ささ川七不思議
ささ川地区に住むトックンなる男子中学生が鉛筆を1ダース購入した。
鉛筆には一本ずつ『ラブラブトックン』と印字されている。
「ヤダ〜ッ。この鉛筆カワイイ〜」
トックンはしなを作り、甲高い声で感想をもらした。
「さっそく、使ってみようかな」
カッターで鉛筆を削ると、芯が飛んでトックンの額に深くめり込んだ。「イヤ〜〜ッ、痛い!痛い!」
医者に行こうと自転車にまたがってペダルを漕いだ。ささ川地区は山奥にあり、山を下って診療所までノンストップで行ける。トックンは全裸になり、「早く行きたいから服は邪魔」と判断して恐るべき速さで山を下りた。ブレーキが効かなくて川に落ちて、
「トックンパワー!!これ何よ!!何が起こってるの?!」
と吠えて、そのまま川に流されて、頭がグルグルと回ったトックンが海まで進み、サメがうれしそうにかぶりついた。トックンの鉛筆は、墓石代わりに砂浜に立てられて、流された。