もう一つの視点007‐勇気をだして初めての告白‐
真面目に夏期講習に出ていると、良いことはあるもんだ。
隣に気になっていた子が座った。この授業は今日が最終日。まさにラストチャンス。「どこ志望なんですか?」色々シミュレーションした結果、まずは無難な質問を投げかけてみた。彼女は下を向いて照れながら自分の志望校を答えてくれた。差し障りのない質問をいくつか続けた後、思い切って本題に入る。この授業の後はちょうどお昼。午後の講習を受けるなら一緒にご飯は不自然じゃない。フーっと深呼吸をしたあと勇気をだして聞いてみた「まだ、講習ある?」。
夏期講習の日。隣の席の男子が話しかけてきた。「どこ志望なんですか?」ちょっと待って。「志望」が「死亡」に脳内で変換されてしまう。思わず下を向いてしまった。その後もなんか色々聞かれたけど、もう上の空で「はあ」とか「ええ」とかしか答えられない。彼がフーっと息を吹きかけて聞いてきた。えっ、これって素直に言った方がいいの?でも、聞かれてるんだから。ちょっと迷って私は正直に答えた。「はい、口臭あります」。