ソウルハッカーズ2を擁護し”たかった”【クリアレビュー】
僕はずっと、ソウルハッカーズ2が遊んでみたかった。
ファーストインプレッションは最悪。当時、1をプレイしてなかった僕でも確信した。
「あ、やらかしたな、アトラス」
その予想はびっくりするぐらいその通りで、蓋を開けてみれば非難轟々。そりゃそうだ。
でもそうなってくると逆に遊びたくなる。この目でその内容を確かめてみたくなった。そんな気持ちで、つい先日クリアしました。
ディレクターのふたりは反省しなさい。
どんな仕事してるのさ。
Steam版をプロコンでプレイ。
難易度はHARD→NORMAL。DLCは適宜使用。
21時間でクリア。ノーマルEDのみ。
※【評価点】の項目からネタバレあり。
とんでもない長文になってしまった。ご容赦。
プレイフィール
『ソウルハッカーズ2』であること
本作を語る上で、『ソウルハッカーズ』について考えておく必要があると思う。
語義を辿れば魂(ソウル)を不正侵入(ハック)することで、『ハッカーズ』は行為者たちそのものを指すことになる。
前作「ソウルハッカーズ」では、主人公やレッドマンがビジョンクエストという形で歴代の戦士のソウルに干渉していた。ソウルハッカーだ。
ヒロインであるネミッサもヒトミのソウルにハックしていたし、ボスである門倉は天海市の住民のソウルをハックしていた。彼らもソウルハッカーだ。
こうして『ソウルハッカー』という言葉を並べてみて僕が、そしてみんなが思うのは、きっと「どうでもいい」ではないだろうか。
思うに「ソウルハッカーズ」の面白さは、そういうところになかった。
プレイヤーの何人が一体「うおおおおお! これがソウルハックだ!!!」となっていたのだろうか。該当者は連絡してもらいたい。話を聞きたい。
ハッカーズ2にはそういうズレが各所に散見する。
ハッカーズが面白かった理由
世紀末という時代に、近未来という設定で、没入度の高いRPG。
これがハッカーズがウケた理由だと思う。プレイヤーはスプーキーズの一員だったし、相棒はネミッサだったのだ。
そんなドラクエ的なハッカーズ1の続編は、FF的なJRPGだった。
別にFFよりもドラクエが面白い〜みたいな話がしたい訳じゃない。
でもドラクエの無個性主人公は没入感を高める措置として優秀で、低予算タイトルの味方であったことには変わりない。
FFみたいに解釈を1つに限定させるなら、マス層を納得させるシナリオラインが求められる。本作がそういった人たちを唸らせる出来だったのかはさておき。
少なくとも「あのハッカーズの続編!」と聞いた時に、前作ファンの大半は「現代ナイズされたドラクエ的な感情移入ゴリゴリのRPG」を期待したはずだ。
『ソウルハッカーズ』という原題に即して考えると、2のほうがハッカーズしてる。
だから「こんなのハッカーズじゃない」は批評として的外れだと思う。むしろ前作の方がハックしてない。
リンゴがメンバーのソウルをハックするところから物語は始まる。
本作の主人公は間違いなくリンゴだ。彼女がハッカーズの主人公であることは疑いがない。
でも、きっとそうじゃなかった。
プレイヤーが期待していたのは、その要素じゃなかったんだ。
すでにレトロゲーに肩まで浸かった1をリバイバルするときに、ファンの気持ちを考えなかった訳がない。
それでもディレクター含む開発側が出した答えが、『没入度の高いRPGを作ること』ではなく、『ソウルハッカーズという原題に還ること』だったのだ。そりゃあ、みんな怒るわな。
JRPGとしての評価
ただのJRPGとして評価をするなら、『悪くはないけど良くもない』に落ち着くと思う。
それに外伝でしか会えない悪魔の3D化はシリーズファンとして嬉しかった。
戦闘システムもプレスターンや1moreが特別面白いだけで、別に悪い訳じゃない。もっとひどい作品は他にある。異聞録とか罪罰とか。
ダンジョンギミックだってこんなもんだ。
