漫才作家・中田明成

漫才作家・中田明成

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夢路いとし・喜味こいし「ありがた迷惑がいっぱい」

いとし:今日、この阿知須町へ来る時、新大阪でお婆さんに「西大寺へはどう行けばいいんじゃのう?」と尋ねられましてね こいし:西大寺 いとし:「ああ、西大寺は岡山やから、私と同じ列車に乗りなさい」言うて、切符を買わせて乗せたんや こいし:そう言えば、岡山に裸祭りで有名な西大寺あるわな いとし:で、岡山駅に着いて、西大寺までの乗り換えを説明して、そのお婆さんを降ろそ思たら、そのお婆さんが言うねん こいし:どう? いとし:「わしゃ、奈良の西大寺へ行きたかったんじゃがのう」

    • 夢路いとし・喜味こいし「グッドタイミング」

      いとし:人生27年間生きて来て、つくづく思うんですがね こいし:・・・なんやて? いとし:人生27年間生きて来て・・・あっ!・・・人生72年間生きて来て、つくづく思うんですがね こいし:えらい違いじゃ! いとし:何事においても、タイミングというのは、良くないといかんね こいし:そらタイミングが良いに越したことはないね いとし:それにつけても、今日ここへ来る時の、私のタイミングの悪さいうのは酷かったね こいし:と言うと? いとし:家の用事をしていて、ふと気が付い

      • 若井ぼん・はやと「僕の交遊録」

        ぼん:私いつも思うんやけど、人生においていい友達いうのは、すごく重要やね はやと:言えるね、人間良くなるも悪くなるも、友達次第いうとこあるからね ぼん:私なんか、君と知り合う前は、町の不良で通ってた はやと:この男、不良やったんでっせ ぼん:それが、君と知り合うたおかげで、皆なから極悪人と言われるようになったがな はやと:余計に悪るなっとるやないか! ぼん:気にしない気にしない はやと:考えてみると、今や私と君とは、漫才コンビであると共に、親しい飲み友達でもある

        • 若井はんじ・けんじ「お笑い昔のラブレター」

          けんじ:昨日まで、女房と二人で九州旅行へ行ってましてね はんじ:知ってるがな(絵ハガキを取り出し)この絵ハガキ送ってもろたから けんじ:美しいでしょう、その絵ハガキ はんじ:美しいのはええけど、この絵ハガキに書いてある君の文章おかしいで けんじ:どう? はんじ:(絵ハガキを読む)昨日、僕たちは雲仙と長崎に行って来だった。雲仙は大変美しました。それに、まわりの景色が大変雄大かった。また、長崎も素晴らしました。この町はすごく坂が多だった。本当に僕は幸せかった。・・・君こ

          若井はんじ・けんじ「お笑い良友・悪友」

          けんじ:早いもんで、二人がコンビを組んで、〇〇年になりました はんじ:もうそんななるか けんじ:考えてみると、コンビを長続きさすコツは、お互いを尊敬しあうことやね はんじ:僕は君を尊敬しとるからね けんじ:僕も君を尊敬してますよ はんじ:僕のどういうとこを尊敬しとんねや? けんじ:君の、優しくて親切で男らしいところ、尊敬するねえ はんじ:君の、素直で正直で、嘘の言えんところ、尊敬するねえ けんじ:・・・お互いに、尊敬しあいながら、お互いに持ってないものをおぎな

          若井はんじ・けんじ「お笑い良友・悪友」

          かしまし娘「お笑いわらべ唄」

          歌江:最近の小学生いうのは、昔の子供と随分変わりましたね 花江:どこが変わった言うんですか? 歌江:この前、電車の中で、小学生が本を読んでましたの 花江:ほんほん 歌江:シャレで返事する人がありますか! 照枝:小学生が本を読んでてどうなったの? 歌江:童話でも読んでるのかなと本を見たら、なんと週刊誌なのよ 花江:小学生が電車の中で週刊誌をですか? 歌江:そうなのよ。どんな記事を読んでるのかなと見ると、衝撃の告白いう記事を面白そうに、一生懸命読んでるのよ 花江

          かしまし娘「お笑いわらべ唄」

          正司敏江・玲児「理想郷をつくろう」

          玲児:熊本県の植木町へ参りました 敏江:自然がいっぱいのええ町やね 玲児:こういう町へ来ると、私のふるさとを思い出しますね 敏江:玲児さんのふるさとはどこ? 玲児:この熊本県の隣の大分県の、国東半島でしてね 敏江:勝った。私、小豆島やねん 玲児:・・・それどういう勝ち負けやねん? 敏江:私は小豆島やから、丸ごと島やで。お前、国東半島で、島が半分しかあらへんやないか 玲児:そんなアホな!・・・ふるさとの学校を卒業して、大阪へ出ていく時には、私は胸いっぱいに夢で膨

          正司敏江・玲児「理想郷をつくろう」

          夢路いとし・喜味こいし「言い訳相談所」

          いとし:君に頼みたいことがあるんですけどね こいし:頼みたいことて? いとし:これからうちの嫁はんに電話かけて、言うて欲しいねん こいし:嫁はんに電話で何を言うの? いとし:たいしたことやないんやけどな こいし:そやから何を言うの? いとし:「奥さん、申し訳ありません。何もかも私が悪いんです!」 こいし:あのな・・・ いとし:「私が馬鹿だったんです、愚かだったんです。私は日本一のアホです。情けない男です」・・・これを言うてくれたらええねん こいし:・・・何の

