あおざとなかい

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セイギのミカタ あらすじ

悪の秘密組織「ジャマーン」から平和を守るために結成された5人組のヒーロー「ジャスティス5」。そのリーダーであるジャスティスレッドこと赤名雷(あかならい)にはもう一つの顔があった。 それは、「ジャマーン」を率いるアーク総統という顔。 ひょんなことから正義と悪の二足の草鞋を履くことになった赤名。「ヒーローにとって必要なものは、正義の心でも、悪をくじく強い力でもない。悪そのものだ」そう考えた赤名は、自身がアーク総統となり、永久に正義のヒーローであり続けることを目指していた。  

    • セイギのミカタ 第三話「もう一人のヒーロー」

      ■ジャスティス5基地。 ジャスティス5の基地に小学3年生たちが社会科見学にやってくる。 伊久佐「はーいココが、本部指令室です」 小学生たち「うわー」 走り回る小学生を注意する引率の女性教師。 先生「勝手に走り回らない!」 司令長の椅子に座る女の子。 女の子A「ジャスティス5出動せよ!」 先生「こら!」 伊久佐が女の子の頭をなでる。 伊久佐「女性初の司令長はキミかもしれないねー」 女の子A「女性『初』をありがたがってるようでは、日本はまだ未熟ですね」 伊久佐「ハイ…」

      • セイギのミカタ 第ニ話「タッチ」

        ■ジャスティス5基地。 基地内で会議をしているジャスティス5と秘密基地防衛室長の伊久佐。 伊久佐「今月の怪人退治数は7体。前年同月比とくらべて140%増・・・」 白井「この会議って意味あるのか」 赤名「意味があるかどうかは、自分次第です」 白井「優等生してやがる」 赤名がちらっと時計を見る。 突然モニターにアーク総統の姿があらわれる。 アーク総統「やあ、ジャスティス5の諸君」 赤名「アーク総統!」 アーク総統「そう慌てるな」 赤名「いったいなんの用だ」 アーク総統「用がな

        • セイギのミカタ 第一話「ジャスティス5」

          ブラウン管のテレビの中から特撮ヒーローのオープニングが流れる。 テレビのNA「ヒーローにとって、必要なものはなんだ、それは!」 ♪「正義のハートと悪をくじく強いパワー それさえあれば みんながヒーロー」 ごみが散乱した部屋でテレビを夢中で見てる少年の背中。 ■とある4人家族のリビング。 早朝、リビングで朝ごはんを食べながらテレビで朝の情報番組を見ている家族。 テレビの中のキャスターがニュースを伝えている。 キャスター「政府は引き続き、大手企業へ副業を推進していく方針です」

          もう一つの視点012‐今そこにある危機‐

          新型ウイルスによって世界中が未曽有の事態に陥っている。 経済的ダメージ以外にも我が国ではリーダーシップの欠如、政治家たちの縄張り争いなど様々な問題が露呈した。 世界的な大会も延期になり、様々な問題を抱えたまま新たな総理大臣が誕生した。この危機を乗り切るために私に課せられた責任は大きい。 国民に向かって総理は力強く宣言した。 「国民の皆様の安全をしっかりと守っていく。そのための政府だ!」 政治家たちによる行き当たりばったりの対策で国民感情は限界まで来ている。マスクを配れば小さ

          もう一つの視点012‐今そこにある危機‐

          もう一つの視点011‐笑いの神様‐

          「俺と芸人になって天下とろうぜ」。高校の卒業式でマツダが誘ってきた。 マツダは俺のイジリで笑いをとっている内に、自信をつけたのかもしれない。まあ、大学に行きながら養成所に通えばいいし、無理なら早目に見切りをつけて普通に就職すれば良い。なんなら、自己PRに活かせるし、サークルに入るのと変わらないだろう。 そう思っていると、俺を説得するためにマツダはさらにこう言ってきた。 「俺が引っ張ってやるから!」 同級生のヨシムラは自分自身はたいして面白くもないくせに、イジリという名のイジ

          もう一つの視点011‐笑いの神様‐

          もう一つの視点010‐インド人もビックリ‐

          「この店おいしいのよ」と言われて彼女に連れてこられた。 店に入った途端に香りが胃袋を刺激してくる。 彼女がおススメを二人分注文してくれると、料理が来るまでこの店がいかにおいしいかを説明してくれた。 期待と食欲が最大限に達した時にようやく料理が運ばれてきた。 見たことのない物体が皿に乗っていて、僕は思わず彼女に聞いた。 「なんそれ?」 カレシに自分のおススメの店を紹介するのって少し緊張する。 食の好みが合わないと、この関係が長続きしないんじゃないかと不安になるからかもしれない

          もう一つの視点010‐インド人もビックリ‐

          もう一つの視点009‐取り調べ後編

          あれだけ突破口が見えなかった容疑者の態度が急変した。 明らかに動揺している。 「イケる!」 間違いなく、あと一押しでコイツは落ちる。俺は確信した。 「もう、吐く!」 取調室で食べたカツ丼は本当の意味で臭い飯だった。 密室だからってこんなの出すなんて人権侵害だ。 「ヤバい!」 カラダがこの異物を早く出せと訴えている。俺は確信した。 「もう、吐く!」

          もう一つの視点009‐取り調べ後編

          もう一つの視点008‐取り調べ前編‐

          間もなく容疑者の勾留期間が終わる。 容疑は黙秘しているくせに、「カツ丼を食わせろ」なんて言ってきやがった。 こいつがクロだってことは俺の刑事の勘が言っている。 ただし、もう手がない。 「マズい・・・」 間もなく勾留期間終了。 刑事はなすすべなく、イライラしてやがる。 このまま釈放になりそうだと思ったら、安心して腹が減ってきた。 取り調べを受けた記念にとったカツ丼が目の前にある。 一口食べて俺は思った。 「マズい・・・」

          もう一つの視点008‐取り調べ前編‐

          もう一つの視点007‐勇気をだして初めての告白‐

          真面目に夏期講習に出ていると、良いことはあるもんだ。 隣に気になっていた子が座った。この授業は今日が最終日。まさにラストチャンス。「どこ志望なんですか?」色々シミュレーションした結果、まずは無難な質問を投げかけてみた。彼女は下を向いて照れながら自分の志望校を答えてくれた。差し障りのない質問をいくつか続けた後、思い切って本題に入る。この授業の後はちょうどお昼。午後の講習を受けるなら一緒にご飯は不自然じゃない。フーっと深呼吸をしたあと勇気をだして聞いてみた「まだ、講習ある?」。

          もう一つの視点007‐勇気をだして初めての告白‐

          もう一つの視点006‐サヨナラ大好きな人‐

          「サヨナラだ」 これが父が僕にかけた最後の言葉だった。 父と別れて10年。今、僕は甲子園のバッターボックスにいる。 9回裏2アウト。ランナー2、3塁。点差は1点。ピッチャーは高校BIG3と言われている本格右腕。思い切り三回振ってこいと代打に出されたけど、一度も振ることなく追い込まれてしまった。 カウント0ボール2ストライク。遊び球を見せるのか、裏をかいて三球勝負か。一度もバットを振らずに終わるわけにはいかない。僕は打席を外して二度素振りをする。 さあ、三回目を振る準備はできた

          もう一つの視点006‐サヨナラ大好きな人‐

          もう一つの視点005‐タイムマシンにお願い‐

          電源を入れるとタイムマシンに無事命が吹き込まれた。 きっと、私一人では成し遂げられなかっただろう。 一緒に頑張ってくれた助手の澤田君のおかげだ。 はじめて彼に会った時から、なぜだか他人とは思えなかった。 先の見えない辛い研究も彼とだから乗り切れたのだ。 澤田君と喜びを分かち合おうとすると、 ここ最近の徹夜続きのせいか元気がなかった。 かくいう私も疲れはピークだったが、 今はその疲れを忘れるほど興奮している。 本当に長かった・・・。長い道のりだった・・・。 「これで終わりだ」

          もう一つの視点005‐タイムマシンにお願い‐

          もう一つの視点004‐義母と娘のブルー‐

          あの家を出てもうすぐ3年。夫は優しいし、経済的にも安定している。3年前の生活とは180度違う。私は幸せを手にした。はずなのに、いまだにあの頃のことを思い出しては、あの義母にこの幸せがガラスのように壊されるのではないかと不安になる。父と二人で幸せに暮らしていた生活を義母によって奪われた時のように。 私は3年ぶりにあの家を訪ねることにした。幸せは誰かにしてもらうのではなく、自分の手でつかむものなのだ。扉を開けると目の前にはあの頃より少しやつれた義母がいた。義母は驚いた表情を見せた

          もう一つの視点004‐義母と娘のブルー‐

          もう一つの視点003‐ラッキーアイテム‐

          私の目の前には、熱々のたこ焼きと大好きな翔太君がいる。 「今日のラッキーアイテムは、たこ焼きです」 朝の占いを信じている私が、ランチに大学近くのたこ焼き屋に来たのが10分前。そこで、翔太君に会ったのが5分前。で、今ここ。ラッキーアイテムが翔太君を連れてきてくれた。翔太君が私に話しかけてくるたびに、ボーっと見とれてしまい、話の内容がまったく頭に入ってこない。この思いを伝えたいけど、勇気がないから言えない。だから、私は心の中で叫んだ。 「スゴイついてる!!!」 僕の目の前には、

          もう一つの視点003‐ラッキーアイテム‐

          もう一つの視点002‐トイレの神様‐

          「ドンドンドン!」 ノックをする手に自然と力が入ってしまう。なんでこの階の女子トイレはひとつしか個室がないんだろう。トイレの神様がいて助けてくれるなら、今すぐその宗教に入信してもいい。お布施もバンバン払う。 「ドンドンドン!」 少しでも便意を紛らわすために違うことを考えよう。そういえば、もうすぐカレシの誕生日だ。プレゼントどうしよう。うーん、香水なんか・・・。うーん、こうすい・・・。もう思考が勝手に便意を促しにかかってきた。 「出る・・・」 「ドンドンドン!」 すごい勢いで

          もう一つの視点002‐トイレの神様‐

          もう一つの視点001‐赤髪のボウズ‐

          「翔平のカノジョって赤髪のボーズでダンサーなんだって」 渋谷のマックで昼飯を食べている、隣の大学生らしき二人組の話が聞こえてきた。その後も彼らの話に耳を傾けていると、どうやら翔平のカノジョはかなりぶっ飛んでいるみたいだ。今5股していて、元カレの名前が足の裏に彫ってあるだの根も葉もあるかどうかわからないが、そんな噂が尽きることはなかった。翔平のことを思うと可哀想になって、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。 「翔平のカノジョって赤髪のボーズでダンサーなんだって」 付き合って3日

          もう一つの視点001‐赤髪のボウズ‐