北朝鮮拉致問題が解決しない訳。

袴田さん再審無罪判決が出た。残念ながら日本は冤罪大国であり、司法後進国と言わざるを得ない。

その背景には、システムの問題もあるが、国民の「悪いのはお前なんだから、何をされても文句は言えないだろう」
という考えた方が根強い点にある。

未だに、弁護士には、「なんで悪人の弁護をするんだ」という批判が来るらしい。ほんと信じられないが、国民の根底には、「悪いのはお前なんだから、、、」という意識が根強いのだろう。

この考え方は、国際問題になると、主張は正しいかもしれないが、問題解決には一切の役に立たない。

一つ例を挙げるなら、北朝鮮による拉致問題だ。
被害者5人とその家族は帰ってきたが、その後、まったく進展がない。
日本は、拉致問題に対して、北朝鮮に毅然とした態度をとってきた。
「悪いのはあなた方なのだから、こちらのいう事をすべて聞け」
という態度だ。
もちろん、主張としては正しい。
しかし、それで問題が解決するか?
事実解決していないし、進展もない。
なぜか?、これは北朝鮮の立場に立てば当然だ。
北朝鮮の立場にたって考えてみよう。

1 我が国は、拉致を認めて謝罪し、5人を返したのに、結局得るものは何もなかった。
2 日本は、拉致問題が完全に解決しないと、援助はしないと言うが、日本の言う完全解決とは何か? 何人返したら、納得するのか?
永遠に返せと言い続けるのではないか?
3 日本は拉致被害者を2週間程度で北朝鮮に返すと約束したが、守らなかった。日本は信用できない。

2に関しては、日本も韓国からの戦争責任追及で逆の立場にさらされている。
日本からすれば、「何度も謝って補償もしたではないか、いつになったら終わりにしてくれるんだ。
北朝鮮もまったく同じように考えているはずだ。

これらの北朝鮮の主張に対して、
「何を言ってるんだ、悪いのはお前らなんだから、つべこべ言うな」
と言ったら終わりだ。これ以上に何も進展しない。

少しでも進めたいなら、多少なりとも相手にも配慮しないといけない。
そこで、私なりに、解決方法として、少し提案というと、おこがましいが、それなりに思う事を書いてみたいと思う。

まず、3に関しては謝罪するべきだろう。
そもそも、そんな守れもしない約束をしたのが間違えだった。
日本側にも非はある。

1に関しては、今からでも遅くないので、拉致を認めたことは評価し、何らかの対償を支払う。

ここまでして、やっと北朝鮮も話に乗ってくるだろう。

問題は2だ。

双方とも、どの時点で終わりにするかだ。

日本としては、「これで終わり」にされて絶対いけない。
だから、「これで終わり」とは絶対に言ってはいけない。
それこそ、納得するまで、永遠に言い続けるべきだ。
ただ、すべて解決しないと援助はしないという考え方は捨てた方がいい。

非常に悪い言い方であるが、
「一人いくら」
みたいな交渉をするしかないように思える。
とにかく一括全解決は無理だから、少しづつ解決していくほかない。

とにかく少しでも援助を始めるべきだ。
日本はすぐ、経済制裁、経済制裁というが、そもそも経済交流がないのに経済制裁と言っても、効果はない。
それよりも、すでにしている経済援助を止めると言った方が効果はある。

もう一つ重要な事として、中国の協力を得ることだ。
日本は何かと中国を敵国扱いするが、
中国という国は、仲良くしていれば、非常に利用価値の高い国だ。
あまり感情だけで、国際関係を構築するべきでない。

しかし、

実際問題、解決は難しいだろう。
核問題が出てきてしまったためだ。

拉致問題解決のためには、北朝鮮へのなんらかの援助が必要だが、北朝鮮は核問題で、世界から制裁中だ。
日本が抜け駆けすれば、日本が世界から非難をあびる。

核問題が出てくる前に解決したかった。

ほんとに難しい問題だが、あきらめてはいけない。






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