袴田さん再審。無罪判決は喜ばしいが、「証拠捏造認定」には違和感を感じる。
袴田さんのやり直し裁判、無罪判決が出た。まだ確定ではないが、喜ばしい限りだ。
ただ、今回の判決では、3つの捏造を認定、断定したことに違和感を感じる。供述調書の捏造はその通りだが、他の2つ、5点の衣類とその切れ端についても捜査機関の捏造と断定した。
世間はこの判決になんの疑問もないようだが、私はやはり裁判所は変わっていないなと感じる。
今回の再審のポイントは、袴田さんが、有罪か無罪で、無罪を言い渡すなら、証拠は捏造の可能性だけを言えばよく、捜査機関の捏造まで断定する必要はない。
確かに捏造は疑われるが、だれによって捏造されたかまでは断定は難しいだろう。真犯人が捏造した可能性もまったくないとも言えない。
捜査機関の捏造まで断定するのは、明らかに論理の飛躍である。
結局、判決がここまで踏み込んだ理由としては、
世論の雰囲気に流され、最初に結論ありきで、判決を書いたとしか思えない。
裏を返せば、まさにこのような裁判所の態度こそが、冤罪の原因になっている。
その意味では、この裁判官たちはこの冤罪事件を全然反省していないのである。
この証拠捏造認定は、検察を怒らせ控訴する正当性を与えてしまった。
まさに逆効果である。
検察は、証拠捏造に不満なら、今後起こされるであろう国賠訴訟で争い、本件に関しては控訴しないでいただきたい。
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