          夢路いとし・喜味こいし「言い訳相談所」

          夢路いとし・喜味こいし「交換しませんか?」

          こいし:兵庫県の波賀町へ参りました いとし:車でここへ来る途中、あそこへ寄りましてね こいし:あそこと言うと? いとし:あそこやないか こいし:あそこではわからんねや! いとし:君とこに不細工な嫁はんいるやろ こいし:・・・うちの嫁はんがどうしたんや? いとし:あの嫁はん、名前なんやった? こいし:ミチや いとし:途中、道の駅に寄りましてね こいし:・・・そう言えば、ここへ来る途中に、みなみ波賀道の駅いうのがあったな いとし:あそこで、嫁はんへの土産物を

          夢路いとし・喜味こいし「交換しませんか?」

          若井小づえ・みどり「旅はミステリー」

          みどり:羽昨の町へやって参りまして 小づえ:私、この町とはすごく縁が深いんですよ みどり:どう縁が深いの? 小づえ:この町、羽昨(はくい)でしょ?私、面食い、すごく縁が深いでしょ みどり:どこが縁が深いねん!羽咋と面食いと、くいが同じなだけやがな 小づえ:そんな言い方せんでもええでしょ。あんたちょっと自分が面食い違ごて、面食われや思て威張ってるでしょ みどり:面食われてなんやねん! 小づえ:私、この町初めてですねん みどり:私も初めてや 小づえ:初めての町て

          若井小づえ・みどり「旅はミステリー」

          上方柳次・柳太「僕は弁護士」

          柳次:最近私、舞台慣れしてきたいうのか、場内を見渡しただけで、どういう職業のお客さんが来てはるか、わかるようになりました 柳太:ホー 柳次:(場内を見渡し)今日は立派な職業のお客さんが多いなあ 柳太:立派な職業のお客さんと言うと? 柳次:(場内を見渡し)会社の社長さんが四人きてはるね 柳太:社長さんが四人 柳次:(場内を見渡し)銀行の頭取が六人ね 柳太:ホー 柳次:(場内を見渡し)総理大臣が八人ね 柳太:嘘つけ!総理大臣が八人もいるわけないやろ! 柳次:君

          上方柳次・柳太「僕は弁護士」

          横山たかし・ひろし「老後の大金持ち」

          ひろし:山口県の大和町へ参りました たかし:大和町の皆さん、お坊ちゃまが、久しぶりにふるさとへ帰って参りました! ひろし:ふるさとへ帰って参りましたて、お前、この大和町の出身やったか? たかし:町長の息子じゃ、パパ帰ったぞ ひろし:嘘つけ!こんな息子がいたら、町長さん肩身がせまいわ! たかし:ここへ着いた時、お腹がすいてたので、刺し身定食をいただきまして ひろし:海が近いから、新鮮な刺し身が食べられたやろ たかし:新鮮てなもんやないですね、刺し身の身が皿の上でま

          横山たかし・ひろし「老後の大金持ち」

          今いくよ・くるよ「人生迷い道」

          いくよ:兵庫県の養父町(やぶちょう)へ参りました くるよ:実は今日ここへ来るとき、近所の人に勘違いされましてね いくよ:勘違いというと? くるよ:「くるよさん、今日はどこへ行くの?」「ヤブへ行くのよ」と答えたんです いくよ:ヤブへ行くのよと答えたら? くるよ:「タケノコ掘りにかいな?」て言われまして いくよ:・・・それ、竹藪のヤブと勘違いしてるがな くるよ:「ヤブいうても、竹藪のヤブと違うヤブよ」て言うたら、「なんや、医者へ行くのかいな」よ いくよ:医者!?

          今いくよ・くるよ「人生迷い道」

          奈和せつ子・フレッシュ花子「選び上手は誰」

          せつ子:いつも思うんやけどね 花子:何を? せつ子:人間生きていくうえで、選ぶということほど大切なことないね 花子:選ぶというと? せつ子:例えば、私らここの舞台で漫才するわな。どういう話がお客さんに合うかどうか選ばないかんやろ 花子:なるほど。私らお客さんに合わん漫才をしてよう失敗してますねん せつ子:屋久島に行った時に「飛行機は便利になりましたねえ。大阪から鹿児島まで一飛びですわ。飛行機は最高、皆さん乗りましょう」いう漫才したんですわ 花子:ほな会場のお客さ

          奈和せつ子・フレッシュ花子「選び上手は誰」

          横山やすし・西川きよし「空と陸の物語」

          きよし:皆さん、このやすし君が、飛行機を今度買いましてね、これほんまの話です やすし:そんなたいそうに言うてもらわんでもええねや。別にボーイング747を買うたわけやないんやから きよし:当たり前やないか! やすし:セスナの小型機ですわ きよし:それでも、漫才師が自家用飛行機を持って、前代未聞でっせ やすし:(気取って)別に大したことじゃないじゃないか、自家用飛行機ぐらい、ソニー社長の森田君や、ホンダ会長の宗一郎君だって持っとるんだよ、ロックフェラー君だってそうだよ

          横山やすし・西川きよし「空と陸の物語」

          夢路いとし・喜味こいし「記念の戦い」

          いとし:滋賀県の木之本町へ参りました こいし:この辺りは、戦国時代の古戦場跡の多い所でしてね いとし:というと、この辺りではどういう戦いがあったんですか? こいし:ここからちょっと南へ行ったところでは、姉川の戦いがあったわな いとし:姉川の戦いは有名な戦いや こいし:確かあれは、君が産まれた年に起きた戦いや いとし:アホな! こいし:そして、ここのすぐそばであったのが、賤ケ岳(しずがたけ)の戦いね いとし:そんな戦いがありましたか? こいし:君、賤ケ岳の戦い

          夢路いとし・喜味こいし「記念の戦い」