袴田さん無罪確定。それでも誰も反省しない日本社会。

検察が控訴を断念して、めでたく袴田さんの無罪が確定した。
検事総長の談話がこちら。

いったい検察は何を謝罪したのだろうか?
文面をそのまま読めば、
「長期間にわたり法的地位が不安定な状況」に置かれたことを謝罪しているようだ。つまり冤罪を謝罪したのではなく、不安定な状況、要は再審開始が決定されたり、逆に取り下げられたり、そういったことを謝罪しているようだ。袴田さんのことはまだ有罪と思っているらしい。

さらに、「本件の再審請求手続がこのような長期間に及んだこと などにつき、 所要の検証を行いたいと思っております。」
と言ってるが、何も反省していないのに、何を検証するというのだ。

こんな謝罪や反省なら、何もしない方がマシだ。
検察はまったく変わらない。

そもそも冤罪の責任は、裁判所にある。裁判所は捜査機関の捏造が悪く自分たちに責任はないと思っているのか。
しかし、原審の静岡地裁の判決では、3人の裁判官のうち、一人は、捜査機関の捏造も、袴田さんの無実も見抜いていた。
だから、当時から、「疑わしきは罰せず」の理念に従って、判決を下していれば、このような悲劇は最初からなかった。裁判所も責任逃れはできないはずだ。

裁判所もまったく反省する気はないようだ。
早速、人質司法を継続していてあきれる。

最後にマスコミである。事件直後に推定無罪を無視し、さんざん犯人視報道をしておいて、自分たちはまったく責任がないと言えるのか。
毎日新聞と東京新聞は謝罪したようだが、その他はまったく聞かない。テレビや週刊誌はだんまり。

これだけの大冤罪事件を起こしておきながら、だれも反省しない社会。それが日本だ。

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