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終末小説 パチンコ池ちゃん

 鼻クソをほじりながら、「ハイ、イ〜ケちゃん、俺はチンコ星人、チンコチンコチンコ!!地元代表!うん、今日はがんばる」と池ちゃんが言い放ち、華麗なハンドルさばきで裏道を抜けてパチンコ屋に辿り着いた。
「よし!!!ミソラーメン大盛り」
 パチンコ屋の前に屋台が営業していた。池ちゃんは椅子に座ってラーメンを待った。
「俺はイ〜ケちゃん、オッパイパイパイ、今年60歳の馬鹿野郎だゼー。イ〜ケちゃん、コマネチ!!そろそろ、しこしこするか」
 池ちゃんは麺のみ先に食べて、スープを口尖らせて飲みながらチン棒をしごいた。
 パチンコ屋の入口には、みずぼらしい格好の連中が地べたにへたり込んで開店を待っていた。そのうちの幾人かは池ちゃんの狂態を見て飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「俺はセンズリが大好き!!パチンコ山物語のワリンちゃんが大好き!!HAPPYバースデー池ちゃん、HAPPYバースデー池ちゃん、HAPPYバースデー池ちゃん、ミソラーメン大好き」
 池ちゃんが歌い出し、スキップして店内へ。ナニをさらして、しこしこしながら台チェックをおこなう。
「どれどれ〜オオッ、行きそう」と言って、池ちゃんが顔を近づけた台は、パチンコ山物語ではなく、パチンコ凡才バカボンであった。
「オーーーッ、コレいいね〜」と御満悦の池ちゃんは両手でピースサインして「イ〜ケちゃん」と何十回も絶叫して「俺様がプレイするのに値する台かな〜?」と言いながら席に座った。
 店内は轟音が響いている。
 池ちゃんは思い出し笑いが止まらなくなって、それを抑えるためにセンズリを早めた。
「イ〜ケちゃん、オナオナパワーでぶっ飛ばすぜ!!アレッ?リーチ目?」
 リーチが………惜しくもはずれた。表情の固まった池ちゃんは、
「う、嘘!!!イ〜ケちゃん。………しこしこじゃん、コレ。しこしこじゃん。ハッハッハッハッハッハッハッハ!!レベル2だね。参ったな。おっぱいレッツゴー!!!」
 と気を取り直して、笑顔を作ってその場で服を脱ぎ「やれやれ、さて温泉入るか」とパチンコ屋の床に全裸であぐらをかいて、湯のかわりにパチンコ玉を頭から浴びた。空になったドル箱でチンコを隠しながらカウンターに向かい、「フフッ、いい加減にしてくれよ。このヤロー温泉はどこだ!!!俺は池ヶ谷終一だ!!」と店員を指差して怒鳴った。
 「池ヶ谷、しゅういちさん、ですか」
 作り笑顔の店員が聞き返した。
 すると池ちゃんはちん棒を手で握って高速の動きで左右に振った。
「ハイハイハイハイ!!知っとる、見とる、聞いとるん。知っとる、見とる、聞いとるん。ハイハイハイハイ!!!」池ちゃんはこう言って店員の出方をうかがった。
 その時、全ての店員は池ちゃんを捕まえようと集まり、池ちゃんを囲った。
 殺気だったムードの中、池ちゃんは、
「ハイハイハイハイ!!」
 と店員をあおる。
「何だ、それは!!!」と店員が一斉に襲いかかり、池ちゃんはナニをしこしこしながら店内を走って逃げた。
「オイオイ、えらい無茶しゃぶりだね〜」と池ちゃんは意味不明なセリフを口走り、「テレビ出るのはみなオカマ」と続けた。必死の形相で追いかける店員に屁をかけてダメージを与えた。さらに、
「池ちゃんパワーって何だソレ。何ですかー!!
」と言って池ちゃんは店の外に出た。
「イ〜ケちゃん。フレーフレー、イ・ケ・ちゃ・ん、フレーフレー、イ・ケ・ちゃ・ん。イケちゃん、イケちゃん、確変」
