3000日で4キロやせる??!
仁藤こういちが立ち上がった。
妹が障害者で弱いものには優しい男である。ある日、井口が彼女とデート中、後ろから仁藤こういちがニヤニヤしながらついてきた。井口は仁藤こういちを鬱陶しく感じて、しかし相手にするのも馬鹿馬鹿しいと思い、無視した。
仁藤こういちは自分の眼にシャーペンを突き立てて潰し、自転車が倒れそうになったが倒れずにこぎ続けた。「こんにちは!!」と仁藤こういちが井口に挨拶する。
「…………」
井口と彼女は、やはり無視している。
片目から血を流す仁藤こういちは井口に自転車で体当たりした。
いきなり空から死体が降ってきた。
井口はうずくまり、彼女は呆然と井口を見つめている。仁藤こういちも顔をハンドルにぶつけて痛がっている。
そこに死体が落ちた。
たまたまパトカーで通りかかった警察官が、その現場のただならぬ様子に驚いて、職務質問が始まった。
「レプリコン・ワクチンは接種済?」
警察官が半笑いの表情で仁藤こういちに尋ねた。
その時、死体が起き上がり、仁藤こういちの背筋を力任せに蹴り上げた。仁藤こういちは4キロやせた。