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【最高品質プリントをつくる4つのこと】 1. 画質(ビットとRAW)について

お話の内容は【中級】です。

おはようございます。
アラスカの中島たかしでございます。

最高品質でプリントするために行う4つのこと。
その第一回目は、撮影データの「質」の話です。

今回も、米国で写真学習しつづけている僕が、欧米の情報をベースに、日本語で解説してゆきます。

○○万画素という質の話ではなく、ビットの質の話ということを念頭に置いておいてください。

今日のメイン情報ソース
From Capture to Print LESSON 4  Understanding Bit Depth by Rocco Ancora

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【今日のお話の結論】
結論からいいますと、なぜ14ビットRAW撮影をするかというと、

14ビットは豊富な階調(グラデーション)があるため、デジタル現像をする際に、階調飛び(トーンジャンプ)などの乱れが起きにくく、とくに大きくプリントをする場合は、高いビットを使うほうが利がある」

ということになります。

なので、デジタル写真の現像、色調補正などはまったくしないよ、という方は、時間をムダにしてもらいたくないので、続きは読まなくて大丈夫です。「JPEGの撮って出し」でも、きれいな写真は作れます。しかし、14ビットでのデジタル現像した写真には、画質の点で敵わないことは覚えておいて下さい。

そして、少しでもデジタル現像にチャレンジする方は、この続きの話、知っておいて損はないです。

そして、2020年10月現在で、中上級機の一眼レフカメラであれば、RAW撮影を選択した際に、「1枚撮り」のとき14ビットで記録できるものが大半です。連写する場合は12ビットになってしまうものが多いことも知っておくと良いと思います。


では、内容を掘り下げていきましょう。

【まえおき】
いまでは撮影時に、僕は必ず14ビットRAW画像で写真を撮ります。

とにかく以前までの僕は、画素数に関する知識と、今日お話するビット知識がなかったために、相手からお声がかかった企業カレンダーやポスターなど、ことごとくクオリティ(画質)の問題で蹴られたという経験があります。米国はこのあたり、かなりシビアだと思いますね…。

ぜひプロフェッショナルな視点でいきたいものです。

それで今日は、僕が撮影をするときに(特に印刷を想定しているときに)意識している、14ビット-RAW画像、とくにビットについてお話したいと思います。

今日の内容1
【14-ビットRAWのメリット&デメリット】 

用語を知る前にまずは、

◆14-ビットRAWのメリットはひとつですが、分解すると、

・でかい媒体に対応する
・階調がキレイに仕上がる
・デジタル現像の際に、細かいところに手が届く

◆次に14-ビットRAWのデメリットは、

・データが重いため、枚数が増えるとストレージを圧迫する
・そのままでは画像を扱えない

では、まずはこの「ビット(bit)」という言葉を見てみましょう。

ビットとはもともとデジタル用語ですが、「0」か「1」か(オンかオフか)というのが1ビット、では2ビットは、00、01、10、11の4パターン、4ビットは0000〜1111までの16パターンになります。

最近は写真の記事などでもよく目にします。デジタル写真では、センサーで映し出す画像の最小単位である画素というのがあり、この1画素の質を、ビットで表せます。

つぎの表を見てみましょう。

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これをみると、一つの画素で表せる色の数が、14ビットのほうが遥かに多いことがわかりますね。

たとえば8ビットの場合、1画素の中には明るさ0〜256までの数値があります。そして色には、赤、緑、青(RGB)のそれぞれ3つ(R:0〜256, G:0〜256, B:0〜256)があります(透過光の3原色)。ちなみに、R0, G0, B0 が黒(光なしという状態)で、すべて255がピュア白です。

デジタル写真の場合、8ビットでは、これらをかけ合わせた、1678万の色の表現パターンがあることになり、そのパターンのいずれかを1画素で表せることになります。たとえば(赤38, 緑169, 青98)だと、

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緑が強めの、この色になるわけです。このように色のパターンを考えると、ぜんぶで256x256x256=16,777,216色になる理由はわかりますね。これが14ビットだと4兆色を超えます…

