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美容室の開業 自己資金が少ない場合の対処法

2-1-4 美容室の創業融資編 自己資金とは

美容室専門税理士の中嶋です。
美容室開業で知っておきたい知識をノートでまとめて配信しています。
一定記事までまとまりましたら一部有料化を予定しております。
今回のテーマは、「自己資金が少ない場合の対処法について」です。

〇創業融資面談で自己資金が少ないと判断されたら?
 自己資金が少ないことでの一番のリスクは、創業融資が受けられない可能性が高くなる、ということです。創業融資が受けられない原因の最も大きなものは、実は自己資金が少ないからではなく、なぜ、自己資金が少ないのか?その原因によって創業融資が受けられるのか、受けられないのかが決まります。

〇自己資金が少ない理由は何か?
 融資が受けられない典型的なパターンは、カードローンなどの借金があったり、リボ払いがたくさんある。カードの支払いなどの返済の遅延が何度もある、といったいわゆる信用情報に問題がある方は、基本的には創業融資を受けることは出来ません。自己資金が少ない理由が、既にあるローンの返済をする必要があるために自己資金が少なかったりすると、自己資金が少ないことに問題があるのではなく、カードローンの返済が残っていることが原因で創業融資が受けられない、なんてことが多いです。
 こういったカードローンやリボ払いもなく、過去の支払い状況に問題がない場合で、自己資金が少ない場合はどうかと言えば、基本的には、絶対に融資が受けられないかと言えば、そうではなく、なぜ、自己資金が少ないのか?の説明が出来るかどうかが重要となります。

〇自己資金が50万円でも、創業融資1000万円借りられる?
 自己資金が50万円でも創業融資が1000万円借りられた人はいます。ただ、自己資金50万円あれば、創業融資が1000万円借りられると考えてはいけません。なぜ、自己資金が50万円なのか、が重要なのです。
 美容室の開業を考える方は30歳前後の方が多く、また、結婚をして、子供がいるという方も少なくありません。結婚式でお金を使った。子供が生まれて車を買い替えた。生活のために多くのお金が必要な時期はだれにでもあります。そして、美容師の給料でたくさんもらっている人はごく一部。無駄使いをしていなくても、お金を貯める事自体が難しい状況の人はたくさんいます。この事実を踏まえて、自己資金の金額を考える必要があります。

〇自己資金が少なくても創業融資が受けられる人とは?
 通帳を見てみると、ある時期まで150万円のお金がコツコツと貯められていた。でも、結婚で100万円のお金を使った。車を買い替えるのに100万円のお金を使った。だから、今は50万円しか通帳にお金が残っていない。今、手元に残っているお金は確かに50万円であっても、それまでの開業のためにコツコツと準備してきたお金の実績を通帳で証明することができ、かつ、なぜ大切な開業のための資金を使う必要があったのかをちゃんと説明することが出来る場合には、創業融資が借りられる可能性は高いです。もちろん、生活環境の中で緊急性もなく、ただ自分の欲しい車を、不相応に高額な車を購入していたりすれば当然無理な話なのですが、先ほどの例のように、子供が生まれたことで車を買い替える必要があった、等、客観的に見ても生活のために必要であったことが分かるお金の使い方である場合には前向きに考えてくれる場合の方が多いです。

〇自己資金が少ないと言われ、創業融資が受けられなかった人の打つべき手
 残念ながら創業融資の面談の際に、自己資金が少ないと言われ、融資を受けられなかった場合、次の融資に向けて、どんな対策をすると良いのか?
 この方の場合は、カードローンの残高が残った状態で、自己資金が50万円ほど、自己資金が少ないという理由と、カードローンの返済がまだ必要という2つの点で創業融資が難しいと判断されました。
 対策は、まずはカードローンをすべて返済すること。住宅ローン、自動車ローン(一般的な車)、学校の奨学金の返済が残っていても良いですが、カードローンは別です。事業もしていない人が、通常の生活でお金が足らなくなるというのは、金融機関から見たらお金の使い方の考え方としては望ましいものではありません。
 そして、出来る限り、毎月コツコツとお金を貯める事。もちろん、お金の貯め方は自分の通帳にお金を積み上げていきます。たったこれだけです。
 自己資金というのは、あくまでも開業のためにどんな準備をしてきたのか?を証明するものです。開業に対する姿勢なのです。

〇まとめ
 自己資金が少ない場合の対処法の答えは、気づいた時から毎月1万円でもいいので、開業に向けての準備資金としてコツコツ積み立てる事です。
 自己資金の代わりに、親からお金をもっと借りる、もっと貰う、というのは何の解決策にもなりません。もっとも、もっと貰えるというのは、余裕資金としてはプラスになりますから、貰えるものはありがたく受け取っておいてください。そして、創業融資面談で、自己資金というのではなく、自分の自己資金は少ないけれど、身内からのサポートでお金を集めました、と正直に言うことが出来れば融資判断も有利に働くはずです。


美容室の開業ノウハウが学べるコンテンツを動画で公開しています。
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