というか、「アトラスが3Dフィールドで面白いダンジョンを一つも作れてないこと」を我々ファンはそろそろ認めるべきだと思う。
そもそも3Dダンジョン時代だって嫌がらせに全特化しただけで、面白いものはなかったはず。
低予算でグラフィックが使い回す判断ならこの仕上がりも当然。むしろ最低限なレベルだ。底の底だけど。
なんとなーく綺麗なコマンドRPGを期待なく遊ぶとしたら良作。
むしろそういうライト層にまで「駄作だ!」って喧伝する必要はないと思う。遊んでて面白かったらそれでいい。面白いと思う人もいるはずだから。
以下、詳細に入ります。
評価点
キャッチーなキャラデザイン
まず、キャラクターデザインはバッチリだったと思う。
デザインタッチに異を唱えてる人もいるけど、個人的にはナンセンス。
というか、いまバリバリに金子絵の人間キャラを出されたらびっくりしちゃう。
新規や初見にとって訴求力のあるデザインだったと思う。
男女のバランスがちょうどいいし、イケてる感が出てると思う。
新規軸のアトラスRPGとして雰囲気は出てるよ。ハードボイルドは薄まっちゃったけど。
キャラの愛着を沸かせる要素として、表情システムはいい味出してる。
正直、「っ!?」って必要かなぁと思うこの頃。
ボイスで喋らせるほどじゃないし、テキスト送るのもめんどくさい。というか、テキストで入れ込むとテンポが悪くなる微妙な反応はたくさんある。
そういった煩わしさから解放してくれるのがコレ。
ゲーム全般について、立ち絵の進化は「瞬き」から長らく見てこなかったけど、この表情で魅せるやり方は上手だなと思った。
無駄にイベントシーン挿入するくらいならこれでまとめてくれ。お願いします。
色々あるけど、リンゴは結構好きなキャラ。新しい看板として優秀だと思う。ビジュアルも可愛いし。
CVのともよちゃんは上手な声優さんだから、色々考えた上での演技だったんだと思う。
でもラノベとか深夜アニメに寄せたキャラデザインなんだから、個人的にはアニメ感強くあって欲しかった。これは賛否分かれそう。小声で呟いておきます。
あと、悪魔のグラはかなり好き。
全体的にアニメに寄せたデザインになってて、女悪魔はどの悪魔も可愛かった。
てか、初手ドアマースはかなりニタニタした。いいよね、外伝になるとマイナー悪魔から始まる感じ。どうせプロデューサーの趣味なんだろうけど。SJの人だし。
悪魔のセリフやリストラ云々はいったんノーコメント。
でも、こういったタッチの悪魔は新規の訴求としては悪くないと思った。
あくまでハッカーズは本流じゃなくて外伝だし、解釈の一つと取れば全然あり。メガテン本編が「この路線にしまーす!」ってなったらかなり考えるけどね。個人的には新鮮で楽しかったです。
3Dで表現された世界観
個人的なベストデザイン大賞は、萬世レルム。
こういうのがデビサマなのよ。こういう世界観で良かったのよ。
ファストトラベルでいろんなところにいける楽しみはあったけど、個人的には1マップを充実させて欲しかったなぁ。
業魔殿とかもレルムの中で良かった。裏社会感、もっと出していこう。
それと同時に、他のマップのクオリティもなかなか。
裏社会があるなら、表社会も描かなきゃ。
この辺りの作り込みはペルソナ5に通じるところを感じた。スタッフGJ。
粗野で雑多な現代社会の街並みがあって、裏社会が映える。
表社会と裏社会の2マップを作ったのは世界観の広がりを感じられるいい采配。正直、街を歩いてるだけでも楽しいもん。
これができるなら、2マップだけでいいからもっと作り込んで欲しかったな。
ぶっちゃけ業魔殿のマップを華々しくする必要なんてなかった。
あんなん龍穴とかワープポイントから飛べればいいんだ。その分合体演出を頑張りなさいよ。
挑戦しようとした姿勢
賛否分かれるところだけど、声を大きくして言う。
僕は別に悪魔会話を面白いとは思わない。
エッセンスの一つとしてあるのは別にいい。
だから、本作で悪魔会話がなくなることに何の不満もなかった。
でも正直、ゲームプレイ中も活躍するのは序盤だけでしょ?