もう8ビットで十分かと思うかもしれません。そうなんです。じっさい人間が識別できる色は、様々な説がありますが、750万色と言われており、1678万色以内におさまってますね。詳しい説明はここではしませんが、14ビットで撮影しても、印刷物は結局8ビットになります。つまり、8ビットで十分に人間の網膜が判断できる色の違いを表現できてしまうのですね。

さてさて、ではなぜ14ビットでの撮影が必要なのでしょうか。答えはデジタル現像にあります。順番に見て行きましょう。

今日の内容2
【RAWって、そもそもなに?】

RAWについては、僕がここで言及するまでもなく、多くWEB上に情報が上がっていますが、

RAWとはつまり、「生の」という意味なので、簡単に言うと、デジタル画像として保存する際に、光がセンサーをとおして感知した「そのまま」をデータとして保存するのです。こちら、基本的に12ビットでの記録です

では、よく聞くJPEGとは何かというと、どうでもいいですけど、Joint Photographic Experts Groupという名前がついていて、デジタル写真のための圧縮(lossy compression for digital images)ファイルのことです。
ようするに、JPEGは写真専用の使い回しやすい圧縮されたファイルだと考えてもらえれば大丈夫です。こちら、8ビットでの記録になります

▶JPEGのポイントは、保存ストレージと画質がトレードオフ関係にあるということ、つまり、画質を少し悪くする代わりに、データ容量が少なくできるので、たくさん枚数保存でき、メールで送ったりしやすいですよ、ということです。

僕が読んだ解説の中で、RAWとJPEGファイルの違いについてわかりやすい記事は、こちらの記事かと思いますので、詳しくはこちらをどうぞ。

RAW画像とJPEG画像について

今日の内容3
【RAWは、本当にJPEGより良いのか】

まずさきに断っておくことは、画像をLightroomやフォトショップで編集するのであれば、ゼッタイにRAWをつかってください。

まずは下のヒストグラムをご覧ください。

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ヒストグラムとは?

上図は、JPEG(8ビット)のヒストグラムになります。
ギザギザしているくぼみの部分は、そこにデータが少ないことを表しているのですが、全体の山から尾根に行く部分というのは、「階調」に相当する部分ですので、この表示から、階調が損なわれているということがわかります。

階調とは、白(0)からまっ黒(256)までの色のグラデーションと思っていただければよいでしょう。

つぎのヒストグラムを見てみましょう。

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こちらが、RAW画像のヒストグラムです。
先程のJPEGヒストグラムよりなめらかになっているのがわかりますよね。
ひと目で、後者のほうが圧倒的に階調が豊かだ、ということになるわけです。

こちらの図でイメージしてみてください。

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画像に色補正や明るさ調整をかけると、どうしても画素を変更(データを削る)することになるので、もともとデータ量の少ないJPEG8ビットでは潜在能力が低いので、編集後に色や明るさのトーンが滑らかでなくなることが簡単に起こります。

それを踏まえた上で、

今日の内容4
【14ビットのbitは高いほうが良いのか】

さて、本日の核心の部分になります。ビットは高いほうが良いです。

ビットについては、まず8ビットと14ビットでは、1画素における色の表現可能な数がデータ上では明らかに違うが、見た目はわからない。しかし編集すると、その違いは顕著に出るということでしたね。

では、12ビットと14ビットの違いは?

これは僕が過去に調べを進める中で、出てきた大きなクエッションですが、さきほどの、人間の識別可能な色は750万色といいました。そして8ビットでの画像ですでに1678万色を出すことができるともいいました。なので、この回答は、肉眼では12ビットと14ビットの違いはわからない、ということです。

そしてはじめに記した結論、14ビットを使う理由は、RAW現像する際の細かい色調調整、明るさの調整が、十分に可能になるから、ということです。

つまり、12ビットで再現しきれなかった調整が、14ビットで可能になるということです。勘違いしてほしくないところは、14ビットだと、撮影の失敗を編集で補う事ができる、という考えをするのではなく、「自身がみた風景に、限りなく近づけることができる」と考えるようにしたいところです。

以上になります。

この記事をここまで読み進めてくれた方は、おそらく写真の作品づくりを考えられている方だと思います。

これからも英語圏の教材をベースに、ハイクオリティな写真を制作するための内容を少しづつ記事にしていく予定です。

ぜひコメント・ご指摘くだされば幸いです!

                            中島たかし
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