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僕はハザマを愛している【メガテンifクリアレビュー】
アトラスのゲームを好きになってから、もう何年も経つ。
新作が出るたびにワクワクして遊んできたし、未プレイの過去作を調べることすら楽しかったのだ。アトラスの黄金期。どの角度で切り取るかで選ばれる作品は変わってくる。
でも、パッケージデザイン的な面で言うと、PS1時代はズバ抜けている。
初めてPS版真2のデザインを見た時は衝撃が走った。あんなに官能的で、神秘的で、悍ましさが同居したデザインはなかなか見ない。
その真2と同じぐらい好きなパッケージがある。PS版ifだ。
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いつ見ても色褪せない圧倒的デザイン。なんでこんなに胸をくすぐるのか。
こんなにゲームの内容を表したパッケージがあるだろうか。
「いつかやろう」と思っていたifのやり直し。初期作の熱が冷めやらぬまま、プレイ仕切りました。
結論:
ハザマが主人公でいい。
儚いな。なんて儚いんだ。
プレイし終わった今、改めてパッケージを見ると、しみじみとしてしまう。
僕はハザマが好きだ。彼はもっとたくさんの人に愛されるべきキャラクターだと思う。
※ユミ√ はクリア済み。今回はレイコとアキラをクリアしました。
※全編通してネタバレありです。ご容赦。
プレイフィール
6つの魔界を巡る旅
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魔神皇ハザマによって魔界へと落とされた学校。
学園版メガテンといっても、学校はただの拠点で、冒険の舞台はほとんどが魔界。
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おえっ。
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学校で居眠りしてた〜というところから始まる本編。最初こそ学校にある武器で応戦していたものの、傲慢界に訪れると、そこからはただの3Dダンジョンゲームになる。
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ゲーム全体としては、序盤の学校編+6つの魔界編+ラスダンの学校の3パートに別れる。
6つの魔界編のボリュームゾーンなんだけど、1つ1つの魔界がそこまで長くないから、サクッとクリアできちゃう。
慣れてる人ならクリアまでかなり早い。実際僕も2回目のプレイだったけど、サクサクと進めました。
以上、ざっくりとした紹介でした。
ifに期待してほしいもの
ifを紹介する時に「ペルソナの元ネタ」と言われることがよくある。
P3から入った僕としては、素直に疑問だった。
ガーディアンシステムがペルソナに繋がる〜とか、学校が舞台の〜とかそういった要素がどうも腑に落ちない。
あらゆるゲームをプレイしてみて今思うのは、「確かに女神異聞録ペルソナとは同じ血が通っているなぁ」と言うことだ。
女神異聞録ペルソナは、マキちゃんの個人的な問題に端を発し、世界全体がおかしくなるというお話だった。「パーティメンバーを同編成するか」というシステム面や、「学校が舞台である」という設定はifに通ずるところがある。しかし、続くペルソナ2では、違う方向にスケールしていったように思う。詳しくは割愛する。
何が言いたいのかというと、「これからifを遊ぶ人はどんなモチベーションで手に取れば良いのか」ということだ。
僕はこの問いに「狭間偉出夫と出会うためだ」と答えたい。
ifが発売されたのは1994年。もう30年前だ。
当時革新的だったいろんな要素は、現代のアトラス作品群に因数分解され、染み渡り、常識になってしまった。その源流を求めてifをプレイすると、なんとも肩透かしな結果に終わってしまうと思う。もはや「学園版女神転生」という言葉になんら訴求力はなく、スルーしがちな要素になってしまった。それぐらい後発作品が面白かったということだ。
「ペルソナの元ネタっていうけど、こんなもんか」
こんな感想で終わってほしくない。
せっかく遊んでもらったからには、if独特の魅力や儚さに触れてほしい。
味わい深い2つのルート
アキラルート
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すげぇレイジを感じる。いや、こっちが先なんだけどさ。
アキラは2周目以降にパートナーにできる隠しキャラ。
仲間にするときにワクワクしちゃう。なんでだろうね。
6つの魔界を巡るユミ・チャーリー・レイコルートとは違い、アキラルートはそもそもダンジョンが違う。
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ifファンはさぞ喜んだろうなぁ。
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完全にデビルマン。最高。
用務員室が魔界の幽閉の塔に続いている。塔の頂上にいる魔神皇を倒すことで、ここから脱出しようっていうお話。話の展開がまるっきり違って、別ゲーを遊んでいる感覚でした。これはこれで悪くない。
何よりも、悪魔と合体したアキラが良すぎる。厨二心をくすぐる。
アキラルートは全体的に平坦な作りになってるんだよね。
