初めてのテント泊〜金峰山、瑞牆山(2024/08/03〜04)
ここ数週間、登山用のテントを買うかどうかで悩みに悩んでいた。
テントとシュラフ、マットなどを買い揃えると10万近くかかってしまう。趣味への投資としてポンと出せる額ではない。そこまで行ったらもう後戻りできないよなあ、というか、それでもし飽きたらどうするんだ…という葛藤があり、悶々としていた。
しかし…しかし!どうしても山でテント泊してみたい、という思いが最終的には勝ち、山岳用テントを購入してしまった。こうなったら早速テントを使ってみたい、となるのだけどいきなり高山でテント泊するのも怖い。初心者におすすめのテント場を探してみたところ、富士見平小屋が登山口からテントサイトまで1時間ほどで着き、テント場も広くておすすめということで行ってみることにした。
ルート
金峰山/瑞牆山に登る王道ルート。スタートは瑞牆山荘。富士見平小屋にテントを張って、初日にそのまま瑞牆山ピストン、二日目に金峰山ピストンで下山する。
活動ログ
距離:16.3km
獲得標高:1938m
タイム:Day1: 4時間20分、Day2: 6時間35分
Day1
新宿始発の特急あずさで韮崎まで向かう。
駅前のバス停に向かうとすでに行列ができていた。バス待ちの列、登山の中で嫌いなものの一つ。我先にと人を押し除けるかのようにダッシュしていく人もいてなんだかなあと。
最後尾に並んでいたら臨時のバスが来た。瑞牆山荘まで直行するらしい。自分の手前ギリギリで定員オーバーらしく、自分は普通の定期便で行くことに。登山者のほとんどは臨時バスで運ばれていったので、定期便のバスの方にはハイジの村やひまわり畑に行く人がメインだった。韮崎にそんなスポットがあるんだ〜。サンフラワーフェスというのをやってるらしい。
奥に見えるのは甲斐駒だろうか。それにしても麓から見る南アルプスの存在感すごい迫力。
ひまわり畑で大勢の人がバスを降りると、残ったのは3人。ガラガラのバスに揺られること1時間半。瑞牆山荘に到着。
山荘前の登山道を早速登っていく。テント泊装備が重い。家でザックウェイトを測ったら水抜きで11kgほどあった。10kgオーバーの荷物を担いで登山をするのは初めての経験。
登り始めて20分ほどで一瞬だけ景色が開け、瑞牆山が見える。岩がゴツゴツしていてかっこいい。
そこからさらに30分ほど登ると富士見平小屋に到着。テントを担いで登るのはここまで、確かに楽だ!
近くに水場もある。
テント場も全然空いている。8月だしみんなアルプスの方に登りに行ってるのかなあ。
すごく広々としていて、ファミリーエリアや女性専用エリアなんかもある。
どこに張ろうかな〜と思ってウロウロ。割と平で周りにテントが張られてないところがあったのでここに決めた!
テントの設営は近所の公園で一応練習はしてきたけど、うまく立てられるか不安だった。幸い、そこまで複雑な工程はなく、手間取りながらも40分ほどかけてなんとか設営完了。テントが張れて一安心。
テント張ったら中に入ってちょっとだけ休憩。真夏かつ樹林帯の中で風が通らないから蒸し暑い!まあそりゃそうよな。雨が入らないように防水素材で四方を囲っているわけだし、夏は外より中のが暑くなるのが自然の道理。まあ夜には涼しくなるでしょう。
そんなことよりテントの周りをすごいたくさんの虫が飛んでいるのが気になる。フライシートとの間に何匹も虫の影が見える。設営する際に二匹ほど侵入を許してしまったっぽいが、どう頑張っても外に出てくれない。虫を外に出すにはどうしたらいいんや。とほほ。
そして、今日はまだ瑞牆山に登るというイベントが待っている。
時刻は12時過ぎ。荷物を軽くして、小屋の左手から登山道に入る。最初えらい下るな〜って思ったら、一旦沢まで下ってそこから登り返すっぽい。
下り切ってすぐのところに桃太郎岩。パックリ割れている(ように見える)。
ここから山頂まで岩場の登りが続く。
こんなスラブ状の岩も。傾斜はそこまでキツくないので、鎖を使わずとも突起を手がかりに登れる。
とにかく岩場の急登が続く。難しくはないけど足をあげないといけないから疲れる。単調な道よりもむしろ楽しいけど、休憩スポットもないからずんずん登ってしまい汗だく。シンプルに暑いというのもある。ありえんぐらい汗をかいてびしょびしょになってしまった。それもそのはず、コースタイム2時間のところを1時間で登るというハイペースっぷり。
瑞牆山登頂!めっちゃガスってるやん!
