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2014年7冊目「死ぬのが怖いとはどういうことか」

※この記事は2014年に書いたものです

私がこのタイトルから想像した内容と違い、新しい考え方を学べ、頭の体操になりました。去年出た本ですが7刷になっているのがよく分かります。お奨めです。

以前読んだリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」をポジティブにしたような本です。

2012年の調査によると死ぬのが怖いと思っている人は女性の6割弱、男性の5割程度だそうです。怖くないというのは男女とも3割前後。年齢による差異も小さいそうです。

この本では「怖い」とは何か?から始まります。感情があるから怖いと感じるわけです。なぜ大半の動物には(あるように見えたとしても)感情が無いのに、人間にだけあるのか?この回答を読むだけでも面白いです。

ちなみに、この本は「死」の問題を克服し、その上で生き生きと今を生きて欲しい思って書いた本だそうです。死とは何かを人類が蓄積してきた様々な学問的な知の蓄積を論拠として7つの説明をしてくれています。

  1. 脳科学の道:心は幻想だと理解する道

  2. 時間的俯瞰思考の道:すぐ死ぬこととあとで死ぬことの違いを考える道

  3. 客観的スケール思考の道:自分の小ささを客観視する道

  4. 主観的スケール思考の道:主観的時間は幻想だと理解する道

  5. 自他非分離の道:自己とは定義の結果だと理解する道

  6. 幸福学の道:幸福学研究からのアプローチ

  7. 思想の道:リラクゼーションと東洋思想からのアプローチ

この文章からは何を書いているのか分からないですよね。私もまったく分かりませんでした。

なるほどと言うか、そういう風に考えると怖くないかもと言うか、今のこの状態をラッキーって考えられるのをいくつか書いておきます。

1.脳科学の道、心というか感情があるから死が怖いと感じるわけです。この感情というか意識自体が勘違いだというのです。

少し難しいのですが「人間の脳における自由意志の無意識的決定」と言う論文があります。その論文によると私たちが指や腕を曲げようと思う0.35秒前に脳による意思決定が無意識的にされているのです。そして在る条件下では10秒近く前に無意識的に決定しているのです。

つまり、意識は錯覚だと言うのです。どうせ錯覚なんだから、人生の様々なおもりも錯覚だし、気にせずに軽やかに生き生きと生きて行きませんか?というのが著者の趣旨です。

実際、過去の記憶も都合が良いように変えていることもありますし、時間も実は様々な錯覚があるそうです。わたしにとっては目から鱗でした。

自分の意識が錯覚だなんて理解しづらいですね。

ただ、この感覚を宇宙最大のラッキーと考えてみてはどうか?と言っているのです。この今まさに生きていると認識している錯覚がラッキーなんだと。つまりあぶく銭みたいなものだと。もともと無かったところからスタートして考えてみてはどうか?と言っているのです。

同様に目からウロコの話(著者は理解するための山登りの道に例えています)が6本もあります。ぜひ頭の体操して見てください。

私は生きていることがラッキーと思えてきています。大事に生きようと思います。お奨めです。

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