全書埋めるのも合体するのも、結局精霊合体に頼るじゃん?
膨大なお金が溶けるのわかってるから、お金稼ぎするところから始まるじゃん?
悪魔全書をほとんど使わない人だけ、このシステムに石を投げなさい。
本家メガテンで会話がなくなるのは流石に寂しいけど、外伝でこうやって遊ぶ分には高得点。むしろその姿勢は賛美するべきだと思う。悪魔会話にもそろそろ革命が欲しいと思っていたところ。
代替システムがゴミなのは目を瞑るし、悪魔全書の値段が割引後でも法外なのも無理やり目を瞑る。
それぐらい、この路線は潰すべきじゃないと思った。悪魔会話よりも面白いものができたら本作に逆輸入してもらいたいし。
本作はそういった挑戦が随所に見られる。
この姿勢は応援するべきだと思った。
あと、個人的に好きだったのはCOMPの改造。
GUMPで戦えるのかはどうかはさておいて、こういう無難なシステムは普通にアリ。
変に捻じ切って複雑なシステムにするぐらいなら、簡略化してくれた方がマシ。どの素材をどこにいるどの悪魔がドロップするかもゲーム内でサーチできるようになってたし、接敵にも一工夫あったからそれも高得点。
巷で言われるほどの駄作ではない、っていうのが本作への印象。
遊んでて「面白いなぁ」って思ったプレイヤーはラッキーだと思おう。
ネットの評価にびっくりしてるユーザーも多いはず。
でも、決して悪いゲームじゃないよ。アトラス信者がぶっ飛んでるだけだ。
面白いと思ってくれたら胸を張ろう。感性は間違ってない。刺さる人には刺さる作品だ。
その代わりに、他のアトラス作品も遊んでみてくれ。
ペルソナ4Gとか真5とか最高だぜ。僕との約束だ。
さぁ。
以下、不満点です。
不満点
ヨコオ感とくどい説明
職業作家なら大衆ウケはまず考える。売れなきゃ正義じゃないから。
そのために、どの路線で売るかを考えたはず。
はっきりいって、序盤はヨコオゲー感がぷんぷんした。
難解な説明ラッシュ。抽象単語を並べるだけで雰囲気が作れると思うな。
テーマが似通ってるのもあるけれど、でもどうしても数年前にやったオートマタが脳裏によぎる。電脳世界の無機質なデザインだって、ヨコオの世界に引っ張られてるような気がする。おまけに尻を押し出した刀女。
これで「意識してない」はウソ。少なくとも僕はそう感じた。
あと、情報動線は整理しよう。導入が下手くそすぎてビックリする。
というか、そもそも用語集をご丁寧に作ってくれたなら、結構飛ばし気味でもいいよ。演出過多すぎて胃もたれする。
それに本作から「伝わってないんじゃないか?」っていう自信のなさが色んなところで見受けられる。
話し上手な人ほど短く伝えるのと同じで、簡潔な演出でもバチっと伝わる。
真3のベルゼブブ登場演出とか、全般的にあんなんでいいのよ。くどくどやる必要なんてないのさ。
その辺りの情報の取捨選択はペルソナ2とかが優秀だったと思う。
自社作品なんだからもっと遊んで、良さを勉強してほしい。
バトル全般の誤解
バトルで褒められるのは戦闘UIだけだ。
以後、アトラス作品はこのUIを標準実装すること。義務化するべき。
でもそれ以外に褒めるところはない。アトラスのRPGとして見ると、バトルはあんまり面白くない。
目玉であるサバトも、言ってしまえばSJのデビルCOOPだ。
ペルソナで言う総攻撃。しかもテンポが悪いやつ。
別に革新的でもなんでもない。ガワだけ変えたシステムだ。
リンゴが使えるコマンダースキルだって真5のマガツヒスキルだ。
ターン経過で強い必殺技が〜なんて、特段珍しくもない。サバトと噛み合っていたことは認めるけど、トータルとして「別に面白くはない」。
思うに、プレスターンの魅力は火力が伸びることにはないのだ。
