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美容室の開業 開業した2年目はどうしてお金が借りられないのか?

 創業融資でお金を借りて、もし、お金が足りなくなったらまたお金を借りればいい。そんな甘い考えはしていませんよね?創業融資ははっきり言って融資の審査基準はとてもやさしいですが、創業融資を借りた後の審査基準は一気にハードルがあがります。今回は、創業融資を借りた後、開業から2年目でお金を借りたいときの問題点についてご紹介します。

〇開業してから2年間はお金が借りられない訳。
 絶対に借りられない、という訳ではありませんが、基本的には創業融資でお金を借りた後の2年間は融資が受けられないことがほとんどです。その理由は、創業融資以外の一般融資というのは2期以上の確定申告を終えている必要があるのですが、創業融資を受けて2年間というのは、まだ2回の確定申告を終えていません。つまり、一般融資を受けることが基本的にはできない状態となるため、開業から2年以内の状態では公庫で受けられる融資が「創業融資」だけということとなるためです。

〇100万円が借りられない。追加融資はやっぱり難しい。
 創業融資には限度額があります。限度額まで借りていなければ、理屈の上では2年以内であれば創業融資としてお金が借りられるはず。でも、現実はそれほど簡単ではありません。
 創業融資の時に借りたお金は900万円。創業融資の限度額は1000万円ですから、あと100万円の枠があるはずです。しかし、その枠を使ってお金を借りようとしたところ、融資担当者からは厳しい判断を受けてしまいました。

〇どうして最初に借りなかったのですか?
 最初に大きな金額の融資を借りるのはリスクが高い。最初は様子を見て、追加で必要になったら借りようと思っていた。こんな考え方も人も多いと思います。最初から大きな金額の融資はリスクがある。だから、出来るだけ借りるお金は少なくしたい。そして、必要になったら追加でお金を借りればいい。このように考える方も多いのですが、現実的に言われる言葉は、なぜ、あの時に借りておかなかったのか?です。
 創業融資を受ける時に事業計画を立てる訳ですが、少なくとも半年、1年の見通しは立てて最初の創業融資申請をしています。創業融資を借りた後で、すぐにお金を借りるということは、当初の事業計画の見通しが甘かったのではないか?と判断されてしまう訳です。

〇追加融資100万円を借りるためにやったこと
 当初の事業計画が少なかったことは事実として受け止めました。計画の見通しが甘かったことを正直に認め、その上で、どうして100万円が必要なのかを丁寧に説明しました。枠としては創業融資なのですが、申請に必要な内容はすでに一般融資と同じ判断材料が必要となります。
 オープンからの客数、客単価、売上を出して、毎月の人件費、家賃などすべての損益の数値を提出しました。その上で、100万円を投下することで、どんな効果が出るのか。チラシの製作費と成果の過去の実績値も参考資料として提出し、ようやく100万円の追加融資を受けることが出来ました。

〇おわりに
 追加融資が絶対に受けられない、という訳ではありません。でも、一番最初に創業融資を受ける時と、2年以内の創業融資の追加融資では、まったく違う材料を準備する必要があることを知っておく必要があります。その上で、最初の創業融資でいくらのお金を借りて、いくらのお金を使うのか。逆算で考えることがとても重要です。追加融資は厳しい!と考えておくと良いですね。

美容室専門税理士 中嶋 政雄

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