美容室の開業 公庫融資が難しいと言われた人が次の融資を受けるための対処法【減額された場合】
2-2-2 美容室の創業融資 創業融資が難しい人の特徴
美容室専門税理士の中嶋です。
美容室開業で知っておきたい知識をノートでまとめて配信しています。
一定記事までまとまりましたら一部有料化を予定しております。
今回のテーマは、「公庫融資が難しいと言われた人が次の融資を受けるための対処法【減額された場合】」についてです。今回は前編と後編に分けてお伝えしています。
創業融資が受けられないと言われた人でも、創業融資を受けるための準備をすれば、いつか必ず創業融資が受けられる時は来ます。創業融資が受けられないと言われると、「なぜ貸してくれないんだ！」と不満を言いたくなる人も多いと思います。でも、それが現実なのです。最初にすべきことは、なぜ、自分は創業融資が受けられなかったのかを向き合うことが大切です。それが出来れば、今からどんな準備をすれば創業融資が受けられるようになるのかが見えてきます。
〇「融資は難しいです」と言われたら？
「申し訳ありませんが、今回の融資は難しいです」と金融機関から言われたら「なんで貸してくれないんだ！」と不満を言う人がいます。気持ちは分かりますが、それは、今のあなたがお金を借りても、返済できる見込みがない、つまり、事業として失敗する、と判断されている訳です。
１０００万円の借金をして、事業が失敗したとしたらどうなると思いますか？事業に失敗する時というのは、毎月の利益が少なく、生活費が少なく、借りたお金の返済が出来なくなる状態を言います。返済が滞り、家賃の支払いが出来なくなり、生活も苦しい。この時は、きっと創業融資で借りたお金以外のお金も借りているでしょう。家賃の支払いが出来なくなったことで、お店を手放さなければならなくなります。それでも借金は残るのです。借金は返し続けなければなりません。最初に約束した毎月の返済額では無理で、毎月１万円でも良いから返し続けることになります。利息も払いながら。当然、次の融資を受けることも難しくなります。そんなことにならないように、「融資はむずかしいです」と判断しているのです。見方を変えれば、感謝すべき存在ともいえるのです。
〇融資が受けられなかった理由と向き合う
「融資が難しい」、「その金額の融資は難しい」と言われてしまうと、今の状態では創業融資を受けることは出来ません。事業計画を見直して、希望額を引き下げることで融資を受けることが出来るケースもありますが、基本的には希望額の融資が受けられなかった時点で、美容室の開業自体が難しく、仮に、どこか別のとこで、無理してお金を借りたとしても創業融資よりも確実に不利な状況での開業となるはずです。
金融機関は基本的には融資が出来ない直接的な理由は教えてくれません。ただ、融資面談の中でいくつか指摘された内容そのものが融資が受けられない理由です。腹立たしい気持ちもあると思いますが、まずは、融資面談で指摘された内容を自分なりに理解し、受け止めることが大切です。
〇融資が難しいと言われて、再チャレンジして融資が受けられた人とは？
融資が難しいと言われる理由の中で、事業計画の見通しが甘い、投資金額が高すぎる、という場合には、融資自体が難しいというのではなく、融資額を減額してなら融資は出来る、という場合です。
この場合には、事業計画の中で、美容室の内装や機材に使うお金の見直しをすれば融資自体は可能となる場合が多いです。ただ、当初の希望金額の融資は受けられません。希望額から融資申請額を引き下げしたとして、本当に内装費用、美容機材の投資金額を下げられるなら良いですが、融資申請上だけ内装工事、美容機材の金額を低く設定し、実際は当初と変わらない投資をしてしまうと、開業した後に必要となる運転資金が無くなってしまいますので、開業してすぐに資金繰りが厳しくなってしまいます。希望金額を引き下げても融資を受けたいという人は、実際に内装や機材の投資金額の引き下げが出来るかどうかをしっかりと確認をする必要があります。ちなみに、美容機材をリース契約にして投資金額を引き下げるのはダメです。リース契約というのは、創業融資よりも返済期間が短く、創業融資よりも高い金利の借入と同じです。投資金額を下げるためにリース契約にするというのは間違った選択であることを知っておいてください。
融資が難しいと言われた人の対処法の後半では、希望金額の引き下げではなく、創業融資自体が難しいと言われた場合の対処法についてお伝えします。
ではまた。
美容室専門税理士 中嶋 政雄
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