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“生理”を語ろう! 「障害×生理」誰にも言えなかった悩み」

古今東西、多くの女性たちが人知れず悩んできたもの。「生理(月経)」。
とくに障害のある女性たちには、生理の悩みがいっぱいだ。
今年、世界27カ国で行われた調査では、日本では3人に2人が「生理について語りづらい」という結果が出た。
そのことは障害のある女性たちの置かれた状況にどんな影響を及ぼしているのだろうか?
誰にも言えない生理の悩み。2週にわたり、本音で語り合う!

           

障害のある女性たち、生理用品の工夫は?

生理(月経)とは、妊娠に備えて分厚くなっていた子宮の内膜がはがれ落ち、血液とともに排出される現象のこと。
出血は3日から7日続き、およそ月1回の周期で繰り返される。

出血をケアするアイテムとして、一般的によく使われるものがナプキン。
昼用から夜用まで様々な種類があり、ゲストの安藤なつさんは、普段から大きめのナプキンを使うという。
このほか、タンポンという、膣内に装着して経血を吸収するアイテムもある。

しかし障害がある女性は、それ以外のアイテムを活用するなど工夫していることも。
車いすを使うようになってから、トイレに行きづらくなってしまったという小澤綾子さん。

そのため生理の時には、大判のナプキンや尿とりパッドを使用するように。

下半身の感覚がない東佳実(あずみん)は、オムツを使用し、尿と経血を一緒に吸収させているのだそう。

           

小澤綾子さんのお悩み「ナプキンを替えられない!」

障害がある人には、生理ケアの悩みがたくさん。

IT企業で働きながら歌手としても活動する、小澤綾子さん。
全身の筋力が低下していく進行性の難病、筋ジストロフィーと診断されている。
病気の進行で、3年前から外出時には電動車いすを使うようになった。

仕事やイベントなど、外出の機会も多い小澤さん。外出時には「多機能トイレ」を使っている。

どんなふうに使用しているのか見せてもらった。
まずは車椅子をトイレに横付け。
手すりにつかまり便座に移り、ナプキンを交換する。

「普通のトイレだと手すりがないし、車いすだと大きさ的に入れない。もう多機能トイレしか入れないですね」と話す小澤さん。

多機能トイレはどこにでもあるわけではないため、普段から場所をチェックするようにしているのだという。
以前は2時間おきにナプキンを交換していたが、今は6時間に一回。
多機能トイレがないからなのだが、ときには、悲劇に見舞われることも!

生理中のある日、仕事で初めての場所へ出かけた小澤さん。
把握できた最寄りの多機能トイレまでは往復で1時間以上。
普通のトイレは近くにあったが、車椅子では入ることができず、
なんと13時間もの間、ナプキンを交換することができなかった。

「つらかった。すごい血まみれになってしまって。下着も汚くなってしまって。ショックを受けました」と振り返る。

           

スタジオトークでは、同じく多機能トイレを必要とする車いすユーザーたちの誰もが同意。
中久保希穂さんは、多機能トイレ探しで苦労するため、
生理中には必要最小限しか外出せず、家に閉じこもることもあると話す。

生理ケアに介助が必要な人の場合、下着の着脱などを座ってできるベッド付きの多機能トイレが必要な人も。
しかしベッド付きのトイレは更に数が少なく、生理の際にはほんとうに困るのだと話す。

           

