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裏銀座縦走Day2_雄大な稜線を独り占め(2024/09/07〜09)

裏銀座縦走の二日目です。
初日はこちらの記事をご覧ください。

今日歩く予定のルート

Day2

銀マットが固くて何度か目が覚めた。仰向けの時はいいけど、横になると体重が集中する点が地面の硬さを感じて熟睡できないなあ。
朝3時ごろに雨がテントを打つ音が聞こえて、今日は雨かなあなんて思っていたけど、明け方までにはなんとか止んでくれた模様。
4時くらいに起きてテントを撤収、烏帽子小屋のテント場を出発。今日は野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳と歩いて三俣山荘まで行きます。長いね!

4:30 まだ暗いうちに出発

暗い中30分ほど登っていると、段々と空が明るくなってきた。真っ暗な中から急に山容が顕になるこの瞬間が好き。

徐々に明るくなってきた
雲が多い
雲が晴れてきた!
振り返れば烏帽子岳がちょこんと頭を出している

歩いていたらガスが抜けて爽やかな朝になってきたので、朝ごはん食べながた一休み。雨予報だったから全然期待してなかったけど、いきなりいい感じで神様に感謝。

朝ごはんのランチパック
めっちゃいい感じに朝焼けしてきた!

少しでも高いところで朝日を見ようと思って急いで登る。

5:43 野口五郎岳への看板
どこまでも続く稜線の感じがいい

朝日きたーー!これが見たかった。

5:44 朝日

すっかり明るくなった稜線を歩く。白と緑のコントラストが綺麗。野口五郎の前後はこの白い岩稜帯が続く。

稜線は続くよどこまでも

天気もいいので途中巻いていけるはずの三ツ岳にも寄り道。下り道がめちゃ急かつザレガレですごかった。

6:00 三ツ岳

とか寄り道してたら気づいたらガスが…。さっきまでの青空どこ行ったんや。こうなっちゃうともうどこ歩いても全部一緒…。

ガスガス

ガスの虚無の中1時間ほど歩いたら青色の屋根が見えてきた。

野口五郎小屋に到着。烏帽子小屋から300mほど標高を上げながらおおよそ3時間弱。そこそこ歩くね。初日に烏帽子岳も登ってここまで来ようと思ったら着くのが夕方ぐらいになってしまいそうという絶妙な距離感。

7:17 野口五郎小屋
気温は15度

小屋の前でちょっと休憩させてもらってたらちょっと日が差して、ガスもちょい晴れ。

白い砂地に青い屋根と青いドラム缶が映えてなんとなくおしゃれな雰囲気がある

小屋から山頂は15分ほど。登ってるうちにまたガスってきちゃった。本当に天気がコロコロ変わる。

野口五郎岳登頂。背景はホワイトなり。360度ガスで何も見えない。残念だね。晴れていれば景色すごいんだろうなあ。山頂には1組いただけで写真撮ってあげたらすぐ行ってしまったので、独り占め。ちなみにその人たちは水晶方面から来たらしく、向こうは朝から雨でしたよとのこと。

7:52 野口五郎岳

何も見えないのですぐに出発。今日はまだ先が長い。水晶小屋までは2時間半ぐらいかな。アップダウンがありつつ、しばらくは下り基調で最後に登り返す。
野口五郎から先はちょっと岩岩しい道が続く。割と大きめな岩の上を歩く箇所が連続して人によっては体力使うかも。自分はアスレチック感覚で楽しめました。

下の方に目を向けるとややガスが抜けてきたかな?

山肌だけ見えている
ちょっと晴れたり
またガスったり

野口五郎岳と水晶小屋のちょうど中間、真砂岳を過ぎたあたりでガスが晴れて久々に青空が見えた!

青空がチラ見え
振り返れば野口五郎岳。こんな山だったのかー
ワリモ沢?奥に見えているのは燕、大天井の稜線かな?
正面、鷲羽岳や水晶小屋はガスの中

稜線が見えると俄然気持ちがいい。心も晴れやかになる。
野口五郎からゆるゆると下って来て、東沢乗越に到着。ここからは水晶小屋まで登り返す。

9:48 東沢乗越
水晶小屋方面を見上げる

振り返ればこの稜線。

烏帽子からここまで縦走してきたけど、人が少ないなあ。3連休中日だけど、歩いている人がほとんどいなくて、たまーにすれ違うぐらい。先月歩いたパノラマ銀座は人が多すぎて、孤独を味わう暇もなかったけど、裏銀座は静かにしっぽりと山歩きができる。それでいてこの最高の稜線。一回も樹林帯に入ることなくずっと景色のいい中を歩けるし、道の様子も変わるので飽きることがない。見渡す限りの山。ここは天国か?
こんな最高の道を衣食住担いで歩く面白さ。この非日常感を味わいに山に来ている。

さて、水晶小屋に向かって登っていきます。この登りは割と険しくて地味にきつい。この辺から地質が変わって、ここまで白い岩が多かったのが、急に赤茶色の岩に様変わりする。雰囲気が変わって面白い。

途中から見下ろした図。ゴツゴツした岩場
赤茶色の地質

登り切ったところに水晶小屋。出発から約6時間、結構歩いてきたなあ。

10:30 水晶小屋
水晶小屋の前からの眺めが最高すぎる
こんなとこにお地蔵さん

水晶岳は時間によってはスキップしようかなと思っていたけど、時間に余裕があるし、せっかくここまで来たのだからと登っていくことにした。ザックをデポさせてもらって、山頂に向かう。

水晶岳、赤牛岳方面。読売新道もいつか歩いてみたい。
山頂はガスの中

山頂に向かう途中で初日に烏帽子小屋の前で出会った裏キレジャンのお兄さんと再会。山頂で2時間ぐらい粘ってたけど晴れないので諦めたらしい。あっちの奥に見えるのは黒部五郎かな、横のは太朗山かなあなんて二人で山座同定をした。