アトラスのRPGはとにかく忙しい。カジャンダは4段階までかけられるし、打ち消しスキルを持ってるボスは珍しくないので、一回使ったら終わり、ではない。おまけにボス火力が高いから、回復は必須。でも体力を削らなきゃいけない。この忙しさが楽しいのだ。
だからこそ行動回数の増減が大事になる。
1アイコンを使って補助や回復に使うか、外れる可能性もあるが弱点をついて0.5消費にするかを迷う。いや、そこを迷いたい。
行動回数が有利不利に直結するから弱点を突きたくなるし、逆に弱点をつかれた時に「あ、詰んだ」みたいな感じになる。敵が叩き出す最高打点が想像できなくてゾッとする。麻雀で放銃した時の感覚になる。これがおもろい。
無効や反射耐性を持ってきたいのだって、被ダメを減らしたいからじゃない。一気に有利になれるからだ。行動回数が増えるお得感のために、僕らは弱点ゲーに甘んじるんだと思う。
確かに、弱点を突き続けて8回攻撃を叩き込む爽快感はある。
でもそれはプレスターンがもたらす遊びの一つであって、そこだけが面白かった訳じゃない。プレイヤーのみんなが火力を求めてプレスターンを崇めてた訳じゃないことは声を大にして言いたい。
ソウルハッカーズ2はバトル周りの調整が乱暴だ。同じことは4Fにも感じた。4Fの方が断然マシだけど。
ただイタズラに敵の火力を高くして、防御を固くすればいい訳じゃない。
検証した訳じゃないけど、補助魔法の効きが弱い。いつまで経っても苦しい戦いが続く。
本編ボスはまだしも、呆れたのはソウルマトリクスのボス戦だ。
硬くて痛い上に、ターン制限つき。詰将棋がしたい訳じゃない。レベルでゴリ押す以外の正解があるの?
あと、こいつの存在。
とあるダンジョンでモスマンが中ボスみたいな立ち位置で出てくるんだけど、こいつがくっそムカつく。
エンカウントしたら回避不可能のMP攻撃発動。それが半分くらい平気で無くなる。しかもそれを3回ぐらいやられる。
後述するけど、このゲームはMP管理がとにかくめんどくさい。
いちいちセーフハウスに帰る必要がある。
そんな設計したのは重々承知なはずなのに、なんでこんなことするかなぁ?
おもろくないのよ。MP半減も怪電波もマッカビームも何もかも。
こっちが必死にやりくりしてるのに嘲笑ってきやがって。
何がムカつくって、それを作中で「めんどくさい戦法」って言っちゃってること。「僕たちもわかってますよ?^^」じゃないのよ。最初からすんなっつーの。
不満はそのほかにも。
仲魔の装備化は割と許せる変化。デビルサモンしたいなら真5を遊ぼう!
個人的に嫌いだったのは、仲魔の付け替えにコマンダースキルを使うこと。
これが弱点ゲーで、初見殺しゲーを加速させる。というか、バトル開始前に勝敗が決まってる。
付け替えぐらいいつでもノーリスクでやらせてよ。これまではそういうシステムだったじゃん。
他作品で当たり前にできたことに制限をかけることは戦略性とは言わない。
と言うか、令和の現代に不自由を楽しませるな。それも大して面白くない不自由を。
これはバトルデザインじゃなくてただの手抜き。反省しなさい。
詰めの甘いシステム周り
これも結構怒ってる。最近こんなのばっかだな。
まず、シンボルエンカウント。
出来は悪くない。というか、フィールド上に仲魔をランダム配置できるなら、エネミーだって悪魔のグラで動かせたはず。歩行グラが簡単な悪魔に絞ってポップさせれば、工数少なくできたでしょ? まぁ、そこはいいや。
一番ブチギレてるのはマップ。
いいよ。ソウルマトリクスがゴミマップなのは許すよ。
タルタロスもカテドラルもエリダヌスもYHVHの宇宙もP1ラスダンも許した僕が許すよ。
そういうマップとしての面白くなさは許せる。
でも、気を遣う方向性がズレすぎててうんざりする。
ユーザーフレンドリィにするなら優先順位を履き違えないでほしい。
大きな声で言いたいけど、ボイスがうるせぇ!!
