2024.07.09 全合同日誌_初めてのお当番
初めてのなかよし会お当番。光明寺に着いて、慣れたように階段に座って後続を待つ子どもたち。キアラはひとり歩きしているが、アンナがそばにいてくれてほっとする。ナオミさんに気遣ってもらっている母の姿にそっくりである。
キアラと手をつなぎ、いざ材木座海岸へ。早速アンナがリュックを置いて先に行った。当番母の声かけでアンナが引き返してくる。当番母の頼みを聞いて、自分のものとイツキが置いていったリュックを背負ってくれた。私はアンナに対して、「イツキのリュックを落とさないんだな」と感心する。子どもへの偏見の表れだった。
最後尾の私たちがまだ海岸の橋を渡っている最中、カイが既に波へと走りだしていた。母ミツバさんと早い早いと談笑する。シート付近に到着し、私の左右にいたマコとキアラの様子は対照的。マコは弾けるばかりのエネルギーで走り出す。一方キアラはもう帰りたいと言わんばかりに泣きじゃくる。そんな私たちのもとにさっとカエデが現れて、泥団子を差し出してくれた。カエデの姿に後光が射してみえたが、キアラには関係ない。ミオも眩しい笑顔でやってくる。次にカエデは「豆だよ」と言って、ミオ曰く「しょっぱい」ぷちっとした食感の海藻を食べさせてくれた。
相川さんに声をかけてもらい、キアラを招いてみんなが入れる池を作る。職人のピッコのおかげでしっかり壁が出来上がっていく。イツキやマコが飛び込み、カイが寝そべる。その周囲の様子も面白い。エマは体に泥を塗り、お山をつくっていた。ミオからは、かき氷屋さんをやろうとお誘いがくる。かき氷の作り方を尋ねると、エマのお山の作り方とそっくりだったので微笑ましい。
その日私が一番緊張したのは、みんなが服を着るときだった。アンナに服を着させていた私に、相川さんが「大きい組がやるから手を出さないでいいのよ」と言う。当番は黒子に徹するというルールがどこかに飛んでいっていた。だが私の声かけで、子どもが頼まれてくれるだろうか。そういえば、キアラはまだ靴を履いていない。私が履かせるのは簡単だ。でも私がやっても意味がない。そこに通りがかるカエデ。恐る恐る、カエデにキアラの靴を履かせてほしいとお願いした。うん。そう一言頷いて、カエデがキアラの靴を履かせてくれた。その後も「ソウタロウがいない」とカエデが言うと、本当にソウタロウがいなかった。シートの後方のほうで、一般の方と一緒に素っ裸のまま遊んでいる。他の当番母もカエデの一言で気がついたようだった。今日はたくさんカエデに助けてもらったな。
初めての当番は、当番のルールを失念して右往左往して過ごした。子どもに何を与えられるだろうかと当然のように考えていたのが恐ろしい。完璧にこなす必要はないし、保育者の方や当番母の力を借りながら、子どもたちの成長を邪魔しない当番の在り方を磨いていきたいと思った。 (ユウナ)