベはかなり低かった。ラスダンの太陽はビジュアル的にかなり好き。ワープ地獄でクソマップだけど。
羅刹モードやクイズのエンカウント仕様のせいか、オモイカネの遭遇率が減った気がした。そのせいでレベリング諸々が結構大変。
ライドウの2作みたいに、「1での不満点を解消しよう!」っていうモチベーションは感じられない。
もちろん、いろんな要素を付け加えたサービス精神は評価するけど、システム周りとかバランス周りはもう少し調整してくれた方が嬉しかったかも。
総評
世界観に酔いしれる
面白かった。かなり面白かった。色々と考えさせられるし、考えたくなる出来栄え。
クリアしたばかりのホカホカした頭では、全てを処理しきれていない。落ち着いたらまた整理したいとも思っている。アバチュが内包する世界観を少しでも伝えられただろうか。
せっかくなのでラストバトルについて、少しだけ妄想を残したいと思う。
太陽の最果てに待ち受けていた神。現れたラスボスがブラフマン。ヒンドゥー教やウパニシャッド哲学における宇宙そのものだ。
きっとこれは梵我一如を表しているのだと思う。
セラフは自己とブラフマンが同一であることを悟った。
この悟りによって、(ヒンドゥー教的には)解脱が完成し、あらゆる苦しみから逃れることができたのだ。
注目すべきは、神自らが仕掛けてきた戦いだということだ。
太陽到着後、シュレディンガーから「人の無限の可能性を神に示すんだ」と言われて送り出される。
確かに真3アマラエンドの閣下戦のように、熾天使セラフが人間を代表し、人間の可能性を示すために神と戦ったとも考えられる。
ただ僕は、ここにひとつ妄想したい。
勝利したセラフがブラフマンを喰らうことで梵我一如に至ったのではないか。そのためのラストバトルだったのではないか。
「喰らう」
一貫したアバチュのテーマだ。
ブラフマンを喰らう。梵我一如という壮大なイベントを締めくくるにふさわしい仕掛けだなと思う。
もちろん、根拠も何もない、ただの僕の妄想だ。願望に近いのかもしれない。
それでもいい。これぐらい熱中して、のめりこめたのだからお釣りがくる。
こうして必死にレビューを書いて、伝えたくなるような魅力が詰まっている。
アバチュは最高だ。なんて素晴らしい作品なんだ。
惜しむらくは、大衆ウケしないということ。
リマスターは絶望的だろう。奇跡が起こって発売されても絶対売れないと思う。
でも、もったいなく思う。
こんな名作が埋もれていることを少し悔しくも思う。
僕はアバチュが大好きだ。
リマスターが発売されなかろうが、続編が出なかろうが、それでもいい。
この作品を遊べたことを嬉しく思う。おもろかった。
これからも僕は書き込み続けるだろう。
「アバチュはいいぞ」
オマケ VS敵対者
人修羅倒したなら、こいつも倒すでしょってことで。サタンです。
正直、14年前にプレイした時は面すら拝んでなかったので、本当に初見です。かなり楽しみにしてたのに、蓋を開けたらクソボス筆頭でした。この野郎が。
以下、雑感を書いていきます。と言いたいところですが、まだ撃破していないので感想はお預け。こいつを倒すまでレビューを待っていたらいつまでもアップできないので。撃破したら追記します。
・パーティ紹介
・基本情報
wikiとか参照してもらった方が早いですが、一応。
HP30000。属性はターンごとに変化。
4ターンごとに即死ギミックあり。
HP15000とHP7500以下でパターン変化。それぞれ行動追加。
・サタンの攻撃
【基本】火氷雷風地の属性攻撃、メギドラオン、マハンマオン、マハムドオン、色即是空(ランダム状態異常)、デクンダ
【注意】神の息吹(即死攻撃)、魅惑の果実(確定魅了)、神の裁き(一人確殺)
・注意事項
基本的に4ターンで1ループするので、4ターン刻みで考え続けなければならない。
