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2023年 2冊目『にほん的』

松岡正剛さんの「日本文化の核心」とよく似ているなって思ったらお二人は対談とかしていますね。

真のグローバルな人間になるためには、海外との違いばかりをあげつらうのではなく、かつての日本文化のように、違いを楽しむことが必要な気がするというのが著者の松田行正さんの考え。

松田さんは10のキーワードで日本を説明している

すなわち

動:日本の絵画における運動している様子のあらわし方について

奥:物理的な奥をしめしていない「奥」ということばの意味について

触:紙の手触りと利休が発見した手触りについて

律:五七調における日本のテンポ感について

影:ヨーロッパの画家に感動を与えた浮世絵の平面絵画と影の関係について

余:日本文化を語るのにはずせない「間」について

結:注連縄に代表される「結び」の哲学について

周:中心よりも周辺を重視する表現について

張:近景と遠景による表現の強弱のつけ方について

縦:日本文化の精神的バックボーンとなっている文字の組み方について

松田さんの話を伺う機会があったのでお話のアウトラインを

・話が見えない:(意味がは)理解できない

→日本語は見ないと分からない

・百聞は一見にしかず

→日本語は一回見ればわかる

・電波少年
→テロップが入るようになった。→当たり前になった。
→日本語でも字幕出している

・文字面を見て理解する
→同音異義語が多くて、文字を見ないと分からない事が多い
→キラキラネーム

・英語は聴覚言語
→数少ない視覚性を求めた事例
Iesus→Jesus イエスを目立たせるため
アルファベットの終わりを示すためにJ
日本語は視覚性が高い≒しるし

・1982年 おいしい生活。←「。」がついた最初:なんか楽しそう

・1959年 Think small. ←「。」自体を変えて、「.」 あえてモノクロ
→コピーをデザイナーが気に入らず、捨て案で作ったものが広告に

・ゲッペルス 理を説く書き言葉より、感情に話しかける話し言葉が有効

・時代によって読点が違う。
→漢文は「○」、平安時代は句読点両方「、」、鎌倉時代は「・」「 」、江戸時代に「・」「、」

・木活字は便利、それは論理に合わない←鉄砲が人を殺すので作製するのを止めたのと同じ

・1950年に句読点をようやく整理が始まった

・左から右へ変わったのは、軍国主義(右から左)への否定

・!、?
→感情表現がある約物 16世紀にキリシタン本から日本に来た
→!:雨だれ、?:耳だれ

・約物のある視覚詩→ルイジ・ルッソロ(反乱:1911)をモチーフに(視覚詩)

・/と逆/だけで画素詩 4万2000個ずつ

・漢数字(一、二、三だけ)で並べた詩
→ひ、ふ、み で読むと情景が浮かぶ
→足し算すると五七五七七の七部分の合計は13→14→15
→良寛もひふみを使って、童謡のようにする
→日本だけではなく、スペルで類似の事をしている(視覚にはならない)

・漢字:遠い、スケールが大きい、冷たい、抽象的

・カタカナ:ニュートラル、学術的(外来語のイメージ)

・ひらがな:近い、小さい、温かい、具象的

・一握の砂→「の」を使う事で、ミニチュア

・住所

本は遠くから近くへ:縮みの文化、広がる事を恐れている
→視覚言語、使い方で視覚的なイメージを与える

・「和」とは異質なものを共存させる力
→受容、選択、変容:外国文化を日本的に変化させた

・適度な距離感:ベタつかない距離感
→座っている:手の届く範囲に引き寄せ、共存できるように変形
→手頃、間
→欧米は立つ生活:バレエのジャンプ、跳ぶ
→日本の座る生活:能のすり足、舞う

・変容の起点
→663年白村江の戦い
→国家として自立の道を探る

→701年倭から日本→8世紀、古事記、日本書紀、風土記→万葉仮名→900年ごろひらがな
→中国から文化的に独立

・書き割り(レイヤー):葛飾北斎の神奈川沖裏

・切り捨ての美学:金地にして背景を省略 背景も主役

→ルーツは「かな」 母音は8つ(帰化人)80文字だった

・にじみの表現:対象をズバリと表現するのは粋ではない。暑苦しい

→○○的、○○臭い、○○げ、○○そう、○○らしい、○○風、○○ぶり

・抽象とは「つもり」の表現

→もどき

・マルセル・デュシャン
→小便器を横に倒して(使えない)サインして芸術になった
→横に倒したことで、もどき、エセだと言われる
→もどきは元が無くても自立できる。(対象の呪縛から離れられる)
→エセは元が無いと成立しない

・ひらがなは、漢字の暑苦しさを取り除いた「もどき」

・立体化する感じ(静的が動的、立体的に)
→隷書→楷書→明朝体(縦が太く、横が細い)

・ひらがなは、カルマン渦のような感じ、だから立体性を必要としなかった

・西洋建築では、奥に特別感、奥行きが長い。
→日本の宗教建築は、横長で、物理的「奥」ではなく、結界などで触れないようにして、棚上げ

・「・・・」で影(立体性:立体もどき)を表した地図記号

・カタカナは漢字の持つ直線的、鋭角を引き継ぎ、漢字の一部からなっている
→右上から左下の「ノ」が生まれたのでは?

・カタカナはシステム、ひらがなは情緒(いろは歌)

・明治政府は漢字、カタカナ交じり文を重視
→唯一カタカナがひらがなより重要視が上がった時代
→現在はITの言葉が増えて地位が高まった
→明治政府は、1音、1文字に整理。残りは変体かなとした→文化破壊の1つ

・もともと日本語には濁音はなかった
→忌み嫌われていた。濁音も静音で記載

・ポルトガルの交易から生まれた半濁音
→谷川俊太郎の エイリアン語の詩

・「ん」は、発音しているかどうかわからなくて下品

・日本語は「二音」が基本
→湯→お湯
→二音を繰返すのが多い 各々、ばいばい、もしもし、大卒、外為、軽音、パソコン

→複雑な表情を持つ日本語に調和

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