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2014年28冊目「ハラルマーケットがよくわかる本」

イスラム圏は市場規模200兆円で急成長しています。リクルートグループもイスラム圏にも出ています。将来を考えて基礎知識をつけようと手に取りました。

ムスリムは約16億人、世界人口の23%。そのうち60%は東南アジアに居住。韓国、中国では昔からイスラムの戒律に即したハラル対応がなされているそうです。一方日本は大きく遅れているのです。ちなみにイスラム最大のマーケットであるマレーシアは親日だそうです。

ちなみに、ハラルは「健全な商品や活動」を指すイスラム教の総称で、例えばイスラム教の教えに則って処理された食べ物を指します。そのような食品にはハラルマークがついています。逆に相応しくないものをハラムあるいはノン・ハラルと呼びます。ハラルとハラム、言葉はよく似ていますが、正反対の意味なのです。

ハラルの中で一番気をつけないといけないのは、ノンポークとノンアルコールです。豚を食べてはいけないのはイスラム教の聖典コーランに書かれているからです。根本的なところを調べてみると、諸説あるようですが豚は衛生面で他の肉よりも菌が発生しやすと思われていたようで、食中毒や伝染病の原因になりやすいので、自分たちの健康のために食べないというのが理由のようです。先人が安全に食べるための知恵がハラルの基準に詰まっているわけです。

ですので、ハラルでない食べ物とは

・イスラム法(シャリア法)に基づき食肉処理されていない動物
・豚、犬およびその子孫
・虎、熊、像、猫など長く鋭い牙を持つ動物
・鷲、フクロウなどかぎ爪のある鳥、捕食鳥
・ネズミ、ゴキブリなど病原菌を運ぶ動物や毒を持つ動物
・花蜜、キツツキ
・シラミ、蚤、ハエなど嫌悪感をおこさせる動物
・ロバ、ラバ
・ワニ、カメ、カエル(水陸両生の動物)
・汚染されたみずなど、不浄である場所に生息する魚
・ワイン、シャンパン、ビールなどのアルコール飲料
・遺伝子組み換え品など

これらの食べ物は、製造過程で何らかの形で使われていてもすべてノン・ハラルになります。

田畑で生産される植物や果物はそのままではハラルです。加工すると仕方や添加物などによりノン・ハラルになることがあります。

また、正式にハラル認証を取得するケースと外国人相手に日本でムスリムフレンドリーとして、ノンポークとノンアルコール対応をする。そして1日5回お祈りをするための祈祷室を作る。いわゆる「おもてなしの心」レベルの話があります。

イスラム圏で商売するにはハラル認証が必要ですが、日本国内でインバウンド対応としては後者から始めるのが良いようです。

実際新横浜にあるラーメン博物館はハラルフレンドリーのラーメンと祈祷室を準備しムスリムの動員に成功しているそうです。それ以外にも京都大学ではハラルチキンのケバブを準備して学生に好評を博しているそうです。これ以外の大学でも立命館大学、岡山大学、金沢大学などが積極的だそうです。

また、イスラム圏で日本製品のイメージは高品質という事で欧米商品よりもイメージが高いのです。味の素やキューピーなど数社は進出して成功しています。しかし、中韓の会社がハラル認証を取り、日本製品名を使って成功しているケースも散見されるようです。悔しいというか商売上手ですね。

知識取得としても面白いです。ただ、文章や構成は同じ話の繰り返しの部分があり、少し中だるみする感じです。この市場に興味があればお勧めです。

▼前回のブックレビューです。

▼プレイングマネジャーを助ける本を書き、12/18から発売しています。


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