走圏の妙味〜人間はバックリ真っ二つに割れている
本日の板橋武研は八卦掌・走圏の徹底見直し。
そのために必要なキーワードをいろいろ紹介し、固定観念の打破をめざしました。
まずは…
①人間の身体は、真ん中でバックリ真っ二つに割れている
まあ実際には背骨でかろうじてつながっているので、このペルセポネーさんは正しくはないのですが、固定観念を壊すためにはこれくらいのバックリ具合だと思ったほうがいい。
このバックリの真ん中に入られると、まったく抵抗できない。
このバックリをどう処理するかで武術の流派ごとの特徴がある。
②走圏で描く円は「二重円」である
人間の身体がバックリ真っ二つなら、そこから必然的に導き出される要件。
バックリの「左側」と「右側」で、当然二重円を描くことになる。
ここをちゃんと説明している八卦掌解説はちょっと私の知る限りでは見たことがないので、強調しておく必要があると思う。
単円で走圏をやると、どうしても明確に円を確立することができない。
二重円を描こうとすることで、初めて自分が歩く円を明確化できる。
二重円の直径の差は「拳ひとつ分」。
この「拳ひとつ分」こそが「バックリの幅」だ。
扣歩転身の際、足は「二重円の内外を入れ替える」。
これにより明確な転身ができる。
擺歩転身の場合は、
・(内側の足で擺歩した場合)これまで外側の円を描いていた足が内側に回り、新たな内側の円が生じる。
・(外側の足で擺歩した場合)これまで内側の円を描いていた足が外側に回り、新たな外側の円が生じる。
二重円の上を足がどう動いてるかを明確にすることで、八大掌などの八卦掌套路の動作が鮮明になる。
③自分が歩く二重円を「くっきりと」明確にする
まるで二本のレールの上を列車が走るがごとく、自分が歩く二重円を「くっきりと」明確にする。
大事なことなので2回言いました。
レールを走る列車を止めるのは至難の技。
「くっきりと明確なレール」を進むものを止めるのは極めて困難なのだ。
しかも八卦掌の場合、相手と正面衝突する拳種ではないので、なおさら止めることは困難だ。
新幹線を正面から受けとめて止めたテリーマンでも、走る新幹線の横に立ってそれを止めるのは非常に難しいのではないか?^^
走圏の妙味はまだまだあるが、あとはまた次の機会としたい。