サウナ専用スマートウォッチ『サウォッチ』レビュー
※サブスク開始を受けて最下部に追記
第一版は予約で完売したようで、メルカリなどでは倍以上の価格で転売されているサウナー期待の商品、サウォッチのレビューをしてみたい。
環境や心拍数などの変化を検知して自動でサウナ→水風呂→休憩の測定をしてくれるという触れ込みである。
ちなみに利用画面はこんな感じだ。
ととのい指数を数値化してくれるという面白い試みも感じられる。アプリと連動してサ活記録も兼ねているので、その点は非常に使いやすい印象。
操作性
正直にいってサ活前提だとかなり使いづらい。画面全体ではなく一部のタップにしか対応しておらず、スワイプなどの直観的な操作ができないことは元より、スマートウォッチあるあるで水滴が指などに付いていると反応しない。
そうなると、常にタオルを持ち歩かないといけないが、水風呂に入る時などはタオルを手に持って入らないことが多いので、手も足も出なくなる。どうせタップしかできないのなら物理ボタンや感圧式での操作のみに振り切ったほうがまだマシだったのではないだろうか。
自動検知機能
これまた私の環境では非常に微妙だった。たまに自動で検知する時もある、ぐらいの感覚で、そういった時はラッキーな気分でテンションが上がるぐらいだ。
何度か利用したが、サウナのみや水風呂のみであれば検知することもなくはないが、サウナ→水風呂→外気浴の全てを自動で検知したことは一度もなかった。
となると、毎回手動で「今からサウナ」「今から水風呂」、極めつけは「今からととのい休憩」の最も集中したい場面でやたらと操作の手間を強いられることになり、サウナ体験に集中できなくなるという本末転倒ぶりである。
センサー等について
これは他のスマートウォッチでもあるあるだが、心拍数が高くなりすぎると脈拍が早くなりすぎるせいか正確な検知ができず、急に心拍数が低く表示されることが良くある。
心拍数の上下はととのい指数の算出に使われるメイン要素のようなので、しっかりととのっていても、期待と違う値が出ることがある。どうも実際には右肩上がりの場合でも心拍数が乱高下しているように誤検知してしまうようだ。
この点はもはや本製品に限らずスマートウォッチ製品全般に通ずる課題なので致し方ないところか・・・。それにしても皮膚表面温度のセンサーまで付いているのに、自動検知には役立たずというのが何とも残念である。
サウナ内と水風呂内、そして休憩中は明確に10℃、20℃単位での差が出ているにも関わらず、こちらの要素があまり有効活用されていないように思える。
総合評価
コンセプトはめちゃくちゃ良い。アプリと連動して記録だけでなく施設情報含めたサ活そのもののログとの連動もできる点はとても素晴らしい。
本音を言うとサウナアプリのなかでもデファクトスタンダードと言っても過言ではないサウナイキタイと連動してほしかったところだが、そこは大人の事情といったところだろう。
ただし、ガジェットアイテムとしては正直かなりレベルが低いと言わざるを得ない。何よりサウナ体験を記録や可視化するためにそもそものサウナ体験のクオリティ自体が下がってしまうのは致命的だろう。
もう少し試作品でのテストやβテストのような仕組みでユーザーの声を募ったほうが良かったのではないだろうか。正直、数回試しただけで改善点がここまで明確に出てくることを見ると、サウナ好きのサウナーが何度も試していれば、このクオリティはあり得ないと断言できる。
何よりハード面はおいそれとは改善できないので、残念ながら改善されたVer2.0が出るとしても、今手元にあるサウォッチはただの時計に成り下がるだろう。
願わくばソフトウェア的な改善で自動検知の精度を向上させてくれればまだ使い物になるかもしれないが、恐らくスマートウォッチ自体のアップデート機能などは無さそうだ。何とかこの点は頑張ってもらいたいところだが・・
ということで、それなりの値段がするガジェットではあるが、正直試作品レベルのものを掴まされたな、という感想である。サウナ機能を除けば2~3000円の安価な中華性スマートウォッチよりも低クオリティなので非常に厳しい感想となってしまった。
※追記
サウォッチを同期するアプリ「サの国」に月額300円のプレミアムプランが用意された。
こちらに課金すればサウナ水風呂内でいちいち操作しなくてもアプリと同期した際に自動でラベリングをしてくれるようになる。
ただ、正直機能的に不十分なものを売りつけられて、後から毎月300円(年間3600円)を支払えばまともに使えるようになりますよ、と言われても納得感はゼロである。
ちなみに、タッチパネルが動作しない不評は製作元にも届いてるのか、次世代のサウォッチでは物理ボタンを搭載する予定だそう。2024/10現在まだ発売時期は明確にされていないが。
レビュー時に試作品を掴まされた、という記載をしたが正に言っていたとおりになったようだ。試作品を作って数人のサウナーでテスト後、改善しておけばここまでの酷評はなかっただろう。
後からサブスクで機能追加という悪どいやり方含め、一度ケチがついてしまうと、正直なところ改善したと言われても買う気が起きない。初代が使い物にならないことを考えると、初代購入ユーザーは新型と無料で交換する、ぐらいのサービスがあって然るべきかと思う。実態としては試作品と正式版の扱いなら当然ではないだろうか。