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後輩の成人式を見て想う

成人式から1年が経った。
あらかじめ伝えておくが、この文章は「もう1年たったなんて信じられなーい!」「後輩達を見てたらみんなが恋しくなった!」というような甘酸っぱくて、ちょっと痒いような青春回顧録ではない。期待していた方はご退出願いたい。

今回僕は、「僕自身ではない僕」を成仏させるためにこの文章を書いている。
おお、何を言っているんだコイツ。とうとういくとこまでいったな。
みんなの反応はわかっている。でも一旦続けさせてほしい。

成人式。
それは日本中の同級生が一斉に祝われる日である。そして、同じ地域で過ごした旧友と久々に会う日でもある。
旧友をざっくりわけると、

①小中学校ないし高校を卒業してからも、たまに会う友人
②あんま会わないが、たまに連絡する友人
③当時仲が良かったが、連絡を取らなくなった友人
④当時からそんなに仲良くなく、連絡もとってない友人

だいたいこの4つに分けれるだろうか。
めでたい日であるから、当然記念に写真を撮る流れになる。
しかし人間は、恐ろしいことに「記念である」というだけで普段絶対撮らないような人間とも写真を撮ってしまうのである。
先にあげた④当時からそんなに仲良くなく、連絡も取ってない友人。この類いの人間とすら写真を撮ってしまうわけだ。
撮った写真が自分のフォルダにあるなら、まだマシだ。相手に送ってあげるなり、自分でそっと胸にしまうなりすればいい。
ただ厄介なのは、その写真が相手のフォルダにある場合だ。実際僕はこのパターンが多い。非常に厄介である。InstagramやTwitterで、写真撮った人ください!と募ってみる。こない。中にはSNSをフォローしてない人間もいる。こうなると、もう2度とあの写真達を見ることはないのだ。

別にいいだろ!という声が聞こえてくる。
僕の答えはNOだ。僕自身が知らない僕が、誰かのフォルダにいる。きっとそいつは誰からも見てももらえない。もしかしたらフォルダから消されているかもしれない。そして撮ったことすら忘れられているだろう。だからせめて僕自身が、認知されることのない無数の僕を思いやることで成仏させてあげたい。無数の僕の一周忌。どうか安らかに。

これを見ている新成人がいたら伝えたい。仲良くない人と撮った写真も必ず相手に送ってあげてほしい。是非その時には「君もこれで成仏できるね」とひとこと添えてほしい。そうすれば、もう2度とその人と中途半端に関わることはなくなるだろう。

P.S
今回の写真はまさに④の友人との写真であり、僕は彼に送っていない。この場を借りて彼自身の知らない彼を成仏させていただいた。

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