
2016年 74冊目『チームのことだけ、考えた』
グループウエア「サイボウズ」の働きやすい会社作りのノウハウが惜しげもなく書かれています。
著者である同社の青野慶久社長に今年3月のイベントで登壇いただきました。
その関係で興味を持ち、手に取りました。
自分自身の思考と類似な事が多い事もあり、納得感が高い本でした。
良い組織作り、と言う観点で、今年イチです。お勧めです。
参考になった内容をまとめます。
■前提
ミッション:世界で一番使われるグループウエア・メーカになる
:チームワークあふれる社会を創る
組織のあり方:多様性
組織に必要なもの:公明正大
■人事制度関係
100人いれば100通りの人事制度
・ウルトラワーク:働く時間と場所を3×3のマトリックスで選び、随時変更可能。
時間:A:10時間以上、B:8-10時間、C:8時間以下
場所:1:90%以上オフィス、2:80-90%オフィス、3:80%以下オフィス
・最長6年の育児・介護休業制度
・育児・介護短時間勤務
・定年制の廃止
・副業原則自由:週4日はサイボウズで。
・育自分制度(復帰制度)
・部活動支援:組織横断での活動を支援(中身は問わず)
・誕生会支援:同上
・社員の引っ越しで拠点開設:九州、大阪
・給与は市場連動!
・風土の醸成
制度を作っても活用しないと意味が無い
目的を明確にし、それ以外の利用の場合は、制度取りやめ
成果
離職率28%→4%
女性が4割(IT業界では珍しい!)
優秀な人材が採用できるようになった
■仕事の進め方関係
共通言語を作り、生産性向上→この考え方大好きです。
・事実と解釈を分ける
・問題解決メソッド→中尾の三角形と類似の考え方です。
①問題(problem)を発見する
②問題を認識する。
解釈と事実×理想と現実のマトリクスで整理
③原因(causal action)を検討する.
現実の事実を引き起こした原因(人の行動)を探求
④課題(next action)を設定する
原因に対応する課題(next action)を設定する
・言葉の定義
現実:不具合が多い状態
原因:不具合を出したから
理想:不具合が少ない
課題:不具合を減らす事
課題の使い方が面白いですね。課題解決って事ですね。
成功:目標を達成した
失敗:目標を達成できなかった
・理想マップ
今から話をすることを 時期と組織のマトリクスで説明する
時期の範囲:1年後、3年後、5年後、10年後、30年後
組織の範囲:個人、チーム、グループ、本部、会社
・コンセプト
誰に=Target
何を言わせるか=Value
これを人の絵と吹き出しで表現
(これなるほどーって思いました)
・起案者と承認者の明確化
誰が起案できるのか、誰が承認できるのかをきちんと決める
・モチベーション:Will,Can,Must
お勧めです!
▼前回のブックレビューです。
▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。