ミミのボイスがうるさい。
「敵です!」ビビビッ「危なかったぁ」「敵です!」ビビビッ「危なかったぁ」「敵です!」ビビビッ「危なかったぁ」
この繰り返し。
それよりも、ミニマップにシンボルを出す方が大事でしょ。
ボイスで注意喚起することよりも、視覚情報を豊かにする方が大事。
というかそっちの方が先で、工数少なく実装できるはず。
敵との位置関係でボイスの種類が変わってるから、エンカウントイベント(敵シンボル)の座標データは裏で取得していて、リンゴとの距離でパターンを分岐させてるはず。んじゃあ、それをマップに表示できるはずじゃん。なんのためのマップなのさ。
そもそもカメラがゴミで、周りを見渡しにくいってのは開発側もわかってたんでしょ?
だったらマップだけでも状況が把握できるようにするべきじゃんか。わざわざどでかくマップ情報表示させてるんだからさぁ。動かせるのどうでもいいから拡大率と透過度をオプションで設定させてよ。
戦闘をなるべく避けたいのに、これじゃ戦ってばっか。
MP枯渇しやすいくせに、回復するにはいちいちセーフハウスまで戻らなきゃいけないクソ仕様。この辺りの不自由さは本当にいらない。
ボイスはこれだけじゃない。全般的に思う。
戦闘時のボイスもうるさい。ガチャガチャ選んでると既定のボイスが再生されまくる。
「いいよぉ、アロウ」「任せて、ミレディ」「いいよぉ、アロウ」「オッケー、サイゾー」
うるせえ!
あとコイツ。
メガキンといい、アトラスのヒカキンいじりはぜーんぶ滑ってるからそろそろやめた方がいいよ。
不快感マックスでした。しかもボイスのセリフも不愉快だから、本当にここに立ち寄らなかった。イベント進めれば多少会話も変わるんだろうけど、そういう問題じゃない。不愉快。
全体的にボイス発生にウェイト入れるとか、そもそも7割ぐらいの確率で喋るとか梃入れしてもよかった。
その調整不足が後半のアプデによる高速化で顕著になった模様。そんなに大変な処理?
最後にストーリーで一つ気になったんだけど、
フィグは最初にレイヴンに会った時になんで何も言わなかったの?
すぐ気づくはずじゃない?
なんでアロウがコヴェナント解放するまで正体に気づかなかったんだ?
この辺りの説明がマジでよくわからなかった。
全体通して、開発者が長時間遊んだよ〜と思える感じが全くしない。
細部に神は宿るというけど、投げやりな後味は親の顔を想像させるよ。
大人の都合が見え隠れするゲームをフルプライスで買うのは、あまりいい気分じゃないよね。
しかもアプデ後でこの感想だ。
最初のプレイフィールはもっとしんどかったんだろうなぁ。
そりゃあ怒られる。みんなの不満も納得だ。
総評
別に僕たちは、「メガテンっぽい何か」でも満足してたんだ。
変に差別化して面白くなくなるよりも、メガテン亜種とか外伝として遊べるゲームが欲しかった。
真3エンジンを流用してアバチュを作ったみたいに、お手軽に仕上げてもらいたかったんだ。無理した挑戦は必要なかった。
ハッカーズの3DSリメイクの本数で、ちゃんとした予算は降りたんだろうか。なんとなーく、あんまり降りなかった気がする。
聞けば真5と並行して開発してたみたいだし、人員配置はかなり悩ましいと思う。
でも、開発途中でスイッチでは再現できない〜なんて話は出てた訳だから、スイッチ環境もある程度は想定していたはず。
何が言いたいって、悪魔を使い回せばよかったんだよ。
増田さん(ポケモンのお偉いさん)が言うように、限られた時間の中でモーション豊かな悪魔を何体もモデリングするのなんて無理だ。
天下のポケモンですらキッツイのに(1000体ぐらいいるけど)、アトラスに解決できるわけがない。
確かにハカ2みたいなグラフィックは嬉しかった。
でもそれは多くのゲームシステムを犠牲にしてまでみたいものではなかった。
仮にそこに多くの予算を投下したんだとしたら、ディレクターはかなりズレた感性を持ってる。