4ターンごとに神の息吹(即死攻撃)が来る。これを回避するには、こちらが全カジャMAX(3段階)にしておき、敵にデカジャを使わせる必要がある。
つまり、サタンの行動が
【基本行動】→【基本】→【基本】→【即死】
となるところを、
【基本】→【基本】→【基本】→【デカジャ】
にし続けなければならない。
4ターンごとのデカジャチェックを超えなければクリアは不可能。突撃の狼煙(全体ヒートライザ)があるとはいえ、これがかなりしんどい。
HPが15000以下になると、
【確定魅了】→【基本】→【基本】→【即死】
に変化する。
いやらしいのが、15000を切った瞬間に一度確定魅了が飛んでくるとこ。
3ターン目で15000を切った場合、
【基本】→【基本】→【魅了】→【即死】→【魅了】・・・と続くことがある。
確定魅了自体は魅了ブレイクで対策可能。でもそれには「いつ魅了攻撃が飛んでくるのか」の把握が必須。つまりダメージ計算が必要。
HPが7500以下になると、毎ターン一人確殺するスキルを使うようになる。選出基準は、パーティ内で一番魔の値が低い人。僕の場合はシエロだったんだけど、シエロがパーティの要だったのでキツかった。
これと並行して、サタンの防御相性も毎ターン変化する。
僕は物理攻撃主体だったんだけど、物理反射のターンも存在する。ターン計算を間違うと一気にピンチになる。
簡単にまとめると、
X/4ターン目なのかを数えつつ、電卓を叩いてダメージを計算し、味方のカジャ段階を把握するゲーム。
誰が楽しいんだ、この苦行。
・雑感などなど
戦闘における基本パラメータ(HP・MP・プレスアイコン)に気を配りつつ、ターン経過・与ダメ・強化段階に気を配る。これがキツかった。
バトルにおいて電卓を叩くのはこれで3回目(1の人修羅、真Vの人修羅)だからともかく、残り2つはかなりしんどい。
アバチュは強化段階を確認する術がないので、ポカした時は1行動無駄にするしかない。うーん、この。
正直、こうやって書いてみると、本当にクソボスだ。(いや実際そうなんだけどさ)でも、慣れてくると不思議なもんで、4ターンの感覚が掴めてくる。ここは唯一面白かったところかな。
こっちのテンプレ行動としては、
一人目から順に、
パス→カジャ→パス→呪殺リフレクト→カジャ→パス→パワーチャージ or 他補助
が基本になる。
(サタンの行動にも寄るけど、)カジャが完成するのは最速で2ターン目。だから即死(デカジャ)がくるまで2ターンの自由期間がある。この間にランダマしたり、チャージしたりと準備ができる。これにヒリつく。
サタンの基本行動の中で一番厄介なのが色即是空(ランダム状態異常)。これで簡単に壊滅する。だから、なるべくサタンに行動させないのが肝。
そこで、毎ターン呪殺リフレクトを張ったり、ゲイルを人間役にしてマハンマオンを受けたりして敵のアイコンをつぶす必要がある。
ここまで書いてても、行動パターンが変わったときにパニックになる。何度も魅了ブレイクをかけ忘れたのは辛い思い出。ちなみに、魅了ブレイクと神経ブレイクを間違えてセットして2回全滅したバカがいるらしい。
中途半端な攻撃はかえって不利な状況を招くので、じっくり強化して戦った方が吉。
後半の7500以下のパターンがもっとも苛烈。だからそのパターンに入る前に威圧の魔石を使って削り切っちゃったほうがいい。僕はそれで勝ちました。
いやー、いやぁ、キツかった。試行回数は実に数十回です。全然勝てなかった。
デカジャを乗り越えたことにホッとして、確定魅了を忘れるんだよなぁ。うーん。あとは地味に魔法が多段ヒットして全滅もありました。あれが一番萎える。
3Dサタンと戦える唯一の作品なので、非常に期待はしていましたが、残念。こういう形じゃなくて、もっと真っ向からやり合いたかったぜ。
今更サタンをしばきに行く人なんかいないと思いますが、参考になればぜひ。雰囲気だけでも味わっていってくれ。