左手を見るとあれは雲の平かな?
小さいけど山荘が見える、ということはやはり雲の平だ…!
水晶岳への登りはそこそこ険しい道が続く

今回の縦走3つ目の主要ピーク、水晶岳登頂!って真っ白やないかーい。
この縦走、山頂はことごとくガスってて景色が見えないなあ。あと百名山の山頂標識にしてはなんかボロいね、って隣のおっちゃんが言ってた。確かに頼りない笑

11:13 水晶岳

水晶岳は双耳峰で、北峰もあるので一応そっちにも行ってみたけど三角点があるだけだった。

北峰までは5分ぐらい
北峰の三角点

晴れてたら景色すごいんだろうなーと思いつつ小屋まで戻る。

小屋に戻るとちょうどお昼前だったので、ここでお昼休憩にする。水晶小屋は軽食メニューも充実していてありがたい。

力汁。お餅が入っててめっちゃ美味い。疲れた体に味噌が染み渡って体力回復。

休憩したら鷲羽岳に向かいます。ここまで来れば三俣山荘までもう一踏ん張り!と言っても二つのピークを超えて2時間半ほど歩かないといけないんだけど。

看板に雲ノ平の文字が

鷲羽岳までの稜線、ここもめっちゃかっこいい。

ゆるゆる登っていく
12:45 ワリモ北分岐

ワリモ北分岐。ここを右に行くと祖父岳経由で雲の平へと行ける。今回は鷲羽岳に向かうので左に行く。

鷲羽岳までは手前のワリモ岳挟んでアップダウンが続く。ワリモ岳への登りはもうヘロヘロ。ザックが肩に食い込み、足も疲れが溜まってきた。

左のピークがワリモ岳
ワリモ岳の山頂付近は岩場が続く
13:07 ワリモ岳
鷲羽岳への登り

登り返しが辛い。
めっちゃガスってるし、途中から雨も降り出すしでもうダメかなあなんて思っていたら、ここで雷鳥さんとエンカウント!!しかも5羽ぐらいいる!!

雷鳥さん御一行
この凛とした表情たまらんねえ

雷鳥でパワーチャージして一気に鷲羽岳登頂!4つ目のピーク。

13:40 鷲羽岳

ガスガスじゃんと思ったけど、30分ほど粘っていたら…

徐々にガスが晴れてきた

青空きたーーーーーーーー!

ついに槍ヶ岳が顔を出した!鷲羽池とのコラボが絶景すぎる。

槍ヶ岳と鷲羽池

ここまでガスガスだったけど、ここに来て逆転優勝。最後の最後に、しかも雨予報を覆して快晴の空。いや、ほんと脳汁出過ぎてすごかった。全ての疲れが吹っ飛ぶこの絶景。山たのし〜〜。
山に行くと、生きてる実感がするとか地球を感じるとかみんなよく言うけど、なんかわかるな〜ってなった。

今日歩いてきた稜線
水晶岳の山頂もようやく見えた
三俣蓮華岳。右側には黒部源流。

鷲羽岳山頂からの景色すごいなあ。見渡す限りの山。本当に山深い。

なんだかんだ山頂に1時間以上もいた。堪能し切ったので、今日のゴールである三俣山荘へ。見えてはいるけどコースタイム1時間ほどなのでまだまだある。山頂でゆっくりしているうちに昨日会ったリッジシャツ姉さんに再会したので一緒に下る。

赤い屋根が三俣山荘
黒部源流域
ヘリがこっちに向かってくる、と思ったら旋回して三俣山荘に着陸。急病人とかかな?
振り返ると鷲羽岳の山頂はガスに包まれようとしている。右に向かって水平に伸びる道は伊藤新道への道。

15時半過ぎ、三俣山荘に到着。いい感じの小屋だあ。
いやあ長かったあ。今日は3つの主要ピークを超えつつ10時間以上も歩いてきた。鷲羽岳の山頂でかなりまったりしたので到着が15時過ぎちゃったけど、烏帽子小屋からだとまっすぐ歩いてきても15時ギリギリになっちゃうのでそこそこ大変。

15:40 三俣山荘
小屋前の水場は断水
今日の天気予報は晴れのち雨だったのに後半晴れたなあ。だけど明日は雨予報…

先週は三俣山荘のテント場は混んでてぎゅうぎゅうだったらしいという話を聞いていたので、この時間だとどうかなあと思ったけど、この日は全然余裕があった。手前の山荘に近いスペースが空いていたので、小川の近くのところに設営。

テント場入り口

山荘前のテーブルでリッジシャツ姉さんと乾杯。水晶岳の山頂で会った人も加わって3人でワイワイ。ソロで来ているけど途中途中で出会った人と再会して山の話に花が咲いて楽しい。山だと全然知らない人ともこうして自然と酒を酌み交わせるのがほんと不思議だ。

一番搾り

三俣山荘は様々なルートの交差点になっており、伊藤新道や黒部の方から来た人、双六から来た人など色んな人がいて多様性がある。

テント場から見る鷲羽岳、超かっこいい
夕飯に明太子ペンネ

夕ご飯を食べたら、小屋の夜喫茶。
ここのサイフォンコーヒーが飲みたかったんだ。
夜喫茶は夕食後から21時まで。チャイやケーキなんかもあって食後のデザートを楽しめる。

いい雰囲気
名物サイフォンコーヒー
カップとソーサーに三俣のロゴが入っててオシャレ

一日山の中を歩いて最後にコーヒーを飲む、最高に贅沢。

Day3に続く


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