悪魔を大事にしていたのなら、破魔呪殺のパラメータを削ることで人気悪魔がリストラされることぐらいわかってたはずだ。(蠅様やアリスがいなかったのはそのせいか?)そしてそれが大多数のファンを激怒させることも。
そもそも、「デビルサマナーシリーズ」は予算規模が大きい作品だ。
表社会と裏社会の対比をきっちりさせなきゃいけないし、それぞれに作り込みが必要だ。
ただ破壊させておけばいいメガテンとは訳がちがう。それこそ、メガテンの魔界とペルソナの現代社会を融合させる必要がある。
高カロリー工数がいくつかあるからこそ、手を抜くところは作るべきだった。悪魔を新規で作り直して、その上で〜だなんて無理がある。てか、それができるなら、もっと真5のクオリティ上げてくれや。
僕がディレクターを攻撃する理由がそこだ。どう考えても無理があったでしょ。予算の按分なんて一番最初の仕事でしょうが。
メーカーのファンとして、スタッフが新しいことに挑戦したのは素直に嬉しい。株主でもないから売上なんか知らん。僕にとって面白いゲームならそれでよかった。
でも、挑戦した割には真新しさが何もない。
今時「アトラスにしては挑戦した」っていうことには意味がない。
新しく試したことは既に他メーカー他作品が通ってきたものを持ってきただけだし、特段革新的な手も加わってないから陳腐化しただけ。
元々尖ってたアトラスらしさまで手放して、ただの凡作に成り果てた。
シナリオは普通に面白くなかった。でもそれは僕向けのゲームじゃないからだ。おっさんが少年ジャンプにケチつけてるようなもんさ。それは自分の老化を認めよう。
でも、大人しくアロウを無口主人公にして、リンゴをネミッサ枠にしておけばよかったんだ。
こんな感じでよかった。ほんで、フィグをバロウズみたいにして、メニュー周りのナビをフィグにすればよかった。そしたらラストで裏切る時に「うわぁ」になれた。
FFみたいにするなら、あの出来はまずいって。
7、9、10みたいなシナリオ持ってこないと誰も感動できないよ。
それだったら、無口な主人公にしてユーザーの没入度とか感情移入に頼った方がまだ安上がりでクオリティも上げられたさ。
女主人公にこだわるなら、リンゴを無口にしてアイギス路線にしてもよかったよ。それかフィグを主人公に回してくれや。
無口と性別を一気に二つ変えるから混乱する。冒険するときはABテストをしなきゃ。
色々書いたけど、ソウルハッカーズ3がいまの路線出てたら買います。
応援します。喜びはしないけど。
開発スタッフの皆様、お疲れ様でした。きっと大変だったよね。心中お察しいたします。
ディレクターの二人は反省してください。
予算配分がわからないあなたたちじゃないはずです。あと、お二人のセンスは結構ズレてます。本当によろしくお願いします。でも応援してます。
余談:タイトルについて
「なんで『真・女神転生デビルサマナー』を外したんだ?」ってとこで一つ議論がある。
これは「外したから外伝じゃないんだ〜」とか「デビルサマナーってつけてないから、悪魔を装備化したんだ!」とか色んな意見が。
個人的には、全世界発売だったから説を推したい。
wikipedia先生によると、
だそうで、そもそもDevil Summonerっていう固有名詞が変な誤解を招きそう。
ペルソナの海外ヒットを考えれば、海外標準にするのも納得。
じゃあ訳しにくく誤解を招くタイトルを外す判断も頷ける。
ふと、気がついた。
全世界対応で各言語版も同時に遊べる本作。
英語版の表記はどうなってるんだろう?
流石に試しましたよ。僕の予想が正しければ、きっとDemon Summonerになってるはず。
少なくともDevil Summonerじゃあないはずだ。いくらなんでもね?
そのままなんかい!
ソウルハッカーズのレビューはこちらから!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?