ただひたすら塔を登っていくだけだし、たまにハザマが話しかけてくるぐらいで、他のルートほどイベントの起伏がない。
でも、だからこそ、たまに挿入される悪魔たちとのやりとりが面白い。
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マジでお世話になりました。
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肉体を失ったアモンがアキラと合体することで、かつての仲魔が力を貸してくれる展開、本当に最高でした。
メガテンらしからぬ話の流れが非常に新鮮で面白かった。少年ジャンプみたいに王道でワクワクする。ちょっとした外伝作品を遊んでいるような感覚でした。
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この辺りの言い回し良すぎる。
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魔界に残る選択をした彼は、人間なのだろうか。
「悪魔と合体した人間」というと、真っ先にカオスヒーローが思い浮かぶ。
力に翻弄され、力を追い求めたキャラクターだったけど、まだ人間の形をしてたんだよね。
でも、これ以降のカオスの体現者はまるっきり悪魔みたいな風貌になってしまった。(真3の千晶、真4のワルター、SJのヒメネスなどなど)
そう考えると、今カオスヒーローを作り直すとしたら、こういう悪魔然とした容姿になるのかなぁなんて考えてしまう。閑話休題。
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ハザマ撃破後のセリフ。
倒されて横たえるはずなのに、「魔神皇を倒し得る者などどこにもいない」と嘯くハザマ。
魔界の塔を登り、魔神皇となったハザマ。
なぜ彼は学校を魔界に落としたのか。全部の真相はレイコルートで明かされる。
このレイコルートがたまんねぇんだ。
レイコルート
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学校の最上階を陣取る魔神皇。彼を撃破してから本当の物語が始まる。
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ここでかかるロウのテーマがたまんねぇんだ。
ハザマを撃破して手にいれる解脱のリング。それを元にハザマの精神世界に侵入するんだけど、ここでようやく狭間偉出夫の素性が明かされる。
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誰にも愛されず、理解されず、誰かを愛そうとして失敗して、裏切られ、言いようもない孤独感を味わう。
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この姿を、僕は非常に哀れに思う。
ハザマはIQ256の天才だ。眉目秀麗で頭脳明晰な超人。
悪魔召喚プログラムを解析して、現世と魔界をつなげることすらも成し遂げてしまう。
そんな超人の本当の姿が、それでもあの異形なんだ。これがなんとも胸を打つ。
モチーフは赤子。まさに愛に飢えたハザマの本性そのもの。
誰からも愛してもらえなくて、でも誰かに甘えたくて、どうしようもできなかった。
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ハザマへの思いに言葉が詰まる。ついつい自分を重ねてしまう。
辛いよなぁ。愛したいのに拒絶されて、誰にも愛してもらえなくて、その寂しさをどうにも解消できない。
そんなときに全てを破壊できる力を手にした。この世界に絶望していながら、やったことは学校を魔界に落としただけ。ここにハザマの人間性がありありと現れているように思う。
メタ的な話をすると、ハザマの属性はDARK-Law。ChaosじゃなくてLawなんだよ。ここに人間性が詰まっている。なんでChaosじゃないんだよ。
言動を鑑みるとChaosが当然なのにLaw。しかもDARK。きっと、LIGHTから堕ちてDARKになってしまったんだ。
DARKに堕とした連中への復讐は、学校を魔界に落としただけだ。ハザマが直接手を下した人間は数少ない。
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ただ単に愛に飢えていただけの少年を周りが追い込んで、闇落ちさせてしまった。魂の姿は赤子で、未熟も未熟。
魔神皇だと名乗ってみせて、尊大な口調で君臨してみて、それでも全てを破壊し尽くさず、Lawであり続ける。そんなハザマのいじらしさに切なさが加速する。
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本当に嫌なら、全部ぶっ壊してしまえばよかったんだ。
人が苦しむ姿なんか眺めていないで、何もかもを一瞬で終わらせればよかった。
RPGへの揶揄として、「魔王が城で待ってるから負けるんだ」というのがある。まさにその通りだ。ゲーム開始当初の主人公を捩じ伏せれば、魔王の勝利は揺るがない。(物語として成立しているかはさておき)
でも、このifについては、そう思わない。
ハザマは心のどこかで秩序(Law)を求めていたのかなと思う。輪に入りたかったのかなぁと。誰かに埋まらない心の隙間を埋めてもらいたくて、何かを待っていたのかなと思う。こんないじらしいことあるか。ハザマァ!!!!!!
