猫むすび その2
「人生でやりたい事は全部やる」をモットーに生きてきたアラフィフ女子のエピソード。
自伝小説「父への感謝状」のこぼれ話を紹介します。
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「父への感謝状」の
第1章 父の死 4.残された家族と決意
を参照して下さい。
『猫むすび』その2
父が亡くなって1ヶ月後、寂しさを埋めるため、猫を1匹飼い始めました。
2日後に、近所の犬を飼っているおばさんからこう、話しかけられました。
「お宅、猫を飼い始めたんですってね。ちょっと見てもらいたい猫がいるんだけど。」
それが、私が前日道端で出会った黒猫でした。
「野良猫だから、捕獲して保健所に連れて行こうと思うんだけど、その前にちょっと見てみない?」
ゲージに入れられた状態で、保健所に連れて行かれる直前と聞かされれば、引き取らないわけにはいきません。
「1匹も2匹も同じだから飼おうか。」母も私も当然な流れでそう言いました。
自分の家では猫を引き取れないおばさんの術中にハマったわけです。
ちなみに3年後、同じ手でもう1匹飼うことになるのですが、もちろん引き合わせてくれて感謝しています。
名前は「クロ」
又もや見た目通りの名前になりました。
2日前に来たチビと、兄妹の様に仲良くじゃれ合う姿は、父を亡くし拠り所のなくなった私達家族の心を明るく照らしてくれました。
時が経ってチビが死に、その後も新しい猫の縁が続きました。
クロは長生きして20年近く生きてくれました。
クロを看取った私は「長い間ありがとう、もう大丈夫だよ。」と語りかけました。
父の代わりに見守っていてくれた、そんな気がしたのです。
おわり
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「父への感謝状」〜父を自死で失った私の三〇年の物語〜
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