Route3776(ゼロ富士)挑戦記Day1-3: 試練と褒美。
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Day1(2023/08/04)続き
第一の試練
富士山の恐ろしさを感じながら道を進む。
道を進むに連れて車通りが多くなってきた。
おそらく今まで来た道が脇道で、本道に合流したからだろう。
引き続き鳥や虫の鳴き声が聞こえていたが、それに雨音が混じりはじめた。
都会の雨音とはまた雰囲気が違う。
アスファルトに打ち付ける音というよりは、木々を濡らす音がしんしんと響く。
檻の中のように包囲されているような感覚がした。
降り始めは恵みの雨に思えた。
蒸し暑さにやられた身体には少し心地よかった。
しかし雨脚はすぐに加速した。
遠くに雷鳴も聞こえる。
雷からの逃げ場はないが、雨が凌げそうな木陰に一時避難する。
たまたま電波が入るところだったので雨雲レーダーを確認。
すぐに止みそうな雨ではなかったため、少し補給食を食べてから出発することにした。
雨の中をひた走る
雨は弱まることなく降り続いた。
GORE-TEX素材のシューズを履いていたこともあり、降り始めは足の不快感が抑えられていたが、上から直接入ってくる水がシューズ内でバケツ状態になり、走るとチャプンチャプン音を立てた。
GORE-TEXは普段履きや小降りの雨には有効だけど、これだけの雨が降ると裏目に出ることが分かった。
水が抜けない。
しかしここである意味では諦めがついた。
大きな水溜まりがいくつも待ち構えていたが、割り切って前に進んだ。
…明日への対応については、今夜の宿泊先であるコテージに着いてから考えよう。
雨が酷くなってからの道中、同志と思われる姿を2人見かけた。
こんな豪雨の中、ザックを背負ってトレランシューズで進んでいるのはきっとRoute3776挑戦者以外にはそういないだろう。
そんなこんなで足裏がふやけてマメができないかを心配しながら、山道をビュンビュン飛ばしていく車に轢かれないように気をつけながら、残りの道のりを進んだ。
コテージ
電波が繋がったり切れたりしている中でどうにかGoogle Mapでコテージまでの距離を調べる。
着実に近づいているが、一向に変わらない景色に嫌気が差す。
水溜まりの有無、車のサイズ感、上り坂の傾斜。それくらいしか目の前の景色で変わる要素がない。ほんとに。
そこで遂に現れた PICA表富士 の文字!
コテージまでもうすぐだ。
着いた!
そして着いた瞬間土砂降り。
既に滴るレベルでびっしょり濡れていたが、滝のような雨に打たれる前に到着できたのは精神的に救われた。
リカバリー
ロビーとして機能している建物で受付を済ませ、建物裏にあるシャワールームへ移る。
(屋根がないので一度滝に打たれた。)
濡れていないマスを1つも残していない身体をシャワーで洗い流す。
既に濡れているものを更にびしょびしょにする謎の作業。
しかしこの時の温かいシャワーはメンタル面も回復させてくれた。
冷たい雨に打たれた身体を包む温水。
想像以上に優しいものだった。
そそくさとロビーに戻り、カップラーメンとビールを買った。
当たり前だがカップラーメンはシャワーより熱い。
身体の内側にも温かい成分を送れて嬉しかった。
冷たいビールと交互に送り込んでいたので身体は困っていたかもしれないが気にしない。
同志との再開
初日を振り返りながらロビーで労い合っていると、コテージで一緒に泊まる方が到着した。
Route3776用のコテージは相部屋での利用となる。
50代の落ち着いた男性。
道中、雨の中で挨拶をした方だった。
シャワーの場所を案内して、彼が戻るまではそのままロビーでビールを楽しんでいた。
コテージへ移動
雨が弱まったので3人で泊まるコテージへ移動した。
移動時はぐちょぐちょのシューズをさきっぽ半分だけ履いた。
あとでしっかり乾かさなきゃね、と会話しながらロビーから近いコテージへは1分ほどで着いた。
趣のある内装。
6畳間+キッチンスペース。
デロンギのヒーターがあったので、これを使って荷物を乾かす作戦に出た。
力は弱そうだが、じっくり乾かしてくれることを期待した。
荷物を乾かしながら、改めて自己紹介を交わしつつ談笑を楽しんだ。
東京から来ているMさんは先週も富士山に登ったらしい。
しっかり狂っている。(褒め言葉)
Mさんは今回2泊3日プランで進むということだった。
我々は1泊2日なので、富士山で夜を越すのは今日だけだ。
一期一会の会話を名残惜しみつつも、今日の疲労感と明日のスケジュールを鑑みてすぐに寝ることにした。
眠くてたまらなかった。
Mさんも同じタイミングで寝ると言ってくれたので気を遣わずに過ごせた。
ありがたい。
予定より早いが、20時半頃に就寝した。
↓に続く。