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大江の「ヒロシマ・ノート」がなかったら、原爆や広島をテーマにした作品を描かなかった。「この世界の片隅に」の漫画家・こうの史代



大江健三郎が亡くなった。
「大きな危機にある時、私は大江さんの作品を読む」芥川賞作家・朝吹真理子は語る。
「うじゃうじゃしてるものが許される」(齋藤飛鳥)
「きれい事ではない言葉がほしかった」(中村文則)…
危機の時代に、なぜ人々は大江文学を開くのか。
「戦争の真実は人間の物語を通してしか伝わりません。ヒロシマ・ノートのように」(ウクライナ作家・クルコフ)
絶望は、再生へ。8人が語る私の大江健三郎。
https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/3P398NPVR2/

読書という「対話」

 

作家の大江健三郎が88歳で亡くなった。大学在学中、『飼育』により23歳で史上最年少の芥川賞作家となったのは昭和33年だ。以来、60年以上も文学の最前線に立ち続けてきた。

ETV特集『個人的な大江健三郎』(NHK)が放送されたのは11月11日だ。大江作品やその人生について、様々な分野の8人が語る番組だった。

たとえば歌手のスガシカオは、将来に迷っていた時代に「自分を巨大なエネルギーが通り抜けていった」ような衝撃を受けたとして、『芽むしり仔撃ち』を挙げる。

太平洋戦争末期、集団疎開した感化院の少年たちが、疾病の流行によって山村に閉じ込められる物語だ。社会的に疎外された人間の実相が描かれていた。

また『この世界の片隅に』などの漫画家・こうの史代は、大江の『ヒロシマ・ノート』がなかったら、原爆や広島をテーマにした作品を描かなかったと語る。

「絶望的な状況に陥ったとしても、悲観し続けることでも、楽観視しようと努めることでもなく、冷静に現実を見つめながら、それでも希望を捨てないこと」を大江から学んだ。

そして、特に強い印象を残したのが作家・中村文則の話だ。自分が窒息しそうなほど悩んでいた時期に読んだのが、脳に障がいのある長男をモチーフに大江が書いた小説『個人的な体験』だった。

大江はこの息子と暮らすことで「人々の悪意」に触れ、同時に「他者の善意」にも触れたのではないか。だからこそ、大江の小説は「どんなにしんどい話でも希望が見えた」と中村は言いきる。

この番組に登場した人たちに共通するのは、その「読書」体験が、大江との「対話」体験になっていることだ。読書という対話である。

書物は自分に苦境を乗り越える力を与えてくれる、親密な手紙だ。
https://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/a3797eb5dbe31e9696e0ac2f0dc14005


作家の朝吹真理子さんは「大江健三郎さんの大ファンだったので初めてお会いしたときに失神してしまいました。(そのことなどもあって)本での関係が一番いいのではないかと思っていましたが、こうやってお亡くなりになってしまうと、もう一回気絶してでも会いたかったなと思います」

作家の中村文則さんは「読者として大江さんの小説に救われ続け、作家になってからは大江健三郎賞をいただき、それまで作家として苦しかったすべてが報われたように感じた。大江さんは社会運動にも積極的に関わり、常に強い側ではなく、弱い立場の側に立つ人でした」と振り返った。

時代の空気と共振し合って刻んだ作品群

 『死者の 奢おご り』や『飼育』『他人の足』など、大江さんの初期短編に触れると、その圧倒的な言葉の 語彙ごい やイメージの豊かさからこの作家は若いときから天才だったのだと、自分から遠い存在のように感じることがある。(死体を洗うバイトの話とか、黒人兵を「飼育」しようとする小説とか、どうやって思いつくんだろうと不思議になる!)
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20231109-OYT1T50125/

歌手のスガシカオは、将来に迷っていた時代に「自分を巨大なエネルギーが通り抜けていった」ような衝撃を受けた
「芽むしり仔撃ち」
https://ka2.link/situke/syougeki/#5

『この世界の片隅に』などの漫画家・こうの史代は、大江の『ヒロシマ・ノート』がなかったら、原爆や広島をテーマにした作品を描かなかったと語る。
「ヒロシマ・ノート」
https://ka2.link/situke/syougeki/#6

中村文則は自分が窒息しそうなほど悩んでいた時期に読んだのが、脳に障がいのある長男をモチーフに大江が書いた小説『個人的な体験』だった。
大江の小説は「どんなにしんどい話でも希望が見えた」と中村は言う。
「個人的な体験」
https://ka2.link/situke/syougeki/#7

ボーダーです。 プロダクトローンチの手法にハマりまくってました。 ・「ネット=支援の場」という意識を浸透させる「クラウドファンディングアフィリエイトページ」やってます。 ・ストリートパフォーマンスで人とやりあう活力をつける教室やってます。