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2014年36冊目「世界のエリートの「失敗力」」
ハーバード、スタンフォード、マッキンゼー、BCG、ゴールドマン・サックス、Google、トヨタ自動車、ソニー、電通、三井物産、三菱商事の実在する方々の赤裸々な挫折体験から見える「世界が求めている力」と帯に書かれています。
ハーバードやスタンフォードの経営大学院に入学する際に課題エッセイの提出が必要です。そのテーマでよく出されるのが「失敗体験」だそうです。
どのような失敗をし、そこから何を学んだのか?を具体的に書くことが求められます。失敗を乗り越えた経験が今後のビジネスに活かせると考えているからだそうです。
このようなMBAを学びに来る学生の平均年齢は27歳。社会人生活も短くエース人材であることが多いのです。MBA取得後は若くしてビジネスリーダになる人も少なくありません。そこで在学中に失敗耐性をつけさせようとするそうです。
また失敗を疑似体験することで謙虚さも学べます。彼らビジネスエリートは得てして傲慢になりがちです。失敗を通じて周囲からの援助などを受けることで謙虚さも芽生えるそうです。
また、何よりも失敗からは多くのことが学べるというメリットがあります。それらの観点から失敗力を教えるそうです。なるほどという感じです。
この本の具体例として出てくる失敗事例は,グローバルでとても影響の大きいものから、プライベートのこと、そしてほんの小さなものまで様々です。前半は大きい失敗例が書かれていて、後半に行くに従い、小さな失敗例になり、どこかで感情移入できる構成になっています。そして、すべて何らかの形でその失敗を乗り越えています。
また、失敗には再起できる失敗と再起できない失敗があると言います。再起とは失敗した人が周囲から信頼を得続けられるかどうかということです。前者、再起できるのは「最大限の努力をした結果の失敗」「投資家や周りの人に対して、最大限の誠実さを尽くした結果の失敗」。後者はこの逆ということになります。
うろ覚えですが、以前ソフトバンクの孫さんがアメリカの合弁会社を撤退する際に、関係者に返す必要が無い出資金を返却したと言う話を聞いたことがあります。全員が誠実に努力をした。結果は失敗だったが関係者だけのせいではないという判断だそうです。関係者は今後、孫さんが事業をアメリカでは始める際は、中身にかかわらず出資するという話になったそうです。凄いなと思ったのを思い出しました。
とは言え、だれも失敗したくありません。失敗しないためには何もしなければ失敗しません。それを戒めるために以下の言葉が載っていました。まさにそうですね。
Regret for the things we did can be tempered by time, it is regret for the things we did not do that is inconsolable.
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