私たちのDID治療方針について
2021/04/21に執筆し下書きにあったものをそのまま公開します。
当時の状況で書いたため「専門医の診察を受けていない」とありますが現在は受けています
動画でも話したいな
[仲津🌷]
解離性同一性障害/DIDには、主に2通りの治療のゴールがあります。
1つは、人格を1つにする統合という選択
1つは、人格が複数いるままでも問題なく生活を送るための共存という選択
私たちは、今、統合を目指しています。
統合を選んだきっかけ
私には一緒に暮らしている恋人がいて、恋人の支えでなんとか安定して生活が出来ています。働けてはいないけれど、家事も体調によっては出来ないけれど、とってもよくしてくれる恋人です。
人格みんなのことも尊重してくれて、特に巡くんと仲良しで、「巡くんと飲みたいお酒があるんだ」とか「今度またご飯食べようって伝えておいて」と言ってくれたり。
ただ、支えられることや尊重してくれることと、
病気の受け入れができることは、また別なのです。
彼にとって人格というのは、
あくまで「元々は私だった、私の一部」なのです。
先日、YouTubeではお知らせしましたが、
冬ごろからいたらしい新人さんの内部での確保(保護)に成功しました。
冬から何回か表に出ていて、我々とのコンタクトはとれず、存在確認もできずに、表に出てしまった新人さんの相手をしていたのは恋人だけでした。
真冬に裸足で外に出たり、夜中突然外出しようとしたり、窓から外をずっと見ていたり…
新人さんについてはまた別の記事に書くとして、
新しい人格が出来たのだなと分かった時の恋人は、本当に辛そうで、
「人格が分かれなければならないほどに君が追い詰められているのだと思うと苦しい、見ていて辛い」と溢していました。
もちろん恋人も、人格の分裂や統合がコントロールの効くものではないことは百も承知です。でも、辛いものは辛いよね。
私だってきっと、たいせつな人が病気だったら辛いです。
きっと、「治せる病気なら治してほしい」と願ってしまうでしょう。
新人さんの保護までの間、新人さんを宥めて、脱走しないよう見守ってくれていたのは恋人でした。
「寝る時間だよ」「外が気になる?」「でももう遅い時間だからごめんね」「ここは眠るところだよ」と声をかけて寝かしつけてくれました。
朝、まだ新人さんが表に出ている状態の時に事態に気付いたのが巡くんで
急いで他のみんなを呼び、交代して自分が表に出ることで、中に入った新人さんをみんなで保護することが出来ました。
恋人さんは今にも泣きだしそうな声で、
「ごめんね、もう限界かもしれない。統合してほしい。」
と言いました。
巡くんは統合反対派で、怒りやすくて、きっと普段ならすぐに怒っていたと思います。
でも、本当に限界なのが伝わってきたそうで、
ちゃんと二人が幸せになるなら、いいよ。親友の頼みだもんな。
と答えていました。
二人とも辛かったと思います
すごくすごくつらかったと思います。
私はずっと、精神疾患の患者を支えようとする側の人間が
いつか壊れないかを心配していました。
限界を超えるギリギリ前に、本人からそれを伝えてもらって本当に良かったと思っています。
私たちは、私の将来のために、恋人のために、
統合することにしました。
葛藤
そうは言ってもやはり恐怖はあります。
もう会えなくなるけどあなたの中で生き続けるよ、なんて
死んだ人について話すときの言葉だと思ってしまうのです。
みんなそれぞれやりたいことがあって、好きなことも違うのに、
少しずつ、死ぬための準備をしてくるように思えて怖いのです。
私は、彼らを、殺す準備をしているようで怖いのです。
でもまだ専門医さんの診察は受けていません。診断を受けた時だけ。
これから準備をして、専門医さんにかかって、
すぐに治療を始めるわけじゃなく
たくさん診察の中で話し合うと思います。
だからこれはまだ決定事項ではなくて、仮の目標です。
診察中に「やめた方がよさそう」と思ったらやめます
「始めてよさそう」と思ったら始めます。
治療中によくない方向に進んだらストップします。
そういう、個人的な記録として、YouTubeやnoteで記録していこうと思います。
記録する、ということ
統合治療というものの、こわいところも、いいところも、
いまいる人格さんたちのことも、
残しておきたいのです。
それはいつか私が見返して、家族のアルバムを見ているような気持になりたいから。
いつか誰かがこの記録を見て、悩みが少しでも楽になれば。
そんな風に思っています。