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2022年 82冊目『なぜ宇宙は存在するのか』

難しかったのですが、面白かったです。


宇宙論で宇宙を扱う時には、銀河等の構造が識別できないほどの大きなスケールを考える事が多い

→宇宙の一様性:平均化すれば宇宙はどこでも同じ(例 物質の密度)
→宇宙の等方性:どの方向を見ても(平均化すれば)同じように見える

※ほぼ一様等方に分布した物質で満たされた、ほぼ一様等方な空間

1916年 アインシュタインの一般相対性理論
→宇宙は膨張するか、収縮するかのどちらか

1929年 ハッブルが宇宙は膨張している証拠を発見
→これは銀河間は(あまりに離れているので)距離も大きくなる
→恒星間や原子間は(近いので)もとに戻る

素粒子
・6種類のクォーク(u,d,s,c,b,t)
・6種類のレプトン(電子、ミュー粒子、タウ粒子、3種のニュートリノ)

これらの粒子の間に力を媒介する光子、ウィークボゾン(X,Z)、グルーオン、さらにこれらの粒子が質量をもつ要因でもあるヒッグスボゾン

ダークマターの存在
→これが無いと色々な実験結果が説明できない

ダークエネルギー
→宇宙が加速膨張しているのは、何かが重力の斥力として働く存在が必要
→真空のエネルギー(←一般相対性理論では真空状態でもエネルギーを持てる)

宇宙の組成
69%:ダークエネルギー
26%:ダークマター
物質は残りの5%
粒子や星や銀河は0.4%
残りはガスやニュートリノ

宇宙が膨張する時のエネルギー密度
・物質のエネルギー密度は体積の増加に反比例して小さくなる
・真空のエネルギー密度は一定
・光やニュートリノからなる放射のエネルギーは空間の4乗に比例して小さくなる
→過去の宇宙では物質のエネルギー密度が現在の宇宙よりも大きな役割!
→同じく放射のエネルギーは更に大きな役割

放射優勢(宇宙5万歳)→物質優勢(100億歳)→真空エネルギー優勢(現在138億歳)
→0.1秒後300億度→1歳の時200万度→1000歳の時7万5000度→5万歳の時1万度→138億歳-270度
※宇宙が生まれて0.1秒後以降は正しい事が分かっている!!!

宇宙が暗く見えるのはドップラー効果の影響
→光が来る。しかし宇宙は膨張する。波長が長くなる。だから暗い

宇宙38万歳3000度(ようやく原子ができた。それまでは熱すぎた)
→宇宙の晴れ上がり(宇宙が光に対して不透明から透明)
→10万分の1の精度で温度も同じ
→宇宙は一様だった

この10万分の1のゆらぎが、密度が高い所はより高く、低い所はより低く
→物質→恒星→銀河→銀河団

しかし、物質の揺らぎだけだと、138億年で現在の絵にならない(もっと時間がかかる)

ダークマター(38万年後、ゆらぎが1000分の1程度と大きい)
→これが触媒となり原子の揺らぎを助ける
 これの条件はダークマターが冷たい

宇宙誕生後1分から10分の出来事
・原子核(陽子と中性子)が初めて合成←計算で出せる
→質量数が7より大きい原子核はほとんど作られない
→炭素、窒素、酸素は、恒星が誕生して、内部の核反応で作られた
→太陽は、第一世代の恒星が寿命後に爆発した2世代目か3世代目

宇宙が生まれて10の‐12乗秒後
→電磁気力、重力、弱い力、強い力
  電磁気力と弱い力は統一され電弱相互作用であった
  クォークとレプトンは質量0であった
  →2つの力が分離、2つの粒子は質量を持った

宇宙が生まれて1マイクロ秒(10の-6乗秒)
→1兆度→陽子も電子もない

これらは素粒子物理学の発展により分かった
・電弱統一理論
・ヒッグス場の理論→その後2012年にヒッグス粒子が発見
→高エネルギー状態で何が起きるから調べる学問

超初期の宇宙で起きた事
・10の‐25乗秒まで戻れる
・2つのことが決まった
→ダークマターの量
→物質の反対の性質を持つ反物質

ダークマター候補1 ウインプ
 Weakly Interacting Massive Particle
 弱い力と同程度の強さの相互作用をする、安定な粒子の総称
 ウインプの奇跡

ダークマター候補2 アクシオン
 標準模型に都合が良い
 1977年 とても軽くとても温度が低い

ダークマターは他にも候補があるし、複数が存在する可能性もある
なぜ反物質が無いように思えるのか
・もともとは同じ量だった。
→CP対称性の破れにより、ほんのわずかな差(6×10の‐10乗)
→この差を残して、全部消滅した
  つまり残っているのは消滅しなかった残りかす

ビッグバン宇宙に残された謎を解くインフレーション理論
・10の‐38乗秒から10の‐26乗秒の間に急激に膨張した
・スローロールインフレーション
  高台をゆっくり動くような状態
→インフレーションにより宇宙をほぼ完全に一様かつ平坦にした
→ビッグバンはこの状態から始まる
→インフレーションがあったのはほぼ確実だ柄、原子重力波が見つかれば大きな証拠

量子力学
・同時に様々な場所に確率的に存在する

ワインバーグの人間原理
・自然界には無数の異なる宇宙が存在し、人間が宇宙を観察した時(高等生命体が生じた時期)、真空エネルギー密度と物質のエネルギー密度がほぼ同じ
→これが観測で確かめられた!!

弦理論、超弦理論
・空間9次元+時間1次元の10次元
→次元が小さすぎて見えない(小さな6次元がある)
 小さく丸まった余剰の6次元がある

→様々な宇宙では、空間の次元、力の種類、素粒子の性質、真空のエネルギーなどが異なっている
↑余剰次元の構造に依存している

→泡宇宙が次々に生まれている 
  種類は10の500乗以上
  →10の‐120乗以下で物質、生命が生まれる

泡宇宙の前は、親宇宙があった!!!
→マルチバース

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