2024年39冊目『サーバントであれ 奉仕して導く、リーダの生き方』
プレイングマネジャーって大変なので何とかしなきゃと思っています。
現在70名弱の人と一緒に、このテーマについてディスカッションしだしています。
その際に、これが参考になるのではないか?と教えてもらった本です。
サーバントリーダシップを学ぶための本です。
「引っ張るのではなく、支える。このシンプルなアイデアによってリーダシップの意味合いは根本的に変わった」と神戸大学の金井先生が帯に書いています。
著者はサーバントリーダシップの著者のグリーンリーフさんです。
これがグリンリーフさんのサーバントリーダの定義です。
私は評価する立場にはありませんが、これの後半の問いが良いですよね。
自らをサーバントリーダという人に違和感を持っています。
私は人に奉仕をしています。
独りよがりな考え方で、相手がどう思うかだよね。
と思っているからです。
この定義だと、相手が奉仕されていると感じているだけでは足りず、相手が成長し、更にその人がサーバントになる可能性が高まって、リーダーがサーバントだという事だからです。
私は、マネジャーの仕事を、芸能人のマネジャーのように考えると良いとアドバイスすることがあります。
相手に合わせて、マネジャーの仕事が変わるわけです。
ダウンタウンのマネジャーならば、彼らが気持ちよく仕事ができる環境整備が重要かもしれません。
若手のマネジャーなら一緒にネタを考えたり、元気がなくなっていたら、元気を出すのも仕事かもしれません。
そして、こんな奉仕を受けた芸能人が、後輩に対して、マネジャーにしてもらったことをするようになればさらに良いと話をしています。
一流の芸能人のマネジャーは、サーバントリーダシップを体現しているのかもしれません。
そんな話をよくしています。
さて、本の中身も少し触れておきます。
サーバントリーダシップを育てる上での柱になる考えは
①傾聴
②共感
③癒し
④気づき
⑤説得
⑥概念化
⑦先見力
⑧執事役
⑨人々への成長への関与
⑩コミュニティつくり
サーバントリーダシップの定義は続きがあって
社会でもっとも恵まれない人たちに対する影響はどうか。
その人たちは何か恩恵を得ているか。
少なくとも一層困窮することになっていないか。
そして、直接、間接を問わず、奉仕という行為にとって当たり前のように
傷つく人が1人もいないこと。
したがって良くない方法で多大な利益を得る事、すなわち一部の人の小さな、しかし、深刻な痛みという犠牲の上に成り立つ正義を、サーバントは認めない。
暴力に訴える可能性を生むならば、目的がどれほど崇高であったとしても
はねつけるだろう。
どんな立派な社会的目標であっても、急いで達成しようとして強引にことを進めようとはしない。説得によってもっとゆっくり行おうとする。
私自身はSAS(Satisfaction from ALL Stakeholders)を標ぼうしています。
そして関係者がどんどん増えてきています。
仲間と顧客だったものから、上司、株主、業界、地域と広がっています。
しかし、まだ目に見えていない困窮者までは視野に入っていません。
せいぜフェアトレードを意識するレベルです。
また、ことを早急に進めようというきらいは否定できません。
サーバントリーダシップは頭で理解するのと本当に実践するのはかなり大きな差異がありますね。
本の中で、事例として取り上げられているX社の創業者の話があります。
同社の従業員は自発的に動くことが同業他社よりも高いそうです。
その創業者は、社員のことを最優先に考える人だったそうです。
社員重視の会社は、他の条件が同じだったり、例外なく強いとあります。
同感です。
このような会社は、最高幹部の姿勢のせいで社内にネガティブな考え方が広がっている時でも、「強い」管理職がそのネガティブを雨傘で跳ねのけて、部下たちを前向きな姿勢にできるとあります。
これも同感ですね
成熟についても触れられています。
成熟は、著者の定義では、最高の自分になることだそうです。
そして、成熟を促すには教育、一般教養教育が重要だとあります。
子供の世界は自分を中心に半径6フィートだと言われています。
大人になると無くなるのではなく、それが広がり、他人と相互に影響を及ぼし合います。
その際に、自分を作る必要があり、それを支援してくれる人のおかげでより大きくなるのです。
かつていろいろな上司が私をサポートしてくれました。
一生の仕事を選ぶときに、自分を独自の存在にするものを見つけましょう!
3種類の影響力を駆使します
1強制力
2操る力
3影響力としての説得
成熟しつつあることを示すサインの1つは
人生のはかなさを受入れ、それまでとは違う状態になることをたとえどういう状態であれ引き受け、これから理性がまちかまえているのだという警告を事実として認められるようになることではないだろうか
常に注意を怠らず、ここぞという時に迅速に対応することだ。
成熟すると常に危険にさらされていることを無意識に認識しながらも、心静かに暮らし、ぐっすり眠られるようになるのである。
老後というのは、誰もが知っていて、しかし、それに向けた準備を怠ってしまう人がいる。
そういうことかもしれない。
▼前回のブックレビューです。
▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。