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2024年88冊目「アットコスメのつぶれない話」

ハードシングス本です。

化粧品口コミサイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルの創業者である吉松徹郎氏が、自身の起業から事業運営に至るまでの実体験を元に、企業が直面する困難をどのように乗り越え、成長を続けたのかを具体的に語った本です。

私たちへの教訓

顧客視点の徹底:
経営の全ての判断基準は「ユーザーが喜ぶかどうか」に基づいて行う。

柔軟な対応力:
どんな困難が訪れても、現状を受け入れ、適切な判断と行動を迅速に実施することが重要。

長期的なビジョンの重要性:
短期的な利益ではなく、長期的な価値創造を目指すことが企業成長の鍵。

どれも普通の会社も類似の事を言っています。これらを高いレベルで実行できるかどうかがポイントですね。

同社は、インターネット黎明期に「化粧品選びを変えたい」と「ユーザー主体の口コミサイト」をスタート。「正直な口コミ」が投稿しやすい設計に注力。化粧品ブランドとの広告収益モデルに依存せず、ユーザーの信頼を最優先に考えた運営方針を貫いた。

しかし、創業期には資金が不足し、社員に給与を払えない状況が続いた。エンジェル投資家や支援者との出会いが転機となり、初期の資金難を乗り越える。しかも、ビジョンを共有できる投資家を慎重に選び、長期成長にコミットする体制を構築。

ところが、社内で意見の対立やビジョンの共有不足が原因で混乱が生じる。

そこで、経営陣を刷新し、フラットで協力的な組織文化を再構築することで、信頼を取り戻した。加えて、「この仕事が好きだ」と感じられる環境を作るために、権限移譲や柔軟な働き方を導入。

「オンラインの成功だけでは不十分」という考えから、リアル店舗「アットコスメストア」を展開。店舗ではオンラインで人気の商品をピックアップし、実際に試せる場を提供。オンラインとオフラインを融合させる新しい小売モデルを実現。
オフライン進出の際、リスクを伴う決断ではあったが、ユーザー体験を拡張するというビジョンが意思決定を後押し。

株式上場を目指し準備を進める中で、市場環境や社内体制などで上場延期。
しかし、この判断が、その後の成長に繋がった。

コロナ禍によるリアル店舗の売上急減で経営が大打撃を受ける。この危機を乗り越えるため、即座にコスト削減やオンラインサービスの強化を実施。オンライン上でのキャンペーンや口コミ投稿の促進を図り、コロナ禍における顧客接点を維持。

何度も危ないタイミングがあったのですが、それを乗り越えられたのが冒頭の3つのポイントのようです。

▼前回のブックレビューです。

▼プレイングマネジャーを助ける本を書きました。12/18発売です。


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