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コインロッカー・ベイビーズを読んだ。
村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ
友達から勧められたので読みました。その友達にはいろいろと本は紹介してもらっていたけれど、自分なりに面白いと思えるものばかりだったので今回も読むことにした。村上龍の小説を読むのは初めてだった。彼の文体にはとにかく驚かされた。自然科学系の学術論文を読んでいるかのように暗澹と事実が述べられる。そうかと思ったら突然文が飛ぶ。いつの間にか会話が始まる。全体的にストーリーも面白かった。ただ僕みたいな人間は変なところにばかり目が行く。とくに冒頭のアネモネを乗せたタクシー運転手。「人の肉って案外柔らかいんだなあ」は忘れられない。この言葉は進めてくれた友達との間でしばらくの間はやり言葉となった。あとハシが入った精神病院にいた老人。「いけなあああああい」という言葉は一見単なる精神分裂病者の妄言に見えるかもしれないが実は彼の中では「いけない」対象があって完結しているのだと思う。
一応海外ではどれくらい評価されているのか気になってamazon.comのレビューを見てみた。71個の評価で平均4.4(2020/08/23)外国人も気に入ったらしい。レビューの一つを見てみる。
この本はあらすじを漏らさずに説明するのは難しい。しかし、この本を読み始めると、なかなかあらすじを書き留めることができないと思う。この本のために制作中の映画があると聞いたが、しばらく何も聞いてない。この本を映画にしない方がいいだろう。それはこの小説の良さを奪うだろう。(意訳)
とのこと。
海外では薬物の文化は日本よりずっと発達しているから、読者それぞれがダチュラを思い思いの薬物に当てはめて読むことができたかもしれない。
せっかくなので現代文の先生に「いけなあああああい」と言ってみた。すると先生も「いけなあああああい」と言い始めた。やはり自己完結しているのだろう。
アメリカにもコインロッカーってあるのだろうか。誰か知ってたら教えてください。