2020facekookいいね!ランキング5位『プロフェッショナル経営参謀』

ボストン・コンサルティング・グループの日本代表の杉田浩章さんの著書です。

杉田さん自身がリクルートの外部経営参謀的役割をされていました。
その関係で、リクルートホールディングスの内部経営参謀だった池内省吾さんとの対談も載っています。

池内さんは過去リクルート4人のCEOの参謀だったんですよね。

これかなり読み応えあります。

自身の失敗経験(価格戦略をして短期は成功したが翌年に値崩れした)
ネットへの移行がうまくいかなかったこと(桜散る美学=正しいことを伝えて、分からないのは馬鹿)
もっと上手にできたのではないかという危機感。

好奇心と洞察力が経営者と参謀には必須の能力だと言い切る強さ。

池内さんとは、経営会議でもご一緒していたのですが、質問力が高かったのを覚えています。

一度受け止めて、3つ確認させてください。と言って本質的な問いを投げかけていました。
そのようにできるようになったエピソードも載っています。

もう1社JTインターナショナルの筒井さんの話も参考になります。
私自身、経営参謀と言えるかどうかは別にして、事業部トップのスタッフとして仕事をしていた期間がありました。

その際に、あーあるあるって話が載ってもいます。

イケテイル経営参謀の仕事は
1 解くべき課題を設定し、潰していくべき論点の粒度と順序を見極める
2 意思決定のメカニズムとプロセスを組み立てる
3 刺激する材料と考えさせる質問を突き付ける
 

どれも日本語にすると理解できますが、実際にやるの難しいんですよね。3が特にですね。

イケてない参謀の10のケースも載っています
1 トップの指示を鵜呑みにしてそのまま受け入れる
2 トップのいきなりの豹変についていけず混乱する
3 トップの言うことだけに乗っかり、立場の弱い少数意見を無視
4 いいねその方向で進めてくれ を真に受ける
5 最初に立てた予定調和のシナリオで押し切ろうとする
6 答えの出せない問いを設定したまま堂々巡りをする
7 自分が見えている世界だけで物事を判断する
8 バカと思われたくないので、相手に聞き返さない
9 自分が抱いた違和感を封印してしまう
10自分のチームメンバに精鋭ばかりを集めたつもりなのに、、、
 どれもあるあるで、思い当たることあります。
 1,2、4はまさにやってしまったことがあります。

この後、課題と論点の整理の仕方が載っていて意思決定のシナリオデザインが載っているので、これらが不得意な人は参考になると思います。

5章が議論を誘発するための事前準備、ファシリテーション、ラップアップミーティングとG-POPのPOPのステップのスキルを磨けます。

6章では参謀に必要な能力として7つ挙げています
1 まだ見えていないものを見たいという目
2 仮説を出し続ける力
3 シナリオプランニング的発想
4 はっとさせることへの意欲
5 オーナシップ
6 人の心の動きを読む
7 変化を恐れない。宙ぶらりんな状態に耐えらえる。
  5を忘れがちで、7に耐えられなくなったりしますよね。

最後の7章はトレーニングです。
1 まずは自分なりの学び方のパターンの習得
2 人から学ぶ機会を増やす
3 決めごとを決めて必ずやり続ける
4 メンタル耐性がつく機会から逃げない
5 そして最後は、定期診断

杉田さんには時々壁打ち相手をして頂いたり、池内さんは仕事を間近で見ていたので、この言葉の奥にあるものの一部を体感しています。
深くて、学びの多い本です。

これができれば年収が10倍以上になる可能性があるってことですね。希望が持てます。



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