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バーサーク(狂化)

少し前から「バーサーク(狂化)」について考えています。
断固たる眼前突破が必要な場合、自分のリミッターを敢えて外すことで通常の三倍の力を発揮できます。
…いや普段の三倍になるというよりは、リミッターを外すことで余計な諸々が入り込まなくなり「本来の力」が発揮できると言ったほうがいいか。

瞬間的な狂化として「声」を使う方法がよく用いられます。
鋭く声を出すことで、瞬間的に一切の迷いをなくし全身を一致させます。
日本の武術は声を使うことが多い。
「トォー」「キェーイ」「イャー」など。
中国武術では南拳で声を多用しますが、北派では心意六合拳を除きほとんど声を出さない。

「声による狂化」をさらに流派の中心に据えたと言えるのが示現流でしょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BA%E7%8F%BE%E6%B5%81

「幕末期、新撰組局長・近藤勇をして「薩摩者と勝負する時には初太刀を外せ」と言わしめた」
「幕末期に薩摩者と戦った武士の中には、自分の刀の峰や鍔を頭に食い込ませて絶命した者がいた」

示現流を始めとして、「狂化」の強さは為政者に着目され、軍の中で使われることがしばしばあります。
「バーサーク」は元々北欧神話の狂戦士です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%AF

「危急の際には自分自身が熊や狼といった野獣になりきって忘我状態となり、鬼神の如く戦うが、その後虚脱状態になるという」

こうした「軍と結びついた狂化」は非常な危険を伴います。
狂化のために「薬物」を用いることは、古代から現代まで続いています。
太平洋戦争時、日本軍はヒロポンなどを常用していましたし、ベトナム戦争での凄惨な現場の背景にはヘロインがあったと言われています。

眼前の成果のために狂化が必要とされることがあります。
眼前の暴漢にむざむざやられるくらいなら、狂化で打ち倒したほうがいいかもしれない。
しかし、眼前の暴漢を打ち倒すための「薬物投与」は認められるや否や。
もちろん法的にはアウトですが、倫理の問題として考えた場合、簡単ではありません。

外的に投与される薬物を除いたとしても、人間は脳内麻薬を生成することができます。
狂化に「味をしめる」と、なんでも狂化で乗り切ろうとして、社会性との齟齬をきたす恐れもあります。

長く生き続けることが勝利ならば、眼前の敵を狂化で倒すことは是か非か。
一般化の難しい議論になります。

少なくとも、人間には「狂」の側面があることを理解しておいたほうがよいでしょう。
女性向け護身術で、まずリミッターを外すことを教えるところもあります。自分に「狂」があることを知らない人にとっては、大事な学びかもしれません。

しかし、既に「狂」を知る者は、自分の中の「獣」を常に飼い慣らし続けるという課題を抱えます。

自分は、いつもの自分か。
いつの間にか「獣」と入れ替わってないか。
常に見張り続けなければなりません。

急に政治家に戻りますが^^;、「狂」と向き合う最低ラインは、言うまでもなく法令遵守でありましょう。
暴力ダメ絶対^^

私が今の政治を許せないのは、「よくぞそのように、簡単に己の中の獣を放し飼いにしてるね?」という感覚が根底にあるのですよね^^

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