油田優衣さんのお悩み「生理介助はどきどきの連続!」

油田優衣さんは、全身の筋肉が萎縮していく進行性の難病がある。
24時間、日常動作のひとつひとつに介助を受けながら、地域で一人暮らしをしている。

ヘルパー制度を利用して6年目になる油田さんだが、いまだにドキドキすることがあるという。

それは、生理ケアの介助を受けるときのこと。
筋力が弱い油田さんは、自力でナプキンを交換することが困難。下着の着脱も、立ったり座ったりした状態では難しい。

 ナプキン交換はどのようにおこなっているのか、教えてもらった。

まずは車椅子からベッドへ、横抱きで運んでもらう。
そして横になった状態で下着とナプキンを全て取り外してもらい、横抱きで便座へと移るのだが・・・。

そのとき、血がぽたぽたと垂れて、床やヘルパーの衣服を汚してしまうことがあるのだ。

「(血で衣服が汚れても)どうこう言うヘルパーはいないんだけど、小さな頃から、血で汚しちゃいけないっていう意識があるから。
ベッドから便座に移乗するときに血が垂れないように、みたいな。すごい気になったりする」と語る。

           

生理はよくないもの?

ヘルパー経験もあるゲストの安藤なつさん。
ヘルパーの立場としては、「経血で汚されても気にならない」と語りながらも、介助を受ける側の気持ちをこう想像する。

「もし自分が生理の時に、“ケアをお願いします”って言って汚した場合は、結構傷つくだろうな、って思う。
“やっちまった”みたいな。
なんでだろう?生理はよくないものだっていうイメージが多分、植え付けられているんじゃないですかね、まだ」。

           

油田さんのお悩みに共感するあずみんも、生理介助のどきどきを経験している。

「(ヘルパーの女性に)タンポンを使ったことない子が結構いて。
タンポンが正しい穴にちゃんと入っているかどうか、下半身の感覚がないから分からない。
説明もしづらいし、不安になる」結局、あずみんはタンポン使用をあきらめてしまったのだという。

           

「気持ちが違ってくる」世界の最新生理グッズ

障害のある女性たちが抱える、生理ケアの悩み。
そんなもやもやを解消してくれるかもしれないのが世界の最新生理グッズ!あずみんが取材に向かった。

大阪の中心にある百貨店に、スタジオゲストの中久保希穂さんが働く店がある。
「生理や性について、女性たちがオープンに話せる社会を目指す」をコンセプトに、世界中から最新アイテムを取り揃えて販売している。

特殊な生地ででき、ナプキン数枚分の出血を吸収し何度でも洗える「吸水ショーツ」。
生理中にお尻が蒸れて、荒れてしまいがちな車椅子ユーザーにおすすめの「デリケートゾン専用の保湿アイテム」。
なかでも、あずみんが気に入ったのは、小分けにされた「デリケートゾンを拭くためのシート」。
膣などの粘膜に刺激が少ない成分でできているのに加え、
小分けにさえているので、生理中に介助者に一袋渡して拭き取りを頼みやすそうだという。

こうした便利なアイテムを知ったあずみん。

「私の場合は常にオムツやから生理のときって憂鬱やし、家にいようってなるけど
(こんなアイテムがあると)ぜんぜん気持ちが違ってくる気がする」。

           

生理に関する情報がない

障害者が使いやすい生理ケアのアイテムも今回の取材で初めて知ったというあずみん。

「女の子同士でも“今日生理なんや”くらいで。生理に関する情報、“○○がいいよ”とか話さない」。

脳性まひで、あずみんと同じく生理のときに介助が必要なまいさんも、

「ほかの障害者女性が、トイレの中でどうやって生理介助を受けているのか分からないし、障害のある女性同士でも具体的に話すことがない」と語る。

「生理に関する情報がない」という問題が、大きなバリアになっていることが浮かび上がる。

番組ご意見番の玉木幸則さんは、障害がある女性たちが直面するバリアを知り、こう語る。

「情報が少ないから、それぞれ自分だけで悩みながらやっていかなあかんのやろな、ってことが今日は分かった。
いろんな情報が知れるようになっていけばだいぶ助かることもあるのでは」。
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ボーダー
ボーダーです。 プロダクトローンチの手法にハマりまくってました。 ・「ネット=支援の場」という意識を浸透させる「クラウドファンディングアフィリエイトページ」やってます。 ・ストリートパフォーマンスで人とやりあう活力をつける教室やってます。