 と歌い、手を合わせて瞑想を始めた。
 池ちゃんの脳内で宇宙が広がり、池ちゃんはエロ妄想で頭の中を満たして、再び胸を張ってパチンコ屋に入った。
 池ちゃんと目が合った店員に指を差されて、
「イ〜ケちゃん、再び登場。チンコチンコ。俺が池ちゃんです。」
 と言って池ちゃんは驚いて逃げた。
「イ〜ケちゃんハハハハハ!!イ〜ケちゃん、キャラ演じてます。やれやれ、パチンコ出来ねえよ………」
 諦めの悪い池ちゃんはしこしこしながらトイレの小さな窓より侵入して、匍匐前進で店内を進む。池ちゃんを発見した店員が「あいつを捕まえろ!!」 と叫び声を上げてにじり寄り、池ちゃんはセンズリをこいた。
「イ〜ケちゃん。俺は池ちゃんだ。俺は病気だ。俺を舐めんな!!」
 池ちゃんはジャンプして天井にへばりつき、四回転して店員に組みつき、座敷わらしの様な顔で「ヒヒヒヒヒッ」と笑いかけた。
「助けてくれーー!!!」
 店員がたまらず叫ぶと、散らばっていた他の店員が集まって、池ちゃんを囲った。誰もが怒っていた。
「嘘よねー!!」と池ちゃんは飛び跳ねて店員の攻撃をかわし続けて、ようやくパチンコ台に座った。
「かめはめ波!!!チンポかめはめ波!!!」
 絶叫して千円札を台に突っ込むと、読み込まず
戻って来る。少しイライラしていた池ちゃんは発狂して、
「イ〜ケちゃんタイム。うん、ちょっと考えよう。………今日はやっぱりやめようカナ!ぶっ放して終わるか!!フフン」 
と凄まじい大声の金切り声で言うと、冷たい笑みを浮かべて、しこしこを続ける。
「イ〜ケちゃん」
 池ちゃんは独り言を絶叫し続ける。「ビチク!!ケツ◯◯◯!!!イ〜ケちゃん。俺が池ちゃんだ。ホホッ?!ホッ??いいね、いいね、いい感じになってる」
 パチンコ玉は吸い寄せられて当たり始めて「オゥ……俺が池ちゃんです。あっ、これは」と言うとボッキした。池ちゃんはチンポをつかもうと失敗してバランスを崩し重症を負った。
「……笑っていいとも?ホホホッ池ちゃんしこしこ失敗か。じゃあクソもらすか、ここで」
 池ちゃんはパチンコを打ちながら脱糞した。池ちゃんは 無表情だった。台を凝視して頭突きを喰らわせて、「痛てっ!!やっちまったぜ!ヒィーーーッ!タスケロ!!皆さん俺は有名人です。池ちゃんパワー!!!!」と言い、額から血を出して店員に助けを求めた。
 店員は池ちゃんを袋叩きにして、外に放りだした。
 池ちゃんは何とか立ち上がり、チンポコをしごきながらパチンコ屋の回りを一周して、2周めから激しくしこしこと動作を早めたが、車が近づいてきてジュースをかけられた。
「ヒャッ」 と池ちゃんは叫んで、
「ウッソー、俺が何したのよ」
 と道路に寝そべって怒った。
「イ〜ケちゃん、困ったよー。ハハハハ。舐めるんじゃねえよ!!」
 しこしこを続けながら歩いて、独り言を大声で喋り続けて、
「ホッ、ホッホッホ、ワーイエーントー。俺は自分のキャラが大好き。イ〜ケちゃん」
 というやいなや、両手でピースサインを作ってチンポを大きく振って横断歩道の真ん中で、車の通行をさまたげた。
「イ〜ケちゃん。俺はもう、終わりです」
 池ヶ谷終一は、パチンコ屋を後にして、遠くの空き地に停めていた軽トラに乗り込んで、家に帰った。
 恥をさらしても、笑われても、笑わせても、池ヶ谷終一は気にしない。かわいそうな人に思われるのも、実際に可哀想なので気にならない。池ヶ谷終一は、キレられることだけは避けたい。なぜなら、気持ちよくないからだ。池ちゃんは、股間を摩擦しながらフルスピードで夕闇の中に消えた。

 

 

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