最近の良かったアルバム 独プログレ・アンビエント編
●はじめに
4月頃にジャーマンプログレにどハマリしました。
元々クラフトワークが大好きで、そこからテクノやマニュエル・ゲッチングの「E2-E4」(1984)やタンジェリン・ドリームに傾倒していったので、自分の中では第2波という感じです。その流れで環境音楽(アンビエント)にも関心を持ち始めました。
環境音楽というとブライアン・イーノの「Ambient 1 : Music For Airport」(1978)が不朽の名作として挙げられます。
しかし、それ以前にアシュ・ラ・テンペルやクラスター、そしてタンジェリン・ドリームなどの独プログレ陣がそれに相当する作品を多数制作しています。(ただし、環境音楽という意図ではないでしょう)
そんなわけで、「独プログレ・アンビエント」と括っています。
まずは独プログレを2枚
●Cluster「Großes Wasser」(1978)
ただのアヴァンギャルドな反復エレクトロではなく、環境音楽の要素が感じられるところがグッド。ジャケは額縁に入れて飾りたいデザイン。
OGRE YOU ASSHOLEの「ハンドルを放す前に」(2016)のジャケと激似ですが、元ネタというわけではなくただの偶然だそうです。(わりと最近まで元ネタだと思っていました。)
そのことについてはこちらのインタビューに載っています。影響については特に否定していませんし、サウンド面では確実に影響を受けていると思います。
●Ashra「Blackouts」(1977)
ジャケがダサい。でもダサいジャケほどギターがうまいと相場が決まっているのです。イングウェイを始めとするメタルバンドたちが、しっかりそれを証明しています。
このアルバムもその法則通り。ひたすら幻想的なアドリブ(と思われる)ギターが鳴り続け、その音色にうっとり。でもきちんと爆裂ギター小僧なので、ギタリストは必聴です。
続いてアンビエントを2枚
●Okada Takuro + duenn「都市計画(Urban Planning)」(2020)
とても分厚い雲に覆われた昼間、打ちっぱなしのコンクリートで造られた美術館の屋上から都市を眺めているような、そんな気分になります。
コロナ真っ只中に配信限定でのリリースということで、それも相まって不思議な存在感を放つ作品。1〜2分の曲が多いので聴きやすくて疲れません。まさに環境音楽。フィジカル化を切に願っています。内容を更に理解したい方はこちらのインタビューを読むとスッと入ってきます。
(動画はアルバムを3時間ほどループさせたものです。)
●Hiroshi Yoshimura「Green」(1986)
上述の「都市計画」をきっかけに知った作品。偶然最近リイシューされたと知り、即買い。日本の環境音楽の金字塔と言われるのも納得の内容。全く害のない美しい音楽。寝る前に聴くと睡眠の質が上がる…気がしている最近です。今年のベストアルバム候補!
歌のない曲を聴くと歌のある曲が猛烈に染みたり、その逆があったりと不思議な現象に日々感銘を受けています。学業の成績は絶対評価でされてきた世代ですが、結局相対的にものごとを捉えてしまいます。なぜなんでしょう。