あとトンボがめっちゃ飛んでる。
何も見えないねー。
登ってくる時は全然人いないなーって感じだったのに山頂は結構賑わっている。
ちょっと粘っていると少しガスが取れてきた。
晴れていれば富士山や南アルプスが見えるらしいけど、この日は近くの山までしか見えなかったなあ。
これ以上ガスも貼れないので下山。でかい岩は上るのも大変だけど下るのも大変。
下山も休憩ぜす1時間でテント場まで戻ってきた。
富士見平小屋で地ビールとジ鹿肉ソーセージをゲット。ソーセージは臭みもなく食べやすかった。
下山してビールを飲む時間、プライスレス。それにしても疲れたなあ。そんなに行動時間は長くないのにやたらと疲れている。昨日の夜飲み会で遅くまで飲んでて、朝の始発で来たので、シンプルに睡眠不足で疲れが取れてないだけかも。
テントに戻って昼寝。虫がうるさくて耳栓しないと寝れない。それからシュラフの匂いなのか、テントの中の獣臭が鼻につく。シュラフおろしたてだから、フェザーの匂いとかなのかな。
寝ている間に少し雨が降ったっぽく、テント場の湿度がすごいことになっていた。
18時ごろに起きて夕食。持参したチキンラーメンとおにぎり。おかずが欲しいところ。
19時を過ぎる頃にはだいぶ暗くなってきた。
この日は最終的に30張りぐらいしかテントが張られておらず、テント場はスカスカだった。瑞牆山もそうだったけどそんなに混み合ってない印象を受けた。
それから、テント場はとにかく虫がすごい。テントの出入りも気を使うほどの虫の多さ。ご飯食べてる時も常に周りを虫が飛んでいてかなり不快だった。樹林帯だからこの時期は仕方ないのかなあ。お世辞にも気持ちのいいテント泊にはならなかった。
Day2
朝5時起床。湿度が高いのか日が当たらないからなのか、昨日使ったタオルがまだ乾いていない。
諸々準備して6時ごろに金峰山に向けて出発。
山頂まで3時間なのでそこそこの距離がある。
ゆるっとした登りの樹林帯。
昨日の登りで急いで汗をかきすぎたので、今日はゆっくり登るのを心がけた。
割となだらかな登りが続いて、大日岩に到着。登れるらしいので、下山時に時間があったら登ってみよう。
大日岩を過ぎると、少し険しいところとなだらかな場所とかが交互に出てくるような道。それにしても長いこと樹林帯歩きで景色も変わらないので飽きてくる。あと全然他の登山者と遭遇しない。
砂払ノ頭直下の登りは結構きつい。
ここを登り切ると、砂払ノ頭。一気に眺望が開けた。ここまで約2時間登ってきた。
そして金峰山山頂への稜線も見える。
ここからは稜線歩き。稜線と言っても岩場の小ピークを何度か超えていくのでそこそこのアップダウンがあって体力を持ってかれた。
山頂までだいぶ近づいてきた。あれは五丈岩の後ろ姿かな?
ラストの登りを登り切って、金峰山の山頂に到着。五丈岩が大きい!なんでここだけこんな端正に岩が積み上げられてるんだろう。不思議。
山頂は開けていていい感じ。登ってくる時にはほぼ人を追い抜かなかったのに、山頂に来ると結構な人がいる。反対側の大弛峠から登ってきているのかな?
最高点および山頂標識は五丈岩から奥に行ったところにある。
山頂は晴れてはいたけど、やはり遠くは雲がかかっていて見えないのが残念だった。富士山は二日間通して全く見えず。
おにぎりを食べて軽く休憩。風もなくて暖かいし、ここで一眠りしたいぐらいだったけど、帰りのバスが13時のやつに乗りたかったため、少し休憩したらそそくさと下山。
下山はせっかくだから金峰山小屋に立ち寄ってから元来た道に合流するルートで下る。
帰りはとにかく無心で下山。行きでスルーした大日岩に登った。一番上まで登るのはそこそこ苦労した。岩の中腹からでも景色がいいので、途中まででも登ってみることをお勧めする。
2時間でテント場まで戻ってきた。
すぐにテントを撤収。パッキングまで含めると30分ぐらいかかったかなあ。あとは瑞牆山荘まで小一時間下るだけ。
瑞牆山荘から韮崎行きのバスが13時発で、それを逃すと1時間半後なので急ぎ目で下ったけど、結果全然余裕だった。
今回は初のテント泊ということで、一泊二日でテントに泊まってみたわけだけど、特にトラブルもなく無事帰ってこれてよかった。富士見平は荷物をデポして登山できるのが楽ではあるけど、虫が多すぎたのと、テント場の蒸し暑さがすごくて、快適とは言い難かったなあ。テントにいる間ずっと虫を意識させられるのはちときつい。テント場での眺望もないし、木々に囲まれていて風もないので閉塞感とジトっと湿っている感じもあったかな。ここでテント泊するなら真夏の季節は外したほうが良さそう。
だけど、これでテント泊のイロハがなんとなく掴めたので、次はテントで高山に登りたいなあ。