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総評
「if」が示すもの
「if」はタイトルとして非常に優秀だと思う。
いろんなことを包括できるタイトルだからだ。
もし、学校が魔界に落とされたら。もし、魔界を旅する相方を選べたら。こういう意味でも捉えられる。
少し捻ってみる。
もし、ハザマが母親に捨てられていなかったら。もし、保健室の先生に受け入れられていたら。もし、誰かに愛されていたら。
また、ハザマと女神転生の中島には多くの共通点がある。
もし、中島が闇落ちしていたら。こんなifでも意味が通りそうだ。
こうしてレビューを書き終えてみて、やはり思う。
僕はハザマが大好きだ。愛している。
真・女神転生if…はいろんな角度から切り取ることができる作品だ。メガテニストに語らせれば思い出がたくさん出てくることだろう。僕も思うところはいっぱいある。
でも、小難しいことを考えず、ただただ「ハザマのための物語だ」と締めくくりたい。
たかだか電子データ。空想上のキャラクター。架空の人物。
そんなものに想いを馳せるだなんてどうかしていると我ながら思う。
それでも、佇むハザマの姿が脳裏に焼き付いて離れない。
これがifの魔力なんだと思う。
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【オマケ】ざっくり攻略メモ
色々ととっつきにくいと思うので、ざっくり攻略メモを残しておきます。未来の僕のためでもあります。
どのルートを遊ぶ際でも、単にクリアが目的なら男主人公をオススメ。カジノで入手できる武器が装備可能な上、実質最強防具であるドクロのけいこぎ(物理反射耐性)が装備可能だからです。
最初の質問は特にこだわりがなければ「全部右下」が安定です。初期パラメータが一番高くなります。
仲魔はほぼ補助要員です。人間キャラが最強。2人だけでラスボスをしばけます。
【ユミ・チャーリー・レイコルート】
※主人公にガーディアンを憑依させなくてもクリア可能です。
というか、させない方が圧倒的に楽。
・傲慢界
まりょくを6まであげたら、あとははやさに振るのが吉です。
適宜たいりょくに振るとボス戦が楽になります。つよさの優先順位は低め。
パートナーはまりょくとちりょくとはやさがオススメ。
ここでゴブリンを仲間にしておくとあとが楽です。ボスフロアに出てきます。
・飽食界
さっさとボスを倒してしまいましょう。カジノの品揃えが変わります。Kフロスト一式を強くオススメ。ラスボス対策でラスタキャンディを大量に仕入れておきましょう。2スタックくらいあれば安心です。
・怠惰界
ケットシーとカーシーを最優先で仲魔にしましょう。
ケットシー×ゴブリンでヘケト、ヘケト×カーシーでユニコーン(エストマ持ち)です。
・嫉妬界
探索はボスを倒してから。むそうマサムネが取れなくなります。
ボスを倒し終えたら、ヒノカグツチを取りに行きましょう。主人公にガーディアンが憑依してなければ、取得可能です。(他にも条件はありますが、割愛)
ヒノカグツチをゲットしたらほぼゲームクリアです。お疲れ様でした。
【アキラルート】
まりょくを6くらいあげたら、はやさに10程度振りましょう。
振り終えたら、つよさとたいりょくを25付近まで上げましょう。ヒノカグツチを取るためです。
アキラはつよさとちりょくを12まであげたら、まりょくを振って回復役に。積極的にガーディアンをつけましょう。
序盤はボーグル(ディア)、中盤はヌエ(タルカジャ)、終盤はドッペルゲンガー(ディアラハン、メディアラマ)がオススメ。その他好みで。
セベク、ハトホル、トートは仲魔にするのをオススメ。
個人的には第1ノモスがかなりきつい。プーシャヤンスタを撃破したらカジノ解放。カジノ武器があまり強くないので苦しい。ドクロのけいこぎは第2ノモスにあります。
第3ノモスのマンモン撃破+少しのレベリングでヒノカグツチに届くはず。