2024年84冊目「100兆円の不良債権をビジネスにした男」
こんなハードシングスを切り抜けた人が日本にいるんだ!
絶対に会いたいと思い、連絡先を探しました。
FBをしているのを見つけて、共通の友人が17名いるのを発見。リクルート同期に確認したところ一緒に食事をしたことがある。この話を中尾塾で話していただきたいと思い、手紙をしたためて彼に渡して貰いました。
同期のおかげでお会いすることができて、来年中尾塾でも話していただけます。ほんと有難いです。
どんなハードシングスなのか。
ケネディクスの元代表取締役社長の川島敦さんの話です。
日本で不動産ファンドビジネスを立ち上げた方々の中の1人です。
1980年代まで、日本では不動産の価値は土地だけでした。つまり建物は価値が無い。ところがアメリカでは、その建物の収益性をデューデリジェンスして価値を算定するビジネス、不動産ファンドビジネスが立ち上がっていたのです。
そして、川島さんは、このビジネスの将来性を感じて、この分野に飛び込むのです。
最初に手掛けたのが、リクルート出身者が良く知っている川崎テクノピアビル。そして、その店子としてリクルートが入ったのです。
どんどんこのビジネスは大きくなって100兆円規模のビジネスになります同社も上場します。まさに天国。
ところがアメリカでリーマンショックが起きます。
その瞬間に、すべてが逆噴射するのです。そして上場していた同業10社のうち9社が倒産していきます。同社も今月数十億返済できたけれど、数か月後には200億円超の返済が待っています。それをすべて切り抜けたのです。3000億円超の借り入れを返却したのです。
なぜできたのか?
従業員が逃げずに知恵を使って様々な事を考え、実行してくれたのです。そして、川島さんの学生時代の友人が知恵を貸してくれたのです。更に、様々な貸しはがしをしていたあるメガバンクの部長たちが、知恵を貸してくれたのです。部長たちが融資のスキームを作り、それを見ていた常務が頭取に耳打ちしてくれたのです。
諦めなければ会社はつぶれないと言います。しかし、それだけでは、この規模の借り入れは返却できないと思うのです。
他に言葉は見つからないのですが、人の縁です。
川島さんが従業員向けに毎月書いていたレターがそのまま載っています。川島さんの人となりが伝わってくる真摯な中身です。これを読むだけでもこの本を読む価値があります。
川島さんにお会いした時に、どうして周囲が助けてくれたのですか?
と聞いてみたのです。良く分からないのです。でも皆、助けてくれたのです。こんな人がハードシングスを乗り切れるのでしょうね。
実体験したくないですが、自分のハードシングスなんて軽い。だから、切り抜けられるって思える本ですね。
▼前回のブックレビューです。
▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。