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2014年2冊目「ロボットの天才」

ロボットクリエーターの高橋智隆さんの著書です。

パナソニックの電エボルタのコマーシャルでグランドキャニオンに登ったり、ルマン24と同じく24時間走ったロボットを作った方です。先日講演会を聞く機会があり、その後本をいただき読んでみました。

いやー面白かったですね。

高橋さんは現在ロボ・ガレージ社の社長なのですが従業員はいないのです。自分自身がロボットを作りたくて作った会社で人が自分の代わりにロボットを作るために会社経営をしたくないというのがその理由だそうです。根っからの技術者、と言うか職人ですね。自分がロボットを作り続けたいのです。まさにロボット(作り)の天才ですね。

目からウロコというか参考になったことを記録しておきます。

・設計図が無い
設計図は複数の人間が情報を共有するために必要なものであり、全ての業務を1人で行う高橋さんには不要。また、設計図を書くと安全率を見越した設計になり、細部が甘くなる。それでは最高のロボットはできない。実際高橋さんのロボットはとても綺麗というかセクシーでさえあります。

・仕事を受けるかどうかの判断
仕事を受けるかどうかは「先につながるかどうか」を重視する。自分や会社名が出ること。陰の下請けでは、いつまでも縁の下から這い上がれない。名前を出すからには、名を汚さないクオリティが不可欠であり、ブランドを築いて行くことが大事だそうです。

・大学名は重要
高橋さんは他の大学から京都大学へ入っている。そして京都大学発の1号ベンチャーでもある。これらの大学名が会社の信用、個人の信用を上げている。有名大学に入るための努力は投資対効果が高い。

・天才ガウス
高橋さんは本を書いているけれど、本を読むのは嫌いだそうだ(笑)。ロボットつくりもほとんど独学だそう。例外的にガウスのような天才の伝記をよむのが好きだそうだ。逆に普通の人がみんなで力を合わせてがんばって何かを成す、プロジェクトXは嫌いだそうだ。

・インターフェイスとしてのロボットの可能性
各家庭に小型のヒューマノイド型ロボットがいて、それに話しかけることで様々な家電や装置や調べ物をしてくれる世界がやってくる。実作業をせずインターフェイスに特化することで小型で済み、小型であることで少しくらいマヌケなリアクションでも人は勘弁してくれる。これは子供に対して大人が優しい気持ちなる事から分かりやすい。また人型であることで、利用者も感情移入できる。ペットでさえ感情移入できるのだから。スマホに声を掛けるのはイマイチだ。それは感情移入できないからだ。つまり、ロボットリビングから様々なことが始まる世界!が目の前まで来ている。

この本を読んで、我々もロボットによるコミュニケーションインターフェイス考えたいなと思いました。お奨めです。

▼今年のブックレビューです。よかったらご覧ください。 

▼PIVOTに出演しました。 


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