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蛍光インキで印刷<前編>
みなさんは蛍光色の印刷物を見たことがありますか?
私達のような印刷業界やデザイナーの方でなければ
普段あまり意識することはないかもしれません。
”なんか他のものとちょっと違うなぁ”
”なんかガツンとくるなぁ”
と思ったとき、
それは蛍光インキの仕業かもしれません。
今回は蛍光インキを使用したチラシの制作過程を
前後編の2回に分けてレポートします!
<前編>
0.蛍光インキとは?
1.打ち合わせ~デザイン
(1)打ち合わせ
(2)デザイン・印刷・加工の検討
<後編>
2.印刷
3.完成!
4.補足
0.蛍光インキとは?
通常のインキよりも明るくて鮮やかな色のインキのことです。
同じ色(たとえば「緑」という大きなくくり)における鮮やかさの度合いは
4色(CMYK)かけ合わせ < 特色 < 蛍光
となります。
CMYKより特色のほうが濁らないので
鮮やかに見えるのはなんとなく理解できますが
蛍光はなぜ鮮やかなのでしょうか。
少し調べてみました。
科学的な話になりますが、
ものが見えるのは、物体にあたった光の反射光を
私たちの目が捉えているからなんですね。
そして、蛍光インキには蛍光体というものが含まれていて、
通常のものよりも光をたくさん反射させるそうです。
紫外線をも可視光に変えるらしく、その力、約3倍!
すごい・・・なんという物質。
その分お値段も通常のインキに比べて高くなるみたいですが、
なんだかちょっとわくわくしませんか?
では、今回の案件に進みましょう♪
1.打ち合わせ~デザイン
今回のお客様は(公財)岡山文化芸術創造さま。
岡山市に新たに誕生する芸術と文化の発信拠点
「岡山文化芸術創造劇場:愛称ハレノワ」
の開館に向けて様々な関連イベントをされています。
その一環のイベント『ハレルワークショップ 100人ダンス』
の参加者募集チラシをご依頼いただきました。
(1)打ち合わせ
まずはイベントの概要や対象者などをお伺いし、
ご要望やデザインについての打ち合わせをしました。
・老若男女問わずどんな方にも参加してほしい
・配架されたときに他のチラシに負けないインパクトがほしい
というご希望に加えて
”普通のチラシとは違うひと工夫がほしい”ということで、
型抜きや特色印刷、特殊用紙、デザインのヒントになることなど
おもしろそうなアイデアをいただきました。
こういう妄想を膨らませる時間はとても楽しいですね♪
![](https://assets.st-note.com/img/1663318389270-QsBs0FUrHi.jpg?width=1200)
(2)デザインと印刷・加工の検討
打ち合わせ内容をもとに、デザイナーから案が上がってきました。
【案1】型抜き加工
A4以外の形に加工して目を惹く作戦です。
【案2】蛍光インキで印刷
蛍光オレンジを使えば劇場のロゴ色にも近くて
新劇場を印象付けることもできるのではないか
というねらいです。
社内で検討した結果、
・裏面にFAX申込用紙をつけること
・チラシのみの制作なので退色をあまり気にしなくてよい
という理由から【案2】蛍光インキを採用することにしました。
方向性が決まったら
蛍光インキの効果をさらに発揮させるための紙選びです。
デザイナーに何種類か銘柄をピックアップしてもらいました。
紙屋さんにもオススメを聞いて、
アート紙(=テカテカ系の紙)やキャスト系(=ピカピカ系の紙)
の用紙をチョイスしました。
ここから予算に合った仕様に絞り込んでいき、
デザイン案と一緒にお客様にご提案させていただきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663318419177-ZB2YXpNn9Z.jpg?width=1200)
【デザインのポイント】
・born dance(=盆踊り)→輪になって踊っているイメージ。
・「日常動作から生まれるダンス」→いろんなポーズのイラストを配置。
・紙の白さと蛍光インキを対比させるために印刷しない(白色)面を設けた。
【仕様】
サイズ:A4 4ページ(2つ折り加工)
印 刷:5/5[表(外面)5色/裏(中面)5色]
プロセス4色(CMYK)+蛍光オレンジ
用 紙:エスプリFP 90kg
ご担当者様からも「いいですね!」と嬉しい一言!
提案通りの仕様を採用いただきました。
その後何度か校正を経て無事校了いたしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663318506327-8TPH8olaSJ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1663318503289-pOrBrLdMx7.jpg?width=1200)
さて、次回<後半>はいよいよ印刷工程をご案内します!