売りたいものがあるなら、発信には「共感」だけでなく「納得」を。
こんにちは。中野あすかです。
自分の商品・サービスをインターネットやSNS上で展開したい場合、日々の”発信活動”が欠かせません。
この記事にアクセスいただいた方も、きっと何かしらの発信活動をすでにしている方が多いのではないでしょうか。むしろ、これから発信活動を始めようとしている方のほうが少ないかもしれません。
最近のビジネスのトレンドに、「共感マーケティング」というものがあります。
受け手が共感する文章を書こう、共感するエピソードを挟もう、いきなりアドバイスをするのではなく、感情を受け止めよう。世の中に既にたくさんの「共感表現のノウハウ」が書籍や記事となって展開されています。
かく言う私も、”共感”という視点は発信活動においてかなり大切にしています。伝えたいことを補強するために、エピソードとして、過去のキャリアや人間関係における失敗談や、自分自身の生い立ちの自己開示をしています。
自分の辛かった過去の経験に触れるのはなかなかしんどい作業ではありますが、伝えたいことをこちらの意図通り純度高く伝えるためには、やはり必要な過程。
やはり自分が「なぜそう思ったのか」を書かないと、「う~ん、そうゆうことじゃないんだけどな」という受け取り手との認識のズレが起こってしまうので、なるべく詳しく、かつエモーショナルに書くことが多いです。
(実際に体験した感情やストーリーをそのまま描写するだけなので、作ったり盛ったりする訳ではないのですが。)
おかげさまで独立から2ヵ月近くが立ち、高額帯の商品展開にも関わらず少しずつお問い合わせや反応をいただけるようになりました。
私は、twitter、note、stand.fm、LINE公式アカウントを中心に発信活動をしておりますが、それぞれのメディアで、私の発信を毎回楽しみにしてくださる方が少しずつ増えてきたように感じています。(自分で言うのは少しおこがましい表現ですが😭、、)
ただ、この”共感マーケティング”の使い方については、私たちフリーランスのような「自分の存在を自分で売っていく」人間には、もう少し踏み込んだ解釈が必要なのではないかと思っています。
今日はそんなお話をしていきます!
そもそもなぜ”共感”がビジネスにおいて流行しているのか?
そもそもなぜ、「受け取り手に共感感情を抱かせること」「受け取り手の感情に共感すること」がビジネスにおいて流行しているのか。
これは私見に過ぎないのですが、おそらくもう私たちは、Googleで調べれば簡単に出てくる「ノウハウ」には、もうお腹いっぱいになってしまったことが起因しているかと思います。
特に私たちのようなアラサー以降の世代は、「ググレカス」の時代をたーっぷりと過ごしてきて、「情報は簡単に手に入るものである」という大前提がもうできています。そこで、私たちが次に求め始めたものは、ストーリーなんです。
ストーリーは、検索するものではなく”偶然”出会うもの。
簡単にアクセスできないからこそ価値があり、そこに魅力を感じることができるのだと思います。(もちろん広告やアルゴリズムの仕組みで実際は、”完璧な偶然”ではないケースもたくさんあります。)
「ああ、それ思ってたの私だけじゃないんだ」とか「この人なら、私のことも分かってくれる」という安心感は、私たちのような疲れ切った現代人にとっては、やっと見つけた活路、いや救いだったのかもしれません。
活路や救いを求め始めた私たちは、検索して簡単に出てくる、魅力や機能を語っているだけの商品には心が1ミリも動かなくなりました。「自分が商品を買うための理由」がご丁寧に、しかも”自分のため”だけのように描かれていないと、買うことができなくなったのです。もちろん、商品が高価格帯になればなるほど、その傾向は強くなります。
”偶然”出会って、
”自分のためだけに”言ってくれている。
私たちは、そういった発信や商品を求めているのです。
”共感”だけを生み出せばいいわけじゃない。
そうして、ビジネスに携わるの多く人が「そうか、分かった、共感だな!」と、共感マーケティングについて勉強をしだしました。
”共感できる”文章やエピソードを書ける人は、やはりとても多いです。特にnoteは、文字数制限がなく、細かな描写や文字だけに留まらない表現方法ができることが特徴です。より深い共感を、生み出しやすい環境が整っています。
ただ、「商品やサービスを売る」という観点では、”共感”だけでは戦うことができません。
個人的な発信や、利益活動を伴わない場合は、”共感エピソード”だけでいいと思います。しかし、私たちがやっていることはビジネス。商品やサービスを買っていただかないことには、売り上げも利益も出ません。
では商品やサービスを買ったいただくためには何が必要なのか。前述した通り、「買うための理由」が必要になります。
私は、この「買うための理由」は、”納得”の積み上げから醸成されるものだと考えています。
納得の積み上げとは
まず、”納得”とは何か。というお話からしなくてはなりません。
例えば私は、コーチングセッションやコンサルティングを販売しているフリーランスです。前述の通り、私は自分の過去のトラブル、失敗、つらかったことや、生い立ちなんかをこのnoteで発信しています。”共感”を持ってもらうためです。
ただ、発信には、その”共感”とセットで、
と、読み手に思ってもらえるような、”納得”や”腹落ち”を1つ以上入れるようにしています。
もちろんこの”納得”や”腹落ち”は、深ければ深いほど読み手に刺さります。なので、私は、私自身が「ぐおっ…!」と脳や心に刺さったものについて書くことが多いです。
私にとって「共感エピソード」は、この”納得”や”腹落ち”まで持っていく伏線のために使うイメージなんですよね。エピソードに共感してもらうことは目的ではなく、納得や腹落ちしてもらうことが目的なのです。
そして、”納得の積み上げ”とは、文字通りこの”納得”をたくさんの発信で積み上げていくこと。
私はこの2ヵ月間でnoteを33記事、stand.fmでのラジオを66本投稿してきました。一つひとつの記事や放送に、”納得”を入れ込む訳なので、ネタづくりは大変です。でも、その”積み上げ”が着実に実を結んでいるのです。
”納得”が積みあがると、信頼関係が生まれる
読み手側に”納得”が積みあがると、「この人は自分にとって有益な人物である」というイメージが強くなり、次の発信がとても楽しみになります。
イメージとしては、好きな雑誌の次号を待つような感じでしょうか。新着表示が出ると、「待ってました!」といわんばかりにクリックをする。そして、また新しい”納得”が積みあがる。
そして、積みあがった”納得”は次第に、”信頼関係”へと発展していきます。
「この人の言うことは、信頼できそうだ」
「この人のことは、信頼できそうだ」
という状態です。
私は現在、自分自身で直接コーチを雇い、長期のコーチングセッションを受けています。そのセッションは決して安くありませんでした。
しかし、私が彼女の発信内容を通じて既に彼女に信頼関係を築いていたからこそ、料金に関わらず、「買います!」と即答できたのだと思います。それだけ、私が彼女は信頼できる存在である、と感じていたからです。
彼女の発信の中には、たくさんの”共感”と”納得”がつまっていて、「この人の言葉は、信じられる。」「この人は私と一緒に、私の人生を考えてくれる気がする」というところまで達していたのです。
購入までの間、やりとりは一度もしたことはありません。彼女は私の名前すら知らなかったかもしれません。発信者に直接会わずとも、受け手側で勝手に信頼関係を形成していた状態だったのです。
この信頼関係こそが、お客さまの購買意欲に直結するものとなるのです。
事実、私は彼女の発信をひとしきり読んだり、彼女の発信を追いかけたりするうちに、自分から彼女にコンタクトを取り、商談→セッション購入、という流れとなりました。
ここで例に出したコーチングセッションは、”納得”を積まないと買えない商品の特性と、価格帯だったかと思います。
同じレベルを想定すると、例えばホームページ制作、広告・デザイン制作、コンサルティング、心理カウンセリング、業務代行、長期の講座/セミナー、スクール、医療/美容サービスなどが他には当てはまりそうな気がします。
やはり、それなりのお代をいただいて、クライアントに深くコミットしていくようなサービスが多くなりますね。
まとめると
発信との出会い~購入に至るまでにクライアントが辿る一連のプロセスをまとめると、このようになります。
私たちのような、自分の商品・サービスを持つ者が行う発信活動は本来、共感されることは目的ではなく、購入していただくことが目的です。
共感ブームに足元をとらわれてしまうと、共感されることに全振りしてしまい、読み手は”共感”の域から出ず、「はぁ共感した。素敵だった!」と、スキやいいねをつけた後に、あなたのコンテンツから離脱をしてしまいます。
必要なのは、”共感”だけでなく、”納得”できる文章・コンテンツも合わせて積み重ねる。そして、「商品を買う理由」をつくってあげること。
これが、私たちのようにインターネットの広い海で自分の商品・サービスを売りたい人間たちが、地道にやっていかにゃならんことなのだと思っています。
いつだって、本質を見失ったら売れなくなる。
それがビジネスってやつなのかもしれません…!
▼ラジオでもこのテーマについて話しました!
▼「対話」「自分で自分のしごとをつくる」をテーマに記事を書いています。スキ&フォロー待ってます。
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