もう一つの視点003‐ラッキーアイテム‐
私の目の前には、熱々のたこ焼きと大好きな翔太君がいる。
「今日のラッキーアイテムは、たこ焼きです」
朝の占いを信じている私が、ランチに大学近くのたこ焼き屋に来たのが10分前。そこで、翔太君に会ったのが5分前。で、今ここ。ラッキーアイテムが翔太君を連れてきてくれた。翔太君が私に話しかけてくるたびに、ボーっと見とれてしまい、話の内容がまったく頭に入ってこない。この思いを伝えたいけど、勇気がないから言えない。だから、私は心の中で叫んだ。
「スゴイついてる!!!」
僕の目の前には、熱々のたこ焼きと同じ大学の吉永さんがいる。
「今日のラッキーアイテムは、シルバーです」
朝の占いを信じている僕は、今日の昼ご飯は大学近くの「銀」のつくたこ焼き屋にしようと決めた。そこで、たまたま吉永さんに会った。そんなに話したことはないけど、彼女も一人で来てたみたいだからなんとなく相席になった。彼女が話しかけてくるたびに、僕はどうにも気になってしまい、話の内容がまったく頭に入ってこない。彼女に伝えたいけど、そんなに仲良くもないし言えない。だから、僕は心の中で叫んだ。
「スゴイついてる!!!」