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もう一つの視点005‐タイムマシンにお願い‐

電源を入れるとタイムマシンに無事命が吹き込まれた。
きっと、私一人では成し遂げられなかっただろう。
一緒に頑張ってくれた助手の澤田君のおかげだ。
はじめて彼に会った時から、なぜだか他人とは思えなかった。
先の見えない辛い研究も彼とだから乗り切れたのだ。
澤田君と喜びを分かち合おうとすると、
ここ最近の徹夜続きのせいか元気がなかった。
かくいう私も疲れはピークだったが、
今はその疲れを忘れるほど興奮している。
本当に長かった・・・。長い道のりだった・・・。
「これで終わりだ」

ついに完成してしまった。悪魔の機械が。
50年後、タイムマシンは軍事転用され第三次世界大戦の引き金となる。
日本政府はこの戦争に終止符を打つために、
タイムマシンを完成させた人物の殺害を私に命じた。
身内の始末は、自分で行えと。
しかし、私は助手としてその機会をうかがっているうちに、
彼の研究への探求心と純粋な好奇心に殺意がそがれてしまった。
私は祖父を殺せず、世界を救う術は失われた・・・。
